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Bicerinが教えるイタリアの歴史と食文化

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Bicerin広報担当者が皆さんにご紹介するイタリア食文化。 郷土料理やイタリア人の日常に根付いたあるあるまで、色々ご紹介して行きます。
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#ご当地グルメ

イタリアの秋の風物詩 〜焼き栗〜

イタリアの秋の風物詩 〜焼き栗〜

イタリアがヨーロッパ最大の栗の産地で、その中でもトリノが州都のピエモンテ州はイタリアでも有名な高級栗の産地であることは先日の記事にアップいたしました。

そして栗の収穫が始まるとトリノはもちろん、イタリア各地で焼き栗の屋台があちこちに出てきます!

そしてこれがなども美味しい!

日本でも昔はあちこちの駅に「天津甘栗」のお店があったみないな感じですね。あ、でも中国本土の天津は海辺の町で甘栗はもとよ

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トリノの郷土料理 〜クリのパスタ〜

トリノの郷土料理 〜クリのパスタ〜

ピエモンテは世界有数の栗の産地!!

その良質な栗は乾燥させたのちに石臼で弾き、最高級の栗粉としても世界に輸出されています。

トリノをはじめイタリアの様々な栗の産地では、お菓子の材料としてはもちろんの事、パスタとしても楽しまれています。
小麦粉の代わりとして手打ちのパスタに練り込んだり、ジャガイモの代わりにニョッキにしたり!
いずれもバターやクリームと合わせてリッチな味わいに仕上げるのがBice

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ラビオリのバリエーション 〜イタリア国内編〜

ラビオリのバリエーション 〜イタリア国内編〜

ラビオリ。
平く伸ばした生地の中に詰め物をした、餃子のようなパスタのことです。

さて、このラビオリですがイタリア各地でさまざまな形のものがあり、それぞれ呼び方が違ったりしますので、本日はそんな話題です。

ラビオリ(ラビオローニ)

通常、ラビオリは四角や丸型の型で抜いて作られ、一口代のサイズで平く作られたものを言います。
また、これらのラビオリの大きさに対して少し大きめのサイズのものもよく食べ

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芸術家に捧げる料理 〜カルパッチョ〜

芸術家に捧げる料理 〜カルパッチョ〜

イタリア料理の前菜の定番カルパッチョ。
日本のレストランではお魚の薄造りにオリーブオイルやドレッシングなどでお馴染みのお料理です。

こちらのお料理、元々は仔牛のフィレの赤身を使ったお料理でした。

その発祥はベネチアの老舗ハリーズバー。創業者でありチーフバーテンダーだったジュゼッペ・チプリアーニが、医者から食事制限を受けている常連客のために考えた料理だと言われています。そしてそのメニュー名をつけ

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みんな大好き 〜カンノーリ〜

みんな大好き 〜カンノーリ〜

以前レシピをご紹介したカンノーリ!
カリッと揚げた筒状の生地にリコッタチーズのクリームを詰めたシチリアの伝統菓子です。

イタリア人も大好きなカンノーリですが、場合によっては「カンノーロ」という名前で売られていることもありますが、
カンノーロ=単数系
カンノーリ=複数形
なんです。

ですのでこの記事の写真では「カンノーリ」!

Bicerinでも店舗によってご提供していますので、是非お試しくださ

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Bicerinの料理教室 番外編 サンタ・マリア・ノヴェッラ教会のリキュール 〜アルケルメス〜

Bicerinの料理教室 番外編 サンタ・マリア・ノヴェッラ教会のリキュール 〜アルケルメス〜

イタリア、・トスカーナ州の州都フィレンツェに世界最古の薬局と呼ばれるサンタ・マリア・ノヴェッラ教会があります。その歴史は1221年に遡ると言われている歴史のある教会です。

そんな彼らは今でも修道士秘伝のレシピの薬草酒や香水などを作っており、今回ご紹介するアルケルメスもその一つ。
1743年に作られたレシピで今も変わらず作り続けられています。

そしてこのリキュールの一番の特徴である真紅の輝き!そ

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現代イタリア料理の父 ペレグリーノ・アルトゥージ

現代イタリア料理の父 ペレグリーノ・アルトゥージ

日本ではあまり知られていませんが、現代イタリア料理の父と言われる偉人がいます。
彼の名はペレグリノ・アルトゥージ。
イタリア初の体系的な料理のレシピ本を出版し、ベストセラーとなりました。
そしてその本は現代のマンマの味の基礎となっていると入っても過言ではなく、マンマかノンナ(おばあちゃん)の過程には大体あるくらい!!

