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#小説

裕福な画家と貧乏な画家

裕福な画家と貧乏な画家

 時代は宇宙戦争真っただ中だ。

 とある都市の核シェルターに二人の画家がいた。

 一人は地上では裕福な生活をしていた画家だ。生活には困らず、潤った生活をしていた。画家であるのは単なる趣味に過ぎない。ただ、彼はとても絵が上手だった。なんでも実物そっくりに描けるのだ。

 もう一人、このシェルターには画家がいた。彼は地上ではとても貧乏で、その日暮らすための金を得るために、必死に絵を描いた。彼の絵は

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突然書き始めました2021年

突然書き始めました2021年

はじめまして。

深(フカ)といいます。
小説を書きたい、発表したいと思い公募を始めました。

https://twitter.com/FUKAFUKASAWSS

もともと何か文章に興味があったとか、詩を書いていたとか、周りに小説を書く人がいたとか、そうゆう小さな影響もなく、なんとなく年始に漫画原作に応募した作品を書き上げて、それは落ちてしまいましたが、ふと「物語がつくれるかもしれない」と思った

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夜を越えて。

夜を越えて。

 人生で一度だけヒッチハイクをしたことがある。

 フリーターとして3年目の25歳の春であった。
 漠然と何かになりたいのに、何になればいいのかわからない。
 そんな時期の話。

 ある日、実家の祖母がいよいよ危ないと母から連絡があった。
 世話になった祖母のために、今すぐに帰りたかったが絶望的に金がなかった。
 通帳を開くと830円。
 税金の督促で溢れた四畳半は余計に窮屈な気がした。

 続け

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駄目だし

駄目だし

私が中学の頃、ちょうど文化祭の時期の事だ。
私は文化祭でちょっとしたお笑い小劇を行う事になり、練習する事になった。友人との2人で行う劇。内容は短く他愛もない物だった。発表を数日前に控えたある日の週末。私は自宅に友人を招いた。劇の練習をするためだ。友人と順番に台本の読み合わせをしていく。素人2人だ。とにかく噛み合わない。しかし、そんな事は想定済みだ。友人と相談し、カセットテープを購入した。ラジカセに

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戯曲「クリスタル・グローブ」(最終)& 詩

戯曲「クリスタル・グローブ」(最終)& 詩

戯曲「クリスタル・グローブ」八・九
八 朝の海岸

(美里を除く全員が海岸の見える所に集まっている。夜が明け、金色に輝く陽光が全員を浮かび上がらせる。物陰で、天使に脱皮しつつある悪魔が様子を窺っている)

理科教師 (怨霊粒子をポケットから取り出し、みんなに見せながら)こいつは、最後の一発だ。投げるか投げないかは美里さんの一言で決まっちまう。きっとそれが民主主義というやつさ。
春子先生 ところで、

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遠い記憶 十九話

遠い記憶 十九話

私も、中学に上がった。
最初の、土曜日。
母には、給食が無いから、弁当がいると言ってあった。

その、弁当の日、みんな各々に、弁当を開ける。
私も、何の疑いもせず、自分の席で、弁当の蓋を開ける。
その、弁当の蓋を、開けて思わず、固まってしまった。

四角い弁当箱の中には、白いご飯と、
卵を、いかにも面倒くさいと、言わんばかりに、クシャクシャに焼き
混ぜられた、卵焼きだけ。
それも、ご飯の重みで傾き

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21年3/26 小説📖パロディ「痔滅の刃」No.132 第四章21 🔴髪白石萌音

21年3/26 小説📖パロディ「痔滅の刃」No.132 第四章21 🔴髪白石萌音

⬜⬜森の市松⑦⬜BUTA親子の復讐2⃣<女Q、BUTA>
私は、可愛いという自負があります。

だから私をコケにした森の市松という男が許せません。
必ずお父さんと一緒に

復讐します!

