有能であるなら能力主義の問題に氣づけるはず

学歴社会は学歴によって人間の価値を誤認するため、反対しました。

学歴と個人の能力や価値は別だからです。

ただ、就活が過ぎて数年が経つと学歴はあまり重要視されなくなります。

その後は経済力や社会的地位で人の価値が判断されるようになります。

そして、今回は特に、能力主義の行き着く先に関する考察を書いていきます。

能力主義が進むことで有能な人物がお金を得やすくなり、お金持ち=優能な人間という価値観が広がっていくことでしょう。

同時に、お金を稼げていない人物は有能ではないと自動的に判断されるようになります。

社会に出ている人なら、高給取り=有能な人間とは限らないことを理解しているはずなのに。

例えば、困っている人のためにお金や資源を用いて貧相な格好をしている坊主と、大金を掛けて建物を豪奢にし、派手で綺麗な格好をしている坊主では、多くの人が後者を評価し、後者に依頼したくなることでしょう。

人間性という意味では、前者の方が評価されるはずにも関わらず。

縁の下の力持ちがどんどん軽視されていく、とも言えそうです。

なんだか、冷たい社会のように感じますね(笑)

このように、能力主義が主流になってくると、相手の能力の高さを判断する材料として、経済力を見るようになっていくと思います。

お金>人間性

昨今では、こっちは客として金を支払っているんだからと、常識はずれな難題を店員に要求する人間もいます。

こうなってくると、お金を支払いさえすれば、お店の従業員に屈辱的な行為を強要させてもいいと考えているように感じます。

お金>人の尊厳

もはや拝金主義のようです。

能力主義によって有能な人間はお金を持ち、お金に物を言わせるようになる。

面倒臭いことは外注し、自分はやりたいことだけやるようになる。

私が観測する限りでは、こうした人間はいかに手持ちの資産を増やすか?を考えてお金を使う傾向があります。

自分のお金が増えるかどうかが重要であり、困っている人を助けるような使い方を基本的にはしません。

他人のことは氣にかけず、何なら自分のお金を奪おうとしてこないかと警戒するようになります。

すると、どんどん人間不信になっていき、個人主義に近づいていきます。

個人主義が進んだ果てには野生が待っていると思います。

弱肉強食みたいなものですから(笑)

そして、野生になるということは社会が崩壊している状態に近いので、お金は機能しなくなっていることでしょう。

そうなると、誰もお金で動いてくれなくなりますので、外注していたことを自分でやることになります。

ですが、身の回りのことを突然、自分でこなせるでしょうか?

まあ、難しいでしょうね。

そして、個人主義ですから、誰も助けてくれません

特に、貧しい人を無意識に見下すようになっていましたから、薄給でライフラインを保全していた技術者からの手助けは絶望的でしょう。

また、社会が野生に戻らなくても、個人主義が進むことで人との関わりが減少していきます。

自分と同じレベルの人間とだけ関わりたいと思った場合、有能で経済力がある人物の人口比率は低いでしょうし、仕事で忙しいためにお互いのスケジュールを調整するのも難しいと思います。

孤独に生活していると自分の好き勝手に過ごしている分、他人とコミュニケーションを取るのが難しくなり、稀少な人間関係が失われていきます。

能力主義を拗らせると、自分の手柄は全て自分のお陰であり、他人や縁(運)といったアシストを無視するようになります。

陰ながら支えていたのに、ちっとも感謝されずに成果≒お金を全て持っていかれたら、周囲の人は離れていくことでしょう。

また、孤独な生活を過ごしていると精神を蝕まれていくため、悪循環が続いていきます。

個人主義が進むことで、精神疾患に悩む人も増えていくかもしれません。

最近では、戦争での戦死者数を自ら命を断つ人の数が超えたという説もあるようです。

能力主義→個人主義→社会の崩壊or個人の精神の崩壊

能力主義の社会に明るい未来を期待しているなら、これを読んでいるあなたが今の日々に満足していることでしょう。

そうではなく、今の日々に満足せず、納得できていないなら、価値観と行動を変えていく必要があります。

社会でのその人の価値と、個人間でのその人の価値は別です。

お金を持っているから、能力があるから聖人君子のような人物とは限りません。

お金を物事の判断基準にしていると、人の尊厳が蔑ろにされる傾向があります。

人を、一人一人よく観察して関わるようにしてみましょう。

孤独はなるべく避けるべきであり、無理のない範囲でコミュニケーションを取って交流し、有事の際には助け合える関係を築いておくことが重要です。

お金を持っていなくても、有能でなくても、自分も他人も何かしら貢献しあえることがあるはずです。

もちろん、価値観が合わない人と無理に関わる必要はありませんので、共にいて苦ではない人の数を増やしてもらえたらと思います。

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