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人気アパレルの集団面接にとんでもない男がいた話

人気アパレルの集団面接にとんでもない男がいた話

もはや20年ほど前になるだろうか。当時フリーターとして生計を立てていた私は、とある人気ファッションブランドの集団面接を受けた。

30人ほど収容できそうな会議室には、いわゆる木製の長机が試験会場スタイルで並べられていた。
通路を挟んだ右左に3-4列ずつくらいだろうか。定間隔で配置されたその机にそれぞれ2名ずつで座ってください、という指示が出される。

私の隣に腰掛けた女性は全身リクルートスーツの小

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誰にも奢ってもらえなくなって、悟ったこと

誰にも奢ってもらえなくなって、悟ったこと

今日は私の性格が、歪みに歪んでいた20代半ばの思い出話をしようと思う。

10代後半から20代前半にかけて貧乏で苦労した反動で、その後私は平成の時代に、1人異様なバブル臭を漂わせる成金趣味の女として生きていた。

上京してからその生き様はさらにエスカレート。
「港区女子」なんて言葉もない時代だったが、それこそ間違いなくそんな言葉で定義されるだろう、十番や西麻布住みの煌びやかな友達と、毎晩飲み歩く日

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夏の夜の惨劇

夏の夜の惨劇

いつか、いつかその日がやってくることはわかっていた。
だけどそれは今日でなくてもよかったはずだった_____

プロローグ4歳と2歳、体力無限の男児たちを1日ワンオペ育児した夜のことだった。

灼熱の日差しが降り注ぐ中のブルーベリー狩り、自分の食べ物は飲み込むようにしてすませる昼食。HP残り10くらいになった後からの屋外遊び…
そうだ、いつものようなそんな1日だ。

縦横無尽に走り回り、触ってはい

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30年引きずった、ある女の子への嫉妬

30年引きずった、ある女の子への嫉妬

通勤路ですれ違う、色とりどりのランドセルを背負う子どもたちを見ながら、私はNちゃんのことを思い出していた。

Nちゃんは、私が小学6年生の頃の同級生だ。

当時は今みたいにランドセルのセレクションが豊富ではなく、女子は赤・男子は黒一択という時代。

そのつまらなさからかわからないが、高学年にもなると「ランドセルなんて背負ってるやつはダサい」という暗黙の空気があり、自然と皆市販のリュックサック風バッ

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「価値観の違い」が悲しくて、私はメディアに別れを告げた

「価値観の違い」が悲しくて、私はメディアに別れを告げた

LINEニュース(公式アカからの配信)は私の大事な情報源である。

新聞は取っていないし、テレビは子ども用のyoutubeを流し続けるモニターとしてしか機能していない我が家。
よって私の情報収集源は、多くのワーママがそうであるように通勤時のスマホ一択だ。

とは言え、Smart Newsのようなメディアは「さぁ情報を取りに行くぞ!」と意気込まなければ開くことができず、こちらの事情も鑑みず、有無を言

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家は綺麗にするな!

家は綺麗にするな!

「シンプルに暮らす」がトレンドである。

断捨離、ミニマリスト…令和の現在、幸せの価値観が、モノからコトへと変わったことは明らかな事実である。

それ自体はとても良いことだなと思う。
必要あるものだけを生産して、使っていくというのはSDGs的な観点からも推奨されるべきだし、合理性を高めていくのは様々なところで良い効果がでることは、自分自身も体感済みである。

だがしかし、ブームとなった「モノトーン

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バズり中の「起業家慶應生」と「コンプレックスを抱える少女」の記事を読んで傷ついたアラフォーの話

バズり中の「起業家慶應生」と「コンプレックスを抱える少女」の記事を読んで傷ついたアラフォーの話

今、話題になっている2つの記事がある。
慶應大学に在籍しながら、「TimeLeap」の代表取締役を務める仁禮彩香さんへの取材記事と

「この割れ切った世界の片隅で」というタイトルとさびれた団地のサムネイルが強い印象を放つ、鈴さんという高校生が書いたnoteでのエントリである。

私はこの2つの記事をほぼ同時期に読んで、いろんな気持ちにおそわれていた。感動、憧れ、共感、尊敬、悲しみ…一括りにできない

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「ハーフだから可愛いよね」とかいうと、世界では白い目で見られることに日本人は気づいた方がいい

