ベトナム日記5:すぐれものパンツ
ベトナム中部の街、フエに来た。
そしてここですぐれものパンツを見つけた。
今私はこのパンツを履くたびに自由な気分になっている。
フエはホーチミンと比べると断然「田舎」だが、ベトナム最後の王朝があった古都で、世界遺産もある。旅行者向けの店が多く、動きまわるのにちょうどいい広さだ。
ホテルが河沿いにあることもあり、また、仕事に少し余裕ができて、こちらに来てよく散歩している。
水量が豊かな、ゆったりとした流れの河。中州があり、緑が河の中央に見える。そこに舟が浮かび、川沿いにヤシの木が並ぶ。
夕方は向こう岸がオレンジ色に染まる。
いい街だが、暑い。
何はともあれ暑い。
とにかく暑い。
ちょっと外出するとシャワーが必要だ。
日本から持っきた服は暑すぎる。手洗いも難しい。
(ホテルのランドリーサービスは貧乏性の私にはつらい)
そこで、街の服屋さんでパンツを買った。
これがすこぶる快適なのだ。
化繊でぺらぺらの生地だが、てろっとしておしゃれっぽさがある(と自分では思っている)。手洗いして絞って干すとすぐに乾く。
それに、前から見るときちっとしたウエストに見えるが後ろが全面ゴムで、きつくない。そしてポケットもある!
ベトナムでは手ぶらで歩く人を良く見る。きっと携帯とお金をちょっとだけ持って出歩くんだろう。ひったくりもいると聞くし。
そうなるとポケットは必須だ。
観光客向けの店で買ったのだが、パンツは1枚200,000ドンだった(約1,000円)。それを2枚で350,000ドン(約1,750円)にまけてもらった。それでもぼられているのかもしれないけど、スーパーで売っていた地元民向け衣料品で似たようなパンツが1枚700円ぐらいだったのでそんなに悪くないのだろう。
買う前は色々考えた。
こんなパンツ履いて学生たちはどう思うだろうか。
職員としてきているのにいいのだろうか。
でも暑さには勝てなかった。
このパンツをはいたら、快適で、急に自由な気分になった。
日本の枠を一つ外したような気分。
我ながら服一枚で気軽になる単純さに感心するが、案外こんなところから異文化適応は始まるのかもしれない。
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