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エッセイ集『LOVE notes』

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心音(ここね)の【エッセイ】や【日記】をまとめたマガジンです✨
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#生きる

わたしはここにいる

わたしはここにいる

ずっと一人になれる空間が欲しいと思っていたのだけど、それは単なるわがままで、小学生の子どもがいる今、口にするべきではない言葉だと、口から出てしまいそうになる不満を、無意識に否定しつづけて過ごしてきた。

ぼんやりしてやる気が出ない。活力が漲らない。それは、単純に体調のせいだと思っていた。

しかし、新月前あたりに、火山が噴火するように爆発して、言いたいことをぶちまけたら、夫の部屋に娘が移動すること

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いのちは巡る

いのちは巡る

秋がすぐそこまで来ている。

台風が過ぎた後ぐらいから、夕方の散歩時が格段に涼しくなった。

滑らかに肌を滑り踊る風が、心と身体落ち着かせてくれる。

8月。夏の終わり。

わたしの愛する季節。

いつも思い出すのは、煌々と燃える炎。

京都でひとり、暮らしていた頃、一年に一度、マンションの非常階段の踊り場から、何時間も五山の送り火を見つめていた。

今ならわかる。

わたしはわたしの命の火を見つ

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言葉

言葉

人は、言葉を発する前に、すでにエネルギーで会話をしています。なんかいい感じ、なんかやな感じ、そんな漂う雰囲気を感じ取る行為というのが、それにあたるのではないかと思います。

殆どの人が、無意識にやっていて、自覚が薄いことだと思うのですが、無意識にやれちゃうほど、ごくごくあたりまえの能力なのだと思います。

なので、対面した相手についてのバクっと大まかな輪郭は、言葉を交わさなくても、意外とわかってし

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気の遠くなるような果てしなさの中で

気の遠くなるような果てしなさの中で

いつも心音のnoteをお読みくださりありがとうございます。

日々揺れる波の中で、いろんな自分に向き合い、一個ずつ認めながら解毒、解放し、その繰り返しで今日まで、たくさんのnoteを綴ってきました。

明るさとはほど遠い内容にも関わらず、変わらずに見守ってくださる方がいることは、わたしの救いになっていました。

なかなかみなさんのnoteを読みにいくほどの心の余裕がなく、読んでもらうばかりになって

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Pleasure of Life -いのちの悦び-

Pleasure of Life -いのちの悦び-

神さまなら たぶんね そんなに多くのこと
求めちゃいないよ
欲望から自由になれない 僕は手あたりしだい
不幸せ生んじゃう

誰かにけしかけられてばかりいて
ひとりじゃ迷子のようにうろたえる
立ち止まって 考えろよ
本当に欲しいものは何だろう?

ゆるぎないものひとつ抱きしめたいよ
誰にもそれが見えないとしても
まっすぐ優しく生きてゆきましょう
光のように闇を突きぬけて

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森の中の記憶

森の中の記憶

母が妹を出産する頃、しばらくの間、山奥の祖父母の家で暮らしていた。

少し小高い崖の上のような所にあったその家は、窓を開けるとすぐに山肌で、ありのままの自然に囲まれていた。

毎朝、川を挟んだ向かいの家の鶏の鳴き声で目が覚める。

台所がある土間のひんやりとした空気。

ハエ取りテープの粘着面が剥き出しのままぶらさがった、頼りなさげなランプ。

忙しなく食事の用意をする、祖母の後ろ姿。

漂う田舎

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波が教えてくれたこと

波が教えてくれたこと

2013年11月に
初めて宮古島を訪れました。

滞在3日目のこと、
その日はかなり海が荒れていました。

波にのまれないようにしなきゃなぁと      少し不安を感じながら
海の中に入っていった矢先、
強い波がドーン!と押し寄せてきて
思わずその波に抵抗し、足を踏ん張ったわたしは
砂浜に勢いよく叩きつけられてしまいました。