「ハーフだから可愛いよね」とかいうと、世界では白い目で見られることに日本人は気づいた方がいい

「最も美しい顔ランキング2020(The 100 Most Beautiful Face of Japan)」に対して、水原希子が「今時こんな時代錯誤なことやるなんて狂ってる」と苦言を呈した。

これ勝手にノミネートされて勝手にジャッジされている方々にも失礼だし自分が知らない間にルッキズム/外見主義の助長に加わってしまっているのかもしれないと思うと困る。
見た目で人を判断するのは絶対違うと思うし、

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物事を「勘」で決めちゃダメですか?

物事を「勘」で決めちゃダメですか?

今から10年ほど前の話である。
とあるメディアの営業をしていた時に、訪問した会社のNo2である女性専務にこう言われた。

「あなた…男は努力と根性、女は勘と度胸よ?」

桃井かおりと黒柳徹子を足したような、独特の凄みのある人だった。
どんな文脈でこんな名言を授けられたのかは記憶にないが、あまりにも響きがキャッチーで、また専務の圧倒的な存在感が忘れられず、事あるごとにこのセリフを思い出していた。

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そろそろ強い女がモテる時代が来てもいいでしょう?

そろそろ強い女がモテる時代が来てもいいでしょう?

※このエントリは梨泰院クラスのネタバレを含みます
※原作漫画は読んでいないのであくまでもドラマの話とご理解ください

いよいよ来週から長い育休を終え、仕事に復帰する。最後の楽しみとして、流行りの「梨泰院クラス」を鑑賞したのだが、色々と考えさせられたので今日はそれを書いていく。

青年の復讐劇「梨泰院クラス」梨泰院とは韓国の地名である。ソウルの龍山地区にあり、外国人観光客が多く訪れる賑やかな繁華街だ

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そうして私は、家中のポエムを捨てた

そうして私は、家中のポエムを捨てた

コロナの影響で「断捨離」が流行っているという。
小池都知事が「こんまり」こと近藤麻理恵さんの片付け動画を公開すると言ったことも記憶に新しい。

我が家では、まもなく私が仕事に復帰するという理由で鬼の断捨離が始まった。
お子さんがいる家庭ならばわかるだろうが、「自分の時間がある」「子どもがいない」この条件が揃わなければ、家の片付けなどできないのだ。
数時間でも慣らし保育という名の元に保育園に預かって

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「差別」について考える

「差別」について考える

Black lives matter.
アメリカが湧いている。

日本でもこれだけ日々ニュースやSNSなどで騒がれているのである。
アメリカ国内の熱狂はどれほどのものだろう。

差別ってなんなんだろう。
何でこんな悲しい事件が起こってしまったんだろう。
悶々と考えてしまう。

Crashという映画悶々と考えたところで何もできない私であったが、久々にこの映画を観てみることにした。
人種差別による悲劇

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人は本当に変われるのか

人は本当に変われるのか

3月から、週2ペースでママ友たちとZoomミーティングをやっている。
ママ友同士のオンライン井戸端会議と侮るなかれ。

「アンガーマネジメント」や「自宅保育のtips」「子供の教育方針」「英語教育」「マネーリテラシー」など会ごとにテーマとファシリテーターを決めて実施している。
会の後は議事録まで残して振り返れるようにするという、中々意識の高いプライベートミーティングなのである。

ノウハウや子育て

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一旦、2ヶ月の自粛生活をねぎらおうと思う

一旦、2ヶ月の自粛生活をねぎらおうと思う

ああ、本当に疲れている。
1本400円の栄養ドリンクが身に染みる。
子供たちの登園を自粛し、自宅保育を始めて早2ヶ月。
謎の頭痛と腹痛を薬で誤魔化し、たまに栄養ドリンクでドーピングしながら毎日なんとか生きている。

一昨年まで、月に2回ほど発生していた土日のワンオペ育児ですら根を上げていた私である。
しかも、その時は長男1人だけ。
今考えると余裕のよっちゃん冗談はよしこちゃん状態だ。
あの時の自分

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