放浪記(一部〜三部)・林芙美子
読書感想文 『放浪記・林芙美子』
『私は宿命的に放浪者である。私は古里を持たない。』
という文章から「第一部・放浪記以前」が始まる。
そこを読んだだけでも変にワクワクする。そのワクワクは、嬉しい、楽しいというワクワクではなく、林芙美子という女性の生き様を垣間見れるワクワク感だ。
これは小説ではなく、芙美子が日々書き留めた日記だ。当然、主人公は芙美子自身であるから、正直に綴られたその日記には心を奪われてしまう。
571ページという長い文章である。
ただただひとりの女性に魅せら