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〈最終回〉現代版・徒然草【100】(第187段・プロフェッショナル)
NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』という番組を観たことがある人はご存じだと思うが、番組の最後に、インタビュアーがお決まりの「あなたにとってプロフェッショナルとは?」という質問をゲストに投げかける。
プロ意識を持っている人は、昔もそれなりに自己研鑽を積んでいたと思うが、やはり同じ道のプロに認められてこそのプロであり、ちょっと成り上がっただけの勘違い人間は、素人にウケただけで調子に乗って失
現代版・徒然草【99】(第157段・人生の教訓)
私たちがなにげなく取った行動が、その後の人生の転機につながることはよくある話である。
ネットサーフィンしていたときに目に留まった求人情報がきっかけで、転職に成功した経験がある人もいるだろう。
では、原文を読んでみよう。
①筆を執れば物書かれ、楽器を取れば音を立てんと思ふ。
②盃を取れば酒を思ひ、賽(さい)を取れば攤(だ)打たん事を思ふ。
③心は、必ず、事に触れて来たる。
④仮にも、不善の戯れ
現代版・徒然草【98】(第22段・古きは廃れる)
「昔は良かった」という嘆きが、今の中高年世代、団塊の世代、後期高齢者からよく聞かれる。
コンプライアンスでうるさくなった、ぎすぎすした世の中になったという不満もあるだろう。
言葉の乱れについても、嘆く人はいる。「若者言葉はサッパリ分からん。」と。
兼好法師の時代にも、言葉の乱れはあったようである。
では、原文を読んでみよう。
①何事も、古き世のみぞ慕はしき。
②今様(いまよう)は、無下に
現代版・徒然草【96】(第226段・平家物語の裏話)
兼好法師は、1280年代に生まれ、1350年代まで生きていたと言われている。
平家物語は、兼好法師が生まれる100年前に語り継がれていた。
1180年に幼い安徳天皇が即位し、1185年の壇ノ浦の戦いで平氏一族とともに入水して亡くなったことは有名だが、その安徳天皇の後に即位したのが、異母弟の後鳥羽天皇であり、後に上皇になって承久の乱で北条義時に挙兵したことで知られている。
では、原文を読んでみ
現代版・徒然草【93】(第199段・音階の話)
私たちが知っている西洋の音楽、いわゆるクラシックは、有名なバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンの活躍した時代のあとに、日本に入ってきた。
兼好法師が生きていた時代には、彼らはまだこの世にいなかった。
バッハは1685年、モーツァルトは1756年、ベートーヴェンは1770年に生まれた。つまり、日本で言えば3人とも江戸時代に生まれたのである。
だから、鎌倉時代当時に日本で知られていた音楽といえば
現代版・徒然草【89】(第59段・思い立ったが吉日)
あれをしよう、これをしようと思っていても、なかなか実行に移せないまま月日だけが流れてしまった経験をしたことは、誰もがあるだろう。
兼好法師は、この段では、出家の決断について触れているが、出家に限らず、現代の私たちにもさまざまなケースで当てはまるだろう。
では、原文を読んでみよう。
①大事を思ひ立たん人は、去り難く、心にかゝらん事の本意を遂げずして、さながら捨つべきなり。
②「しばし。この事果