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#読書
「読解力」と「読む力」 《「読む」ってなんだろう?――認知科学から考える》第2回
言語の理解と思考の発達に焦点を当て、「学び」の本質について研究を行ってきた、慶應義塾大学教授の今井むつみさん。本連載では、私たちの誰もが日常で当たり前のようにしている「読む」という行為を手掛かりに、そのことを掘り下げて考えます。
*第1回から読む方はこちらです。
私の子ども時代の読書 前回は、小学生の算数の文章題に焦点を当て、「読解」とは何かを考えてみた。今回は、より広い視点で「読む」ということ
数々の悲劇を引き起こした現代優生学を知る
「優秀な人間の血統のみを次世代に継承し、劣った者たちの血筋は断絶させるか。もしくは有益な人間になるよう改良する」――ナチスの思想にも大きな影響を与えた優生学。
遺伝子技術をはじめとした科学の発達や、経済不況、さらにはコロナ禍も加わって、現在ふたたび広がりを見せていると言われています。
生物学者の池田清彦さんによる『「現代優生学」の脅威』はその現状を知るための一冊。制作の舞台裏を担当編集者に聞き
想像を絶する闘いは未だ続いている|『ホロコースト最年少生存者たち』書評|みるとす
美しい装丁の本書を手に取ると、ずっしりと厚い。そこにはホロコーストを生き延び、1945年の開放時に10歳以下だった子供たちのその後の生活が描かれている。
目を背けたくなるようなホロコーストの事実については様々な形で取り上げてられているが、体験したことの意味を理解できない年齢の生存者を対象にした記録は少ない。150万人いたユダヤ人の子供たちは、戦後15万人になってしまったという。
著者は、支援
記憶の空白に備えるために|『ホロコースト最年少生存者たち』書評|宮田文久
【本稿は編集者・宮田文久さんによる寄稿です】
思わぬ声が、ページのあちらこちらから聞こえてくる。
「どこにもない。そう、居場所がどこにもないの」と1987年の時点で語ったのは、生後6カ月でフランス南部・ギュール収容所へ送られ、後に救出されたツィラ・Cだ。戦後を生き抜くために立ち返る、戦前の記憶をもたぬまま、成長していくということ。
あるいは、こんな声も聞こえる。
「私のなかで闘いが始まった
困難な旅路、無視されてきた重要なテーマ|ホロコースト最年少生存者たち|芝健介【日本語版解説公開】
「生き残れて幸運だったね」
「どうせ何も覚えてないだろう?」
「家族と再会できてよかったじゃないか」
それって、ほんとう?
2021年8月27日に、柏書房からレベッカ・クリフォード著『ホロコースト最年少生存者たち――100人の物語からたどるその後の生活』が刊行されました。
記憶も、本当の名前も、家族に対する愛着も持ち得なかった者が、「自分の人生」を取り戻すことなど可能なのか? そんな問い
戦争への憎しみを、今を生きる私たちがどれだけ受け止められるのか。『ねんどの神さま』――絵本を思い出すところ#21
絵本の中の風景へ想いを巡らすとき、それを手にした幼い頃の記憶もまた、絵本の思い出の一部になっていく――そんな「絵本を思い出すところ」を編集者とカメラマンが探していきます。
8月の空を、飛行機が飛んでいく。
暑さがマスクのなかを直撃する。
これまでも、そしてこれからも、
この絵本を思い出すことを止めてはならない。
戦争の記憶は、おじいさんから
聞いたわずかな言葉だけ。
けれど、本を開くだけで私
夏休みに読みたい!珠玉のファンタジー「車のいろは空のいろ」~【期間限定】1話全文公開 夏編~
「車のいろは空のいろ」シリーズは、1968年に第1作目を刊行して以来、世代をこえて多くの読者に愛されてきた日本の児童文学を代表する作品。
短編集として構成され、各話で空いろのタクシーの運転手・松井さんと、不思議なお客さんとの出会いが、あたたかく詩情豊かに描かれています。
収録作のひとつで、教科書にも長年掲載されてきた『白いぼうし』を覚えているという方も多いのではないでしょうか。
このシリーズ
『私たちにはことばが必要だ』を通して考えたこと
一昨日の小田急線の無差別殺人事件の事を思うと辛すぎるし、その事に国のリーダーから何のメッセージも発せられない事にすごくモヤモヤする。
多くの人が、この事件に関連して言及していたが、私も以前読んだイ・ミンギョンさんの『私たちにはことばが必要だ』の事を思い出した。
2016年に韓国で『江南駅女性刺殺事件』があった。ミソジニーの男性による女性を狙った憎悪殺人事件があった。しかし、その事件をきっかけに
「私たちは、ホロコーストとその影響をいまだ十分には理解していない」|ホロコースト最年少生存者たち|レベッカ・クリフォード【序章公開】
「生き残れて幸運だったね」
「どうせ何も覚えてないだろう?」
「家族と再会できてよかったじゃないか」
それって、ほんとう?
2021年8月27日に、柏書房からレベッカ・クリフォード著『ホロコースト最年少生存者たち――100人の物語からたどるその後の生活』が刊行されます。
記憶も、本当の名前も、家族に対する愛着も持ち得なかった者が、「自分の人生」を取り戻すことなど可能なのか? そんな問いを