ベトナム日記4:てっぺん
ホテルの部屋から見える家が気になっている。
高層ビルのてっぺんに、ちょっと場違いな家が乗っかっているのだ。
「乗っかっている」という言葉がぴったりな一軒家。いったい誰が住んでいるんだろう。
家の周りには緑もあって、地上から家の一角を切り取ってビルの上に乗っけたよう。写真ではよく見えないかもしれないが、物干しのようなところには、クリスマスのイルミネーションのような小さいライトが飾ってあって、夜になるとちかちか光っている。
誰が住んでいるのか、時々窓からのぞいていたが、結局人の姿は見えなかった。もともと目が悪いので、人がいてもいなくても分からないかもしれないけど。
下から見上げると、普通のガラス張りの高層ビルで、家が乗っかっているなんて思わない。
「ビル」ではなく、「家」に住むことにこだわったおじいちゃんが住んでいるのだろうか、都会の中で一軒家の雰囲気を出したかったのだろうか、そんなことを考えながら、ホテルの一室で、見知らぬ人の生活を想像している。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?