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ダンスに関する情報・備忘録

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公演や作品の映像、書籍以外のダンスに関する情報です。筆者の備忘録を兼ねています。
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「HANAGATA」歌舞伎町劇場:日本舞踊を邦楽の生演奏で気軽に鑑賞

「HANAGATA」歌舞伎町劇場:日本舞踊を邦楽の生演奏で気軽に鑑賞

東京・新宿歌舞伎町にある、大衆演劇も上演する小規模のきれいな劇場で、日本舞踊を邦楽の生演奏で鑑賞できる。

毎週木曜に16、18、20時の3回公演。各回約1時間。チケット4000円。

日本舞踊の生の舞台を見たのはたぶん初めてだったが、楽しめた。

演奏は、能と同じ楽器もあったと思うが、もっとにぎやかな感じの演奏。歌も入る。

舞踊は2演目。演奏のみが2演目。花道でも踊る。

お囃子
長唄
舞踊 

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素人と一緒に何かしたいというアーティストとの付き合い方

ワークショップなどを行ってそれを作品化するアート(ソーシャリー・エンゲージド・アートなどとも呼ばれたりする)は、アーティストが他者を素材にして利用することになるといった危険性が指摘されることがある。

振付家・ダンサーが、ダンスの訓練を受けていない人々のワークショップを行うことはよくあるが、その目的は一様ではないだろう。ただ、振付家・ダンサーが、「自分の踊りや作品に刺激となるような体験を得たい」と

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『闘う舞踊団』金森穣著:Noism(ノイズム)の新潟での奮闘を記録した本

『闘う舞踊団』金森穣著:Noism(ノイズム)の新潟での奮闘を記録した本

海外で活躍後に日本に戻り、海外(ヨーロッパ)と日本の芸術文化の土壌や質の違いを強く意識しながら、それでも日本での意識や現状を変えたいと組織を立ち上げて困難の中でも活動を続けている人といえば、バレエではKバレエカンパニーの熊川哲也さん、そしてコンテンポラリーダンスではNoism Company Niigata(ノイズム)の金森穣さんが思い浮かぶ。

Noismは、りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館を

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ダンスワークショップ「世田谷パブリックシアター ダンス食堂 メニュー22 関かおり」

ダンスワークショップ「世田谷パブリックシアター ダンス食堂 メニュー22 関かおり」

「うごうご」。
言葉を聞きながらイメージして動く。
イメージはするが目は閉じない。日常で感覚を使うように、感覚を開いておく。

歩く。
歩きながら、(会場である稽古場内の)行きたい場所に行ってみる。
歩きながら、したいことをしてみる(子どもに戻ったつもりで)。
歩きながら、ほかの人たちを見てみる。

床が土などの柔らかいものであるつもりで動く(大きく動かなくてもよい)。

水の中にいるかのように。

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視聴しながらできる!初心者OKのバレエエクササイズ動画

視聴しながらできる!初心者OKのバレエエクササイズ動画

動きがシンプルで進行がゆったりしていて、視聴しながら一緒にできるバレエエクササイズ動画を集めました。

私のような初心者も無理なくできると思います。英語音声のものも、言葉がわからなくても見よう見まねでついていけそうです。

家や屋内で踊ったつもりになりながらエクササイズをして、運動不足を解消し、健康を保ちたいものです。

座ってできるENBの「Dance for Parkinson's Class

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『手の倫理』伊藤亜紗著:介助やスポーツから「触覚」を考察する本

『手の倫理』伊藤亜紗著:介助やスポーツから「触覚」を考察する本

「触覚」について美学者が考察した本。研究者も一般の人も読めるように書かれている。

キーワードは、「ふれる」と「さわる」、「道徳」と「倫理」、介助・介護、スポーツ、コミュニケーション・伝達、信頼、共鳴、不埒など。

体育の授業が目指すのは、他人の体に失礼ではない仕方でふれる技術を身に付けること、と聞いて、著者の伊藤は感銘を受けたという(p. 24)。私は、そのように考える体育科教育学の研究者がいる

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イングリッシュ・ナショナル・バレエ『クリーチャー(Creature)』アクラム・カーン振付はどんな作品?

イングリッシュ・ナショナル・バレエ『クリーチャー(Creature)』アクラム・カーン振付はどんな作品?