TBSテレビの「オー!マイ!・ボス!恋は別冊で」が3月16日に最終回を迎えたので、上白石萌音の嫌らしい所をぶちまけます。
あの女は、自分が私や白石麻衣さんよりも奇麗だと思っています。

白石麻衣さんについては、顔

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つらいつらいつらい

つらいつらいつらい

この気持ちを忘れないようにここに書き留めておくことにする_____

私が朝出勤したとき、彼女は他に出勤していた従業員と楽しそうに話をしていた。

私はそこにいたみんなに

「おはようございます。」

とあいさつをし、仕事の準備を始めた。

私は普段から、出勤してからすぐに仕事の準備を始めるので、朝イチから同僚と世間話をワイワイする方ではない。

仲のいい同僚とは、仕事の最中や休憩中など、たわいも

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『配達』 【ショートショート】

『配達』 【ショートショート】

 大変なことになった。荷物が届かない。配達をお願いした業者のウェブサイトには、昨日の正午に荷物が届くと記載があったのだが、荷物は一向に届かず一日が経ってしまった。
 しかしどういう事だろうか。今までこんな事はなかった。これは非常にまずい。というのも、最近のいわゆるコロナ禍によって宅配サービスを大いに利用するようになった私は、ほとんどの生活消費財を宅配サービスによってまかなっており、その便利さに依存

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マシュマロ見習いが感想を語る第14弾

マシュマロ見習いが感想を語る第14弾

マシュマロ見習いがみなさんの作品を読んで感想を語る企画、リニューアル後第14弾です! この記事は「エデンの住人たち」などを書いている創作初心者マシュマロ見習いがみなさんが送ってくれた作品を読んで素直に感想を語っちゃう企画です!

今回の作品はオリジナルです。作品はこちら↓

こちらの作品はもう大どんでん返しまくりでしたね!!

初めの話し方の印象から、学者の方の男性は傲慢で学問のためなら全ての人間

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【読書録】暗幕のゲルニカ/原田マハ

【読書録】暗幕のゲルニカ/原田マハ

何度か、原田マハさんの本をご紹介させていただいていますが、この本もっってもおすすめの1冊。

タイトルからわかるように、ピカソのゲルニカをテーマとしています。

「楽園のカンヴァス」と同じく、絵画をテーマにしていて歴史ミステリーと言ったら良いのでしょうか?殺人事件が起こるとかではないですが、絵画に秘められた謎をテーマとした話でとても面白いし勉強になります。

「ゲルニカ」は、みなさまご存知のように

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原色の街 吉行淳之介著の読書感想文

原色の街 吉行淳之介著の読書感想文

いつものようにぼんやりとdマガジンで雑誌婦人公論を読んでいたところ、エッセイストの関容子さんという方と女優の吉行和子さんが書簡を往復しているページと出会った。

吉行和子さんは言わずと知れた大女優だが、そもそもは作家・吉行エイスケと美容師でエッセイストの吉行あぐりの娘。また、作家・吉行淳之介の妹でもある。この家族の物語はかつてNHKの朝ドラにもなっていたことを覚えている人もいるだろう。

往復書簡

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白いしるし

白いしるし

西加奈子著

宇多田ヒカルの「ともだち」が
頭にずっと流れてた

芸術に近いことを例え職業じゃなくても
手から生みだしてる人って
色んなことにのめり込みがちなイメージがある

恋愛もきっとそう

ただの恋愛の話で
でも只事じゃない恋愛の話

「この人に深く飲み込まれちゃいけない」
「この人は危険」
っていう信号って
女の人は少なからず受け取ったことがあると思う

現代セックスフレンド、所謂セフレと

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スパイアイズ

スパイアイズ

  軒先に下がる何本もの氷柱が陽光を浴びて輝いている。店内の床には光が模様を描き、暖炉の前に寝そべるグレイハウンドの腹をまだらに染め上げていた。

 アリスは雫が映し出す光線の動きを眺めながら、カウンターに並んだ電子マティーニを味わっていた。ひとくちにマティーニといってもレシピは複数存在し、ベルモットの種類や配合によって味が大きく変化する。それだけに腕と知識が試される一品である。だからアリスなりの

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