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#展覧会

【虎と泥】走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代 菊池寬実記念 智美術館

【虎と泥】走泥社再考 前衛陶芸が生まれた時代 菊池寬実記念 智美術館

京都国立近代美術館で開催されていた展覧会。巡り巡って都内にやってきた。前期は見れずだったが、後期展示へ。
※違う、私、前期を見たのでした。何かを勘違いしていた。頑張れば後期も見れる

今はあまり行く機会のない虎ノ門周辺。出産前までこの辺で勤めていたけれどなんとかヒルズが沢山できてるー!という印象。
虎ノ門…と言えば虎ノ門パストラルというかつてあった宴会場?の様な場所で日雇いのホールスタッフをしたこ

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【沼のほとりで宴】シンフォニー・オブ・アート — イメージと素材の饗宴 群馬県立館林美術館

【沼のほとりで宴】シンフォニー・オブ・アート — イメージと素材の饗宴 群馬県立館林美術館

群馬県は館林。群馬県は県立美術館を2つ擁する珍しい自治体である。
高崎の群馬県立近代美術館とここ群馬県立館林美術館。
訪問した日の午前中はすぐとなりの栃木県、足利市立美術館へ行っていた。

足利市駅からは電車で20分ほどで栃木から群馬へ移動である。
多々良沼のほとりに位置し、広々とした素晴らしい場所だった。
建物だけで満足しそうなぐらい素晴らしいロケーション。

ただ、東武伊勢崎線の多々良駅から歩

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東京国立博物館 「近代の美術」

東京国立博物館 「近代の美術」

東京国立博物館 本館1階にある18室「近代の美術」では、日本画の名作が展示されていて、毎回楽しみにしております。

少し前ですが5月に訪問した際にこちらの2作品が並んで展示されてました。

松本楓湖の《牛若》と小林古径の《芥子》。

 帰宅後に、そういえばこの二人の関連って…とググってみたら、松本楓湖の門下の今村紫紅らが発足した紅児会のメンバーが小林古径でした。そして、この時は今村紫紅の《熱国之巻

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【展覧会レポ】東京都美術館「デ・キリコ展」

【展覧会レポ】東京都美術館「デ・キリコ展」

【約4,400文字、写真約30枚】
東京都美術館で「デ・キリコ展」を鑑賞しました。その感想を書きます。

【この投稿で伝えたいこと】
❶世界中から集められたデ・キリコの作品110点をイッキに見ることで、作品や生涯の変遷が分かる、❸楽しい絵が多いことに加え、会場内が凝った造りになっているため、美術館に普段行かない人にもおすすめ、❹値段が2,200円と若干高め。9/14(土)から神戸市立博物館で巡回す

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【知らぬ間に結ぶ】カルティエと日本 半世紀のあゆみ「結 MUSUBI」展 ― 美と芸術をめぐる対話 東京国立博物館 表慶館

【知らぬ間に結ぶ】カルティエと日本 半世紀のあゆみ「結 MUSUBI」展 ― 美と芸術をめぐる対話 東京国立博物館 表慶館

概要はこちら。

公式サイトの情報量、すごく少ない。
東博の「管轄外よー」なのか。

ときどき現代美術の文脈で耳にするカルティエ財団。
横尾さんだったり森村泰昌さんだったりの関わりから、作品を見てきた。
「見てきた」というかいつの間に見ていたという表現が正しい。
カルティエ現代美術財団を全面推しする展示が少なかったせいか、自分がスルーしていたのか、そういう金の匂いが強くないところがいいなと思っては

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【展覧会レポ】練馬区立美術館「三島喜美代―未来への記憶」

【展覧会レポ】練馬区立美術館「三島喜美代―未来への記憶」

【約5,500文字、写真約60枚】
練馬区立美術館で開催されている「三島喜美代―未来への記憶」を鑑賞しました。その感想を書きます。

【この投稿であなたに伝えたい点】
❶大満足の展覧会、❷作品だけでなく、三島喜美代自身の魅力が十分に伝わる内容だった、❸作品や考え方の変遷が分かりやすく、キャッチーな作品が面白いことに加え、メッセージ性もはっきりと伝わった、❹大人も子供も、アートに興味がある人も薄い人

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『民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある』(世田谷美術館)

『民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある』(世田谷美術館)

【内容】
手仕事の品の「美」に注目した思想家・柳宗悦は、無名の職人たちによる民衆的工藝を「民藝」と呼び、再評価を行なった民藝運動をテーマとした展覧会。

【感想】
この間、棟方志功の生涯を描いた小説『板上に咲く』を読んで、棟方志功の活躍が柳宗悦らの民藝運動の後押しがあってのことと知り、きちんと民藝についで知りたいと思っていました。
近いうちに、柳宗悦が作った民藝をテーマとした美術館である日本民藝館

