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心に響きました

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心に響いた記事を入れさせていただきました。
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#エッセイ

PAIN

PAIN

最近、ご縁をいただいたnoterさんのお一人であるUさん。
先日、こんな記事をアップされた。

この記事に深く心打たれて私は、長く囚われていた私の「後悔」と「不安」に思い当たった。

もう、十年以上前のことである。
それは、ある日突然、はじまった。

子どもがキレて暴れ出し
「お前のせいで俺の人生は生き地獄なんだ!」
「クソ毒親が!」
と手当たり次第に、部屋中の物を殴りつけた。

彼の中では長年、

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さよーならまたいつか!

さよーならまたいつか!

遠い昔、二十代の頃の話である。
私はどうしても「作家」というものになりたかった。
そのためには、新人賞を受賞してデビューすることしか思いつかなくて、いくつもの文芸雑誌に応募していた。

当時の私は、どうすれば最終選考に残れるのか、受賞するにはどんなふうに書けばいいのか、そんなことばかり考えていた。
二次選考や三次選考を通過しただけでは意味がない。最終選考の5~6人に残らなければ講評を書いてもらえる

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#1,448『優しさをみた』

#1,448『優しさをみた』

黒く光ったその瞳に
優しさをみた

毎朝降り注ぐ日差しのような
時に吹き下ろす北風のような
優しさをみた

僕の中にある
甘さも情けなさも
包み込んでしまうような優しさが
そこにはあった

📕本日の一冊!📕

『賢者の書』 (喜多川泰さん)

〈一言レビュー〉
物語を読み進める中で、自然と人生訓を学べるのが喜多川さんの著書の特徴です。この本は、幸せな人生の土台となる考え方を学べる一冊です!

もう一度会いたい人がいる。

もう一度会いたい人がいる。

誰にでも一人くらいは、「昔お世話になったが、今はどこでどうしているかもわからない」という人がいるのではないだろうか。それも、どうしているかわからないだけではなくて、「できればもう一度会いたい人」。

私にもそういう人がいる。
それは大学の4年間アルバイトしていたパン屋の店長だ。
実家の近所だったので、卒業後も買いに行くことはあったのだが、1年半後に私は町を出て大阪市内で一人暮らしを始め、それから町

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「そうあれかし」と人生は。

「そうあれかし」と人生は。

 その日、息子は慟哭しました。

 4歳児の小さな体躯を縮めながら、積もりに積もった思いの丈を絶叫しました。

「おれのジンセイはサイアクだ!!」

 戯言と聞き流すことのできない緊迫した空気を、彼はその身に纏っていました。

「おれ、の、じんせいは、さい、あくだ。」

 彼は同じ台詞を再び言葉にしましたが、嗚咽が混ざって先程よりも細切れに掠れた声でした。その夜、妻は外出していましたから、部屋には

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ライフイズビューティフル

ライフイズビューティフル

路上ですれ違った三歳くらいの男の子が、か弱い声で泣いていた。
右手にウサギのぬいぐるみを抱き抱え、左手はママの手に預けている。俯き加減で泣きながら、それでも立ち止まらず、駄々をこねたりもせずに、一歩一歩足を運んでいた。

ほんの一瞬すれ違っただけで、私はもう胸が詰まって苦しくなって、今にも自分が泣き出しそうになる。
全然、面識のない母子なのに。
背景もわからないし、泣いている理由も知らないのに。

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ねじれの位置

ねじれの位置

「お蔭様ですごく良くなって。ありがとうございます。」

 母は私に対して、言葉の半分を敬語で話します。何処か他人行儀な親子関係は、幼少期の家庭そのままに時が止まったようだと私は思いました。

 穏やかで寡黙で頑固で癇癪持ちの父親と、優しくて過干渉でヒステリックで話の通じない母親の間に、私は生まれました。妹が生まれるまでの数年間、夫婦喧嘩の絶えない家庭であったことを旧い記憶が語ります。怒鳴り声、叫び

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春の嵐が吹き飛ばしてゆくから、大丈夫きっと。

春の嵐が吹き飛ばしてゆくから、大丈夫きっと。

今年のドイツは春の訪れが本当に早い。

桜が知らないうちに満開を迎えていたのが3月の終わり。去年は5月中旬くらいに咲き誇っていた藤の花が、今もう盛りを過ぎようとしていて少し焦っていた。

子供達を車で学校へ送ったあと、少し寄り道して藤に会いに行くか...
あとで、夕方でもよくない?
でもせっかくの晴天の朝、少しだけやっぱり行こう!