手のひらには小石が食い込み、
強い痛みを感じました。
と同時に、目が醒

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あの人が死んだら

あの人が死んだら

一部センシティブな内容が含まれます。あくまで個人的な内側の感覚に基づいた表現であり、実態は想像もしくは幻想ですが、体調と相談の上、自己責任でお読みいただけると幸いです。

もし今あの人が死んだら、わたしのせいかもしれないと思った瞬間、心臓が痛くて、苦しくて、生きた心地がしなかった。

どうしよう、どうしよう、どうしよう。

ひどいことを言ってしまったかもしれない。

そんなことがとりとめなく、グル

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100文字の言葉より

100文字の言葉より

わたしはよく夢を見る。

だいたい寝る前に観た動画や読んだ文章から受けたエネルギーがそのまま夢に出てきて、夢の中で消化しているような感覚だ。言葉にならない思考の延長で、そういう日はあまり眠れた気がしない。

先日は、ある友人が夢の中に出てきた。それが誕生日の三日前で、しばらく音沙汰のなかった友人の唐突な登場のインパクトは大きく、なんかあるなと言う気がした。

わたしは、世の中に情報として出ている自

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迷惑をかけまくれ! 〜人はみな、迷える惑星〜

迷惑をかけまくれ! 〜人はみな、迷える惑星〜

満月の夜、猪が若干興奮したような荒ぶった文章になっていますが、後半に進むに連れて落ち着いて来ますので、ご容赦ください。

見せかけだけのオトナな対応がきらいです。

そこに何の生産性も感じません。

建前を口にできません。

身体が全力で拒絶反応してしまいます。

過剰な賞賛もきらいです。

冷静かつフラットな視点が抜け落ちているような気がします。

体調を崩してから、それがより顕著になった気がし

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花に夢を見る 〜Dreaming of Flowers〜

花に夢を見る 〜Dreaming of Flowers〜

部屋中に、バラの香りが充満している。

たった3本の花を花瓶に生けただけで、こんなにも暮らしの風景が変わることに驚く。

夏までの間は、近所の花屋さんで買ってきてもらったものをよく生けていたが、最後に生けてから、気がついたら4ヶ月も経っていた。

クリスマスイブの日、夫の経営する美容室の常連様から、自家栽培のバラをいただいた。

香りの強い品種のバラだそうで、その威力は言わずもがな。

丁寧に丹精

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タイムラグで繋がるしあわせ

タイムラグで繋がるしあわせ

どんなに想像を巡らせてみたって、自分が経験したり、その立場になってみないと、やっぱり本当のところはわからないんだなぁと、実感することが最近多い。

当たり前のことなんだけど、わかったような気になっていろいろ言ってしまうのが人間だ。

その愚かさがあるから、進化もする。

なんか、あの時はごめんなさい、と言いたい人が、結構いる。

前の誰かとの関係では、逆の立場だったのに、次の誰かとの関係ではその立

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性欲が美しい物語としての愛や恋愛に基づいていなければならないという幻想

性欲が美しい物語としての愛や恋愛に基づいていなければならないという幻想

【生命の営みを支える、人間の三大欲求について】

わたしは今、月に1度のペースで、整体師さんにヒーリングを受けています。

受け始めたのは今年の5月、それに纏わる詳しいことは以下の記事に書いています。

そこから7ヶ月、紆余曲折ありながらも、全体的に良くなっていく体調に合わせて、その時々で必要な施術をしてもらってきました。

機能不全に陥り、更年期障害どころではなくなった婦人科系の臓器も、見違える

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わからないことをわからないままでいられる自由

わからないことをわからないままでいられる自由

わたしは、自己啓発本の類が好きじゃない。読んできた本は小説が大半で、たとえ作られた物語だとしても、人の懸命な生き様や心模様、その独創性を感じるのが好きだ。

もちろん何冊か自己啓発系の本を読んだことはあるし、影響を受けたものもあるけれど、それはすべて詩的な表現のものばかりだ。

それよりも、小説やエッセイ、少し専門性の高いマニアックな本を読むほうが楽しい。

今年に入って、ぶっ倒れて、死にかけて、

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