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【これからは◯◯の時代!】三島喜美代―未来への記憶 練馬区立美術館

【これからは◯◯の時代!】三島喜美代―未来への記憶 練馬区立美術館

原美術館が品川にあった頃、その芝生の中庭にいつも大きな新聞紙が鎮座していた。
私が見た三島喜美代作品の最初は、それだと思う。
原美術館が閉館する時、作品はどうなってしまうのか?と思っていたら群馬県のハラミュージアムアークにちゃんと移設された。一安心。

あとは、現代美術館の常設展示室で見かけたりしていたと思う。
やっぱり、面白くてちょっとクスッと笑ってしまうことに惹かれる性分なせいか、作品は作品な

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【足利セレンディピティ】コレクション展2024 足利市立美術館

【足利セレンディピティ】コレクション展2024 足利市立美術館

とにかく、昔から赤瀬川原平さんが好きで追い続けている。
今年は没後10年。
情報を追うためにしていることの一つに所属ギャラリーのInstagramアカウントをフォローするという方法がある。
そんな事をしていたら5月某日、足利市立美術館で作品展示があるという投稿が。

お、なんかあまり見た事ないコラージュだな?
でも現物が出てるなら見たい。
今年使い切らねばならない有休もまだあるし、夫の出張が増えて

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【彫刻の上の散歩道】カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 DIC川村記念美術館

【彫刻の上の散歩道】カール・アンドレ 彫刻と詩、その間 DIC川村記念美術館

千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館。
古典、印象派からミニマルアート、カラーフィールド等アメリカの60年〜80年代中心のコレクションが進み、非常に豊かな常設展を形成している。

今年、中学生になった長男が「ここ、行ったことあるよね?」美術資料集を見せてきた。
掲載されていた写真は川村記念美術館のロスコ・ルームの写真。
え、あの部屋が美術資料集に載るのか…?なかなか面白いチョイスだな?資料集とは

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【一人旅レポ】青森の主要4美術館を東京から一泊二日、電車・バスだけで周る

【一人旅レポ】青森の主要4美術館を東京から一泊二日、電車・バスだけで周る

【約6,900文字、写真約60枚】
実体験を基に「青森県の4つの美術館を」「東京から一泊二日」「電車・バスで周った」「一人旅」について、具体的なルート、食べたものとともに、感想などを書きます。

結論から言うと、青森の主要美術館は素晴らしいものばかり!美術館メインで旅行を組む価値は十分にあります。なお、車を使わない場合、2日で5つの美術館は周り切れず、4つが限界でした。注意点は、青森は都内と違い、

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【魅惑のハト・ルーム】開館50周年記念 HELLO! コレクション ZOZO×千葉県立美術館  千葉県立美術館

【魅惑のハト・ルーム】開館50周年記念 HELLO! コレクション ZOZO×千葉県立美術館  千葉県立美術館

千葉県立美術館が開館50周年を迎えるという。
ポートタワーや千葉市美術館の設立前からある県立美術館。
夏になると県内の小学生の図工展などが大々的に開催されてきた。
私も昔、この美術館に図工作品が飾られたことがあるのは良い思い出だ。
公募展の展示会場によくなっていた記憶なので美術館よりアートセンター的なイメージだったが、ちゃんと所蔵品がある。

そして千葉県湾岸地区の企業といえば一昔前はAEONだっ

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椅子の美術館、椅子の展覧会「アブソリュート・チェアーズ」

椅子の美術館、椅子の展覧会「アブソリュート・チェアーズ」


はじめに 「椅子の美術館」こと埼玉県立近代美術館にて開催されていた、「アブソリュート・チェアーズ」を母と一緒に観てきたという旅行記。その看板に偽りなし、企画展以外でもめちゃくちゃ椅子あった。というか企画展がとにかくよかったためたくさん語りたい。

 この企画展は愛知県美術館(7/18-9/23)へと巡回するため、逃した方はぜひそちらに行ってみてほしい。また埼玉県立近代美術館は、この展示を抜きにし

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写実?抽象? 「没後50年 福田平八郎」展◇大阪中之島美術館

写実?抽象? 「没後50年 福田平八郎」展◇大阪中之島美術館

大阪中之島美術館で開催している「没後50年 福田平八郎」展(2024.03.09 – 2024.05.06)後期展示へ行ってきました。

同館ではモネ展と閉幕の日程が同じ5月6日だったせいか激混みでした。さすがモネ。

私は福田平八郎展目当てだったので、時間があればついでに見ようかなーと思っていましたが、もちろん無理でした(こうやって何度大物を逃してきたことか…)。

ちなみにお隣の国立国際美術館

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