マガジンのカバー画像

「変な英語教師」の日常

299
「変」というと語弊があると思うのですが、インパクトをとって「変」という言葉を使っています。子どもたちからも「先生って変」って言われます。これは「変わってる」って意味だと思います。…
運営しているクリエイター

#ホームスクーリング

私の学びを守る

私の学びを守る

 一人で図書館にいる時。ふと気になる本を手にした私に、私の中の人が尋ねる。
「それ、読んで大丈夫?嫌にならない?」
 
 子どもの頃、あまり学びを楽しめなかったから、今私は自分の学びにとても慎重だ。自由な学びが楽しくてたまらないから。子どもの頃は方法が決まってた。「ドリルを出来るだけ早く終えないと遊べない」「漢字をたくさん書くには、鉛筆を2本持って書いたら早く終わるかも。送りがなだけ先に書いちゃう

もっとみる
自分で自分を回していくしかない

自分で自分を回していくしかない

 時々とんでもなくヤル気が出ない。深掘りする癖があり自分でどんどん落ち込んでいく。仕事以外の人との関わりを最小限にしている。好奇心だけは旺盛。でも素で打ち砕かれるのは怖いから、仕事の仮面を被っている…

 そんな私が生きていくには、人を頼る訳にはいかないから、自分で自分を回していくしかない。思えば子どものころは「教室」っていう小さな箱の中に人がいっぱいギュウギュウ詰め。そこにずっといなさい、って言

もっとみる
先生だけど"勉強"嫌い!

先生だけど"勉強"嫌い!

 私は"勉強"が嫌い。英語の先生を20年していても、断言出来る。
「勉強キライ!」

 でもそれを言い続けてたら、考えることを忘れてた。
"勉強"ってなんやったっけ?

言葉って意外と大事

 20年の間にたくさんの子どもたちと出会って、観察して、我が子を育てて…その間に単純にみんなが唱える「勉強」って言葉ってなんやろ、って思い始めた。そういう言葉ってないですか。「思いやり」とか「仲間」とか「絆」

もっとみる
次から次へと...

次から次へと...

 スピーキングテストって、正直難しいんです。
英語の面接担当してると「この子、英語を話してる」って思える子は50人に一人いるかいないか。後は覚えてきたこと喋ってるだけ。
会話は成り立ってるけど、「使えている」感はゼロ。
見た感じ話せてるし結果は合格だけど、それはテスト用の技術に感じられて仕方ない。
 私は教える側でもあるから、そのコツを教えるのは簡単。それも知ってるから、この「スピーキングテスト」

もっとみる
「失敗させない」んじゃなくて、「した時どうするか」じゃない?

「失敗させない」んじゃなくて、「した時どうするか」じゃない?

子どもたちが小さい頃、時々「学校のプリントが無くなっちゃった〜!」と泣いていた。「ノープロブレーム、こうすれば大丈夫」と、元のプリントを真似て一緒にせっせとプリントに似た物を作っていた…

 …そして数年後。「あ〜!〜の申込書が無い〜!」と言う私に子どもたちが冷静に「作ればいいじゃんっ!」うむ、なるほど。ブーメランみたいに返ってくるもんだな。

 お茶碗割るのも、お味噌汁こぼすのも、仕方ない。でも

もっとみる
生きる意味はそこら中

生きる意味はそこら中

 私は「問い」の多い人生を歩んできた。多分生まれた時から私は問い続けている。幼い頃から母や父に兄弟に、思いつくことは何でも尋ね続けていた。兄弟の会話の中では「もし〜だったらどうする?」という話が多かったし、食後にもずっと食卓に残って家族でそんな話をしていた。

 あの時間が大好きだった。

 学校や公の場では時間の流れや他の人の心ない言葉が怖くて、「問い」は心に押し込んだ。そして大人になって海外に

もっとみる
「ごんぎつね」を忘れない

「ごんぎつね」を忘れない

 子どもの頃、勝手に人のことを決めつけて叱る大人が嫌いだった。そんなつもりない、って子どもの立場では言えない関係性を作っておいて、頭ごなしに叱る。とんでもない話。

 しかし大人になってみて、その大人の事情もわかる様になってしまった。大人としての責任を背負い過ぎている時こそ、その状況に陥りがちだ。大人を背負い過ぎている人は、子どもからバカにされないか、なめられないか。いつもドキドキしてる。そして、

もっとみる
Don't stop thinking.

