さよーならまたいつか!
遠い昔、二十代の頃の話である。
私はどうしても「作家」というものになりたかった。
そのためには、新人賞を受賞してデビューすることしか思いつかなくて、いくつもの文芸雑誌に応募していた。
当時の私は、どうすれば最終選考に残れるのか、受賞するにはどんなふうに書けばいいのか、そんなことばかり考えていた。
二次選考や三次選考を通過しただけでは意味がない。最終選考の5~6人に残らなければ講評を書いてもらえることもなく、なぜ選ばれなかったのかのヒントすら得られない。
だから私は、これま