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記事一覧

日本人の課題 “学力 vs 教養”

日本人の課題 “学力 vs 教養”

日本から世界で活躍できる人材が輩出されにくいのはなぜか?
最大の理由は英語力の問題でしょうが、そのテの話は耳タコだと思うので、ここでは語りません。
それより、もう一つ大きな理由がある、と私は考えています。

普通の国には塾も宿題もない普通の国ってどこや、って話ですが、私が住んでいたのはおもにヨーロッパです。
ヨーロッパで学習塾というものの存在を聞いたことがありません。じつはあるのかもしれませんが、

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大卒も共働きも、「当たり前」になると苦しい

大学の存在意義や奨学金、働く女性と子育てなど、社会にまつわるあれこれを考察する続きの記事です。先日書いた、奨学金が「就職するための借金」になっているという記事でも触れましたが、大学全入時代と言われて久しい現代において、大学に進学する理由として一番大きいのは「みんな行ってるから」「就職に大卒の肩書が必要だから」ということではないかと思っています。私も何も考えずに大学に進学した一人ですが、大学に高等教

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身内に会社員がいないという問題

身内に会社員がいないという問題

私の身内には会社員がいません。
父は自営業、母は会社勤めをしていたけれど、私が生まれる前に結婚で退職。
父方の祖父母も自営業、母方の祖父は公務員を途中で辞め、先日亡くなった祖母(関連記事)は美容室を経営。

身内に会社員がいない。
考えてみると、このことが私の人生に大きな影響を与えていることがわかりました。
私は日頃から会社員としての成功とかキャリアなんて死ぬほどどうでもいいというような記事を書い

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男性が性の悩みを「真面目に」話せる場がないことについて

男性が性の悩みを「真面目に」話せる場がないことについて

 坂爪真吾さんと飲んだ。

 坂爪さんは障害者の性介助NPO「ホワイトハンズ」を運営するかたわら、社会学的な語りの手法を用いて、性風俗や売買春、不倫等について旺盛な作家活動を行なっている人だ。

 坂爪さんは、ご著書「男子の貞操 僕らの性は、僕らが語る」( https://amzn.to/30atxee )の中で、こう語る。

男子の性は、「エロ」や「モテ/非モテ」といった、ワンパターンの文脈で語

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有能であるなら能力主義の問題に氣づけるはず

学歴社会は学歴によって人間の価値を誤認するため、反対しました。

学歴と個人の能力や価値は別だからです。

ただ、就活が過ぎて数年が経つと学歴はあまり重要視されなくなります。

その後は経済力や社会的地位で人の価値が判断されるようになります。

そして、今回は特に、能力主義の行き着く先に関する考察を書いていきます。

能力主義が進むことで有能な人物がお金を得やすくなり、お金持ち=優能な人間という価

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人間の存在価値:なぜ労働時間は短縮されないのか

人間の存在価値:なぜ労働時間は短縮されないのか

労働時間はなぜ短くならないのだろうか。不思議な社会問題の一つだ。働き方や職種が多様化する現代においては、「労働時間」という考え方に違和感を覚える者もいるだろう。しかし、一般的な企業に勤める者が、1日8時間、週に約40時間という雇用契約を結び、働いていることは事実だ。

ちなみに週当たり40時間という労働慣行は、カール・マルクス(1818-1883)の生きていた時代に、すでにアメリカの一部では実現し

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無職やワーキングプアは人格者である

無職やワーキングプアは人格者である

高収入を得ている人は、必ずしも富を生産しているとは限らない。むしろ富を生産せず、富を都合よく分配するよう働きかける「政治活動」に成功し、高収入を得ている人物である可能性が高い。

言い換えれば、合法的な略奪である。

一方で、ワーキングプアは何かを生産したりケアしたりする仕事に就いている可能性が高い。居酒屋のホールスタッフやライン工、介護士、清掃員など低賃金の職業はそういう意味で「経済活動」に従事

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イスラエルの軍事費は244億ドル(3.6兆円)で、人口1人当たりでは世界一 〜ハマス・イスラエル戦争・勃発の原因〜