Don't stop thinking.

 小学校英語、4年生の教室。今日のトピックは文具。Do you have ...?という表現がキーフレーズで、それに伴い文具の単語を学ぶ。
 私は補助の英語講師だから、英語的指導を請け負っている体。日本語は極力話さず音声教材でいて欲しい、という立場ではあるが「英語教育専門」としてそこにいるならば、私にはもっと伝えておかなければいけないこともある。誤解されがちだが、語学は音声や表現、語彙だけではない

もっとみる

ヘボン式ローマ字の秘密

中学に入るなり出てくるローマ字。
「え?小学校の時に習ったローマ字と違うやん!」と乗っけから混乱が始まります。

ここでは、なぜ中学英語の最初にローマ字が出てくるのか、なぜそれがヘボン式なのか?を解説しています。

追記:この動画、先生方からの反響が大きいですね。
私は小学校6年生が卒業を控えた頃にこのお話をプレゼントしていました。今までの「国語」のローマ字とこれから中学で習う「英語」のローマ字は
もっとみる

「会話の時間がもったいない」

「会話の時間がもったいない」

 あなたが英語を学んでいるのは、なぜですか。
英検を自分の資格として取りたい。自分の記録として1級にチャレンジしたい、そんな風にコツコツと試験などを取るのも素敵。それも外国語の楽しみ方の一つ。学びにはいろいろな目的や楽しみ方がある。
 いろいろな学びがある中で、私が自分の教室で特化しているのは「会話」です。レッスンの中でも会話を重視するし、それを公言しているので教室に来る人は「会話」目的の人。にも

もっとみる
家庭というシェアハウス 

家庭というシェアハウス 

私は寮母さん

 子どもが大きくなったら家族がシェアハウスの住人みたいになったらいいな、って思っていた。家事をする人、勉強する人、仕事する人、みたいな分担ではなく、みんながそれぞれ「生活する人」として生きる場所。
 そしてこの空間は、リラックスして話せる人が集う場所。一人でいるにはちょっと淋しい時に気軽にリビングに集まって話せるし、一人になりたい時はなったらいい。
 家族とは言え人同士。距離感も大

もっとみる
日本の若者はグローバル社会を生き抜けるか

日本の若者はグローバル社会を生き抜けるか

世界の若者たち

 先日ウクライナから日本に来ている学生たちと話す機会があった。18-19歳の学生たちは日本語も勉強中ではあるが、主な意思の疎通は英語を使って行った。彼らが話す英語を聞きながら、「話している」と感じた。自分自身のことや、日本に来て感じたこと。ウクライナという国のこと。表情豊かに話す彼らの言葉から言葉以上のものを感じて、更には一人一人の人柄や経験もよくわかった。聴いていて楽しかったし

もっとみる
自分に必要のない言葉を学ぶこと

自分に必要のない言葉を学ぶこと

 私は語学講師で、英語の指導は通算20年近く。0歳児から人生の先輩方までほぼ毎日楽しく学習に携わっている。時々オンラインで日本語学習者との交流も楽しみながら…改めて語学って誰にでも与えられたチャンスだよな、と実感。出来不出来ではなく、得意不得意でもなく、敢えて言うなら興味を持つか持たないか、また使ってみるかみないか、それで分かれていると思う。会話する語学に関して言えば、本当に語学は誰にでも開かれた

もっとみる
学び方いろいろ

学び方いろいろ

今朝最初にこの方のお話を拝見していて「なるほど」と思った。

私の初めての仕事は高校1年生の時のうどん屋のアルバイト。
そこからかれこれ30年。ずーっと働いてる。
日本で、海外で。
アルバイト、正社員、フリー…10種以上の仕事に関わった。
どの仕事も味わい深かった。
私は仕事が大好き。
きっと工夫が好きなんだと思う。

 学校の勉強は嫌いだった。
ついていけないことがたくさんあって、それが高速で目

もっとみる