2021年9月にイギリス・ロンドンのサドラーズ・ウェルズで上演され、2022年2月にアメリカ・シカゴで上演されるらしい、アクラム・カーン振付によるイングリッシュ・ナショナル・バレエのダンス『クリーチャー(Creature)』が気になる。

日本の映画館で舞台映像を上映してくれないかなあ。

カーンと同バレエ団による『ジゼル』がとてもよかったので、見てみたい。『Dust』もよかったし。

『Crea

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『美術展の不都合な真実』古賀太著:安易で企画意図がない企画展が増えた理由

『美術展の不都合な真実』古賀太著:安易で企画意図がない企画展が増えた理由

現在は日本大学 芸術学部 映画学科 教授で、かつては国際交流基金で日本美術の海外への紹介、朝日新聞社で展覧会企画を手掛けた著者が、日本の美術展の世界でも特異な実態を解説する本(2020年発行)。

「混みそうな美術展」は展示概要を見ればすぐわかる本書の内容はわりと周知の事実だと思っていたことが多かったが、一般にはあまり知られていなかったのだろうか?著者はあとがき(「おわりに」)で「一般にはほとんど

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ClafT 中央線芸術祭2021:トークイベント「アートと市民・アートとからだ」:経済システムに組み込まれない身体

ClafT 中央線芸術祭2021:トークイベント「アートと市民・アートとからだ」:経済システムに組み込まれない身体

「中央線芸術祭2021」のトークイベント。テーマは「アートと市民・アートとからだ」。

登壇者:
三浦宏之(ClafT フェスティバルディレクター。実演家)
砂連尾理(振付家・ダンサー、立教大学 現代心理学部 映像身体学科 特任教授)
呉宮百合香(ファシリテーター。「TOKYO REAL UNDERGROUND」事務局長、NPO法人ダンスアーカイブ構想「デジタルダンスアーカイブ」コーディネーター。

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プラスサイズのバレエダンサーでカウンセラーのコリーン・ワーナーさんと、「常識」を塗り替えるインフルエンサーたち

プラスサイズのバレエダンサーでカウンセラーのコリーン・ワーナーさんと、「常識」を塗り替えるインフルエンサーたち

昔、バレエのフォームは細い体でないとできないと思っていた。太っていたら、肉が邪魔をして高く足を上げられないし、優雅に踊れないと思っていた。

でも、イギリスのダンスセンターでバレエレッスンに参加したとき、少しふくよかな体形の若い女性がいて、とても美しく踊っていた。それで、自分の思い込みに気付いた。実際は、細くなくてもバレエは踊れる。それも正確に美しく。

摂食障害を克服したプラスサイズのダンサー兼

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「ダンサー・俳優の<表現するカラダ> ~公演ヘルスケアサポートの経験から~」オンライン対談【芸術家のくすり箱】

「ダンサー・俳優の<表現するカラダ> ~公演ヘルスケアサポートの経験から~」オンライン対談【芸術家のくすり箱】

「芸術家のくすり箱」は、「芸術家の多面的なヘルスケアネットワークを構築する」団体。

アーツカウンシルの3年連続の助成により、バレエ団、ダンスカンパニー、劇団の3団体(東京シティ・バレエ団、秋田雨雀・土方与志記念青年劇場、zer◯)に「公演ヘルスケアサポート」を提供した。

今後は、「ヘルスケアピット」を実施予定。

公演ヘルスケアサポートを受けた3団体の5人の芸術家(ダンサー、俳優など)が登壇し

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『リル・バック ストリートから世界へ』スニーカーで爪先立ちして踊るストリートダンス「ジューキン」のダンサーを追うドキュメンタリー映画

『リル・バック ストリートから世界へ』スニーカーで爪先立ちして踊るストリートダンス「ジューキン」のダンサーを追うドキュメンタリー映画

テネシー州メンフィス出身で、ストリートダンス「メンフィス・ジューキン」を踊るダンサー、リル・バック(1988年生まれ)を追ったドキュメンタリー映画。

柔らかい足首でスニーカーを履き、奨学金を得て通ったバレエカンパニーのレッスンで身に付けたテクニックも取り入れて、誰よりも長く「爪先立ち」をしようとダンスする。

子どものころからの映像も残っており、それが挿入されているので、どんどんダンスが進化・深

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