見出し画像

何者にもならなくていい

最近思う。私は、何者にもならなくていいのではないか。

ずいぶん昔から、私はずっと「何者かになりたい」と思ってきた。自分にしかない可能性があって、それを実現するのが人生の目的ではないかと。別に、偉い人になりたい、ということではない。生活に困らないお金は欲しいけど、人がすごいと思うような立場を得たり、仕事に就きたいと思っていたわけでもない。

でも「自己実現」とでも言うのか。自分にしかない「何か」を実現したいと思ってきた。そのためにその場その場では自分なりに頑張ってきた。

でも振り返ると、それはどこかちぐはぐで、場当たり的で、近視眼的だった。そして結局のところ、いつも「ここにはない何か」を追い求めていた。「もっと何かできるのではないか」、「もっと自分に合ったことがあるのではないか」そんな思いが自分の内側に存在して、「頑張る」ことで自分を納得させていたように思う。

2年前に50歳を過ぎて再婚した。名前が変わって、引っ越して、正職員の仕事もやめた。そして、非常勤でまた教え始めた。

自分の生活がぐるりと変わって、ここ1年は変化に合わせること、新しく生活を共にすることになったパートナーとすり合わせをすることで へとへとだった。今年になって、ようやく落ち着いて、今を楽しむことができるようになったと思う。

そして思ったこと。「私は何者にもならなくていい」。

自分が生活を楽しむことができて、納得できればそれでいいのだ。
誰にも、自分にも、何かを証明する必要はない。

今私は幸せだ。



ぶるすかさん、素敵な写真をありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?