イスラエルの軍事費は244億ドル(3.6兆円)で、人口1人当たりでは世界一 〜ハマス・イスラエル戦争・勃発の原因〜

ハマスーイスラエル戦争は、何故起こったのか。

パレスチナとイスラエルの変遷図を見れば分かる通り、1946年の英委任統治時代から77年近くかけてパレスチナ国は大きく変貌しました。

そして、現在、パレスチナのウエストバンク地区は、イスラエル人の強硬な入植政策(下図:2018年)によりさらに侵略されています。

パレスチナ人(アラブ人)は、530万人、内訳はウエストバンクに310万人、ガザに220万

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男社会で負けて男をやめた話

男社会で負けて男をやめた話

まず、私は男社会で完全敗北した男です。
もう2度と社会に戻ることはないでしょう。

『強い男』になりたかった男でした。

警察官。現場作業員。前科者だらけのブラック企業。
・・・これまで私が勤めてきた会社はどれも、過剰なほど『男らしさ』を求められる男の職場ばかりでした。

男は男らしさを求められるあまり、
苦しんだり、苦しめたりしてしまうことがある。

最近では「男は弱くても良い」という意見をたび

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現在のわたし

現在のわたし

今後noteに書こうと思っていることは、当時誰にも見せずにメモしていたものを再編集して載せようと考えていて、当然現在の自分とのタイムラグがあります。

1年前にAC、または毒親というものと初めて対峙した直後のものもあるので病んでいて、悲観的な時もあって、正直に言ってハッピーな気持ちになれるものは少ないと思います。
足掻いて、考えて、やっと受け入れて、それでも揺り戻しが起こって、また受け入れて、理解

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民富を叶える「安心の生産」

民富を叶える「安心の生産」

column vol.1135

こちらは、中国戦国時代の思想家である孟子の言葉です。

〈東洋経済オンライン / 2023年10月10日〉

孟子といえば、弱肉強食の「覇道政治」ではなく、礼に基づいて行う仁義の政治「王道政治」を目指した偉人として知られていますね。

その孟子は国富ではなく「民富」が大事であると説いています。

つまり、真の国力とは税収の多さである「国富」ではなく、国民の資産であ

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例えば「ソウルにはあるが東京にはない」をうむ日本の弊害

例えば「ソウルにはあるが東京にはない」をうむ日本の弊害

月の半分は海外で過ごしていたが、ここ2か月は少し国内で予定が埋まっており海外に行けていない。こうやって長く他の国に行っていないと、日本での気づきがまた出てくるのでこれはこれで面白い。例えば、私がよく口にする「ソウルにはあるが東京にはない」問題。

同じ東アジアの国なのに日本と韓国では近年イノベーションのスピードに天と地の差がある。韓国では、規制改革が物凄い頻度で行われているからだ。2022年に尹大

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歴史とデータが明らかにする男女格差

歴史とデータが明らかにする男女格差

本年度のノーベル経済学賞が9日夜(日本時間の18時45分頃)に公表され、ハーバード大学教授の
・Claudia Goldin(クラウディア・ゴールディン)氏
が選ばれました!ゴールディン教授は経済史と労働経済という2つの分野で大活躍する稀有な研究者で、2000年に経済史学会会長、13年に米経済学会会長を歴任しています。

彼女の授賞理由は
”for having advanced our unde

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親が毒親だと婚活はガチでキツイ

親が毒親だと婚活はガチでキツイ

東京と兵庫にある結婚相談所、
結婚物語。の仲人Tです。

当たり前ですが、結婚相談所では、全員が結婚できるわけではありません。

私たちの力及ばず、誰ともご縁がないまま退会される方もいらっしゃいます。

「じゃあ、結婚できる人とできない人は何が違うのだろう?」
そう所長に聞いてみたら、一言でバッサリ切られました。

「それはね、ズバリ、親やな。」

わ、わ、私もそう思ってたーーー!!

「やれやれ

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