【ペレグリノ・アルトゥージ】Pellegrino Artusi
1820年トス

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芸術家に捧げるカクテル 〜ベリーニ〜

芸術家に捧げるカクテル 〜ベリーニ〜

イタリアでの食前酒に関しては以前、アペリティーボやマティーニのお話をご紹介いたしました。
また、Astiを使ったカクテルのお話などもいたしましたが、スプマンテを使ったカクテルの3兄弟として【ベリーニ】【ロッシーニ】【プッチーニ】というトリオがあります。
今日はその長男【ベリーニ】のお話!

【ベリーニ】Bellini
ベネツィアの名店ハリーズバー考案のカクテル「ベリーニ」。
白桃のピューレをプロセ

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トリノの郷土料理 〜アマレッティとリコッタを詰めた花ズッキーニのフリット〜

トリノの郷土料理 〜アマレッティとリコッタを詰めた花ズッキーニのフリット〜

花ズッキーニ!!
イタリアンには欠かせない野菜のズッキーニの花なのですが、イタリアの春の素敵な食材です。
実はトリノはズッキーニの産地としてもオタリアでも有名で、旬になるとどのレストランでも花ズッキーニに溢れかえります。

ズッキーニは瓜科の植物ですので、カボチャや胡瓜の花に似ていますね。
フランスではこのお花の中にホタテやオマール海老のムースを詰めて蒸しあげたりするのですが、イタリアでポピュラー

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マルゲリータ王妃にちなむ料理

マルゲリータ王妃にちなむ料理

イタリア国王ウンベルト1世の妃であったマルゲリータ妃。

イタリア国民から熱狂的な人気があった彼女ですが、今でも定番としてイタリアで親しまれているお料理にも彼女の名前を冠したものがいくつかあります。
今日はそんなご紹介!

【Pizza Margherita】
ピッツァ・マルゲリータ
「マルゲリータ」の名を関したお料理でおそらく日本で一番なじみのあるものと言えばこちら、ピッツァですね。
マルゲリー

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4月6日 【カルボナーラの日】

4月6日 【カルボナーラの日】

本日はイタリアのパスタメーカー協会が定めるカルボナーラの日!!
なんとそんな日があるんですね!!

カルボナーラはローマは小のメニューで、イタリア語で炭焼き人風(carbonaio)からついた名前といわれています。
ガリっとかかったあらびきのブラックペッパーが炭の白い灰と消し炭の黒いコントラストに似ているからと言われています。

またローマの伝統的なカルボナーラの材料は、卵、「グアンチャーレ」と呼

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トリノの郷土料理 〜フリットミスト〜

トリノの郷土料理 〜フリットミスト〜

北イタリアの山あいにあるトリノの街ですが、郷土料理として昔から「フリットミスト(フリットの盛り合わせ)」が食べられてきました。
トリノの郷土料理としてフリットミストが定着したのは、城下街だったことと関係しているそうです。
元々、農民たちが宮廷に収めた肉などの残った部位(今で言うホルモンですね)などが日持ちがしないことから、揚げて食べていたのが始まりとされています。

今では内臓や野菜どではなく、や

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ブリオッシュとコルネット

ブリオッシュとコルネット

イタリアでは朝ご飯は馴染みのバールやカフェで食べるのが一般的!
そして朝ごはんの定番がクロワッサンなのですが、その呼び方には「ブリオッシュ」と「コルネット」の2種類があります。

トリノやミラノをはじめとする北イタリアは主に「ブリオッシュ」、ナポリやローマなどの南部は「コルネット」と呼ぶのが主流です。

さて、このふた通りの呼び名ですが、どこで分かれるのか調べた資料がありました。
上の地図の黒い部

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Bicerinのイタリア語講座 パスタの名前で覚えるイタリア語-Ⅳ

Bicerinのイタリア語講座 パスタの名前で覚えるイタリア語-Ⅳ

パスタで人気のソースにジェノベーゼがあります。

バジルと松の実、パルメザンチーズ、エキストラバージンオイルをミキサーにかけて作る爽やかなパスタです。

実はこのジェノベーゼ、イタリア・リグーリア州の州都であるジェノバが発祥といわれています。

「Genovese = ジェノベーゼ」は「ジェノバ風」や「ジェノバ人」という意味のなのですが、イタリア人から「あいつジェノベーゼだよ」といわれることがあっ

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