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赤江瀑 オイディプスの刃(河出文庫)を読んで

今回もネタバレをなるべく回避し、味覚や嗅覚などで表現する抽象的感覚派読書感想文を書いてまいります。

作品は赤江瀑の「オイディプスの刃」です。こちらは私の好きな作家の作品のため、再読なります。

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これは一つの妖刀を中心にした物語です。
主人公の駿介が十四の年、父親の蔵する日本刀「青江次吉」の研ぎ師が庭で刀で惨殺される事件から始まります。
その後、母親、父親と次々と亡くし、駿介たち兄弟三人もバラバラとなります。
十年以上経って兄弟が大人になった時、妖刀の恐ろしさと共に当時の真相まで明らかになり……。

赤江瀑作品は装飾が美しく、人によっては中毒になるほどでしょう。
今回の作品も特に刀剣の描写は、一読しただけで風味が漂って来る程です。

魅力的な作品は必ず味を感じるものなのです。
赤江瀑作品は、谷崎潤一郎や泉鏡花などと並ぶ味の濃い作家になります。

この作品を喩えるならば、サファイアのような輝きを放つ甘いブルーベリーや、エメラルドのような緑の果肉のメロンを、赤いレアな牛肉と合わせてハチミツをかけたような一皿になります。

一見不調和に見える危うさが魅力だが、一度虜になれば忘れられないような恍惚感を抱かせてくれます。

フルーツの甘さと肉の甘さを蜜で濡らして食べる背徳感に似た感覚を、是非一読して堪能していただければと思います。

今回の読書感想文はここで終えます。赤江瀑は特にお勧めしたい作家なので、気になった方は是非購入してみてください。

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私の自作についても、紹介させていただきます。
私の作品も、味の濃い中毒性の高い小説となりますので、ご一読いただければと思います。

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