そう決めていつも曲がる所を真っ直ぐに走った。
そこは国道沿いの私

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春の歌

春の歌

子どもが、小学校高学年だったある日、帰宅してからポツリと呟いた。
「学級委員を押し付けられた。やりたくないと言っても、聞いてもらえなかった」

子どもは、クラスの中では体格が小さい方で、どちらかといえば運動が苦手だったから、同級生から何かとからかわれることが多かった。
だから私はその時、学級委員を務めるという経験が、少しでも子どもの自信につながるんじゃないか、と淡い期待を抱いたのだ。

「人の役に

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こんなわたしですけれど

こんなわたしですけれど

今回で投稿が150回となりました

一年の365日を、週に換算すると 52週と1日
うるう年の今年は52週と2日
投稿は ほぼ週一回のペースなので、50回をこなすには 約一年かかることになります

折に触れて、noteへの向き合い方をお話してきました
noteは 仕事や生活をこなした上でのお楽しみ
noteを開く時間は ある意味自分へのご褒美です
疲れを癒し、気持ちをリセットし、元気をチャージする

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追憶/鍼灸の師

追憶/鍼灸の師

 それは私が医学生の頃、弓道で腰を痛めて歩くのが難しい状態のことでした。縁あって鍼灸の先生の下に通い、治療を受けながら脈診や鍼灸治療学の基礎を教えていただく機会を得ました。

「惺仁君。病気は自分で治さなきゃ治らないよ。」

 当時、腰痛以外にも幾つかの問題を抱えていた私はその言葉を何度も咀嚼しながら理解しようと努めました。

「僕は君の身体が元気になるように手伝うことはできるけど、健康になるため

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【福祉講師】見えにくくて聞こえにくい私だからこそ伝えていきたい

【福祉講師】見えにくくて聞こえにくい私だからこそ伝えていきたい

大勢が集まる場は見えにくくて聞こえにくかった。

小学校・中学校・高校・大学・会社。弱視難聴でありながら、目の見える・耳の聞こえる人ばかりの環境で生きてきた。どこでも、環境整備をして、周囲に理解してもらいながら、それなりに努力して、精一杯生きてきた。結果もついてきて頑張ったと思う。

でも、どこにおいても、見えにくくて聞こえないことを痛感し、「どうしよう、今ちょっとツライな」と思う場面は多かった。

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【啓蟄】coffee story(今回休載)

【啓蟄】coffee story(今回休載)

喧騒に 振りまわされて 空っぽに
立ち止まり 我に返れば 珈琲の香り。

遊びに来てくださりありがとうございます♪

今日は二十四節気でいう啓蟄。
啓蟄についてはコチラ↓

啓蟄は、春分のひとつ手前の節気で
暦の上では春到来の直前と捉えられています。

啓蟄の「啓」は「開く」、
「蟄」は「虫が冬の間、土にこもる」という意味で
春の到来を感じた虫たちが
土から出てくることを表しています。

というわ

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小さな奇跡を起こすのは、いつだって一歩前へ進む勇気。

小さな奇跡を起こすのは、いつだって一歩前へ進む勇気。

気づけばフリーライターという仕事を始めて25年が経つ。
ただ、ずっと順風満帆だったかといえば、決してそんなことはない。請け負っていた案件がクライアントの都合でほぼゼロになったこともあるし、仕事量が増えるばかりで自分が書きたいものは書けないと悩んだこともある。

人脈も何もないところからのスタートだったので、最初の頃は「何でもやります!」のスタンスで仕事を請けてきた。
だから、あらゆる媒体でいろんな

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