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そうして私は、家中のポエムを捨てた

コロナの影響で「断捨離」が流行っているという。
小池都知事が「こんまり」こと近藤麻理恵さんの片付け動画を公開すると言ったことも記憶に新しい。

我が家では、まもなく私が仕事に復帰するという理由で鬼の断捨離が始まった。
お子さんがいる家庭ならばわかるだろうが、「自分の時間がある」「子どもがいない」この条件が揃わなければ、家の片付けなどできないのだ。
数時間でも慣らし保育という名の元に保育園に預かってもらえる今この時を、全力で活用してspark joyしていくしかない。

ということで、この1週間1日5時間くらい家の掃除をしている。
掃除というより、時間のほとんどは我が家のブラックボックスの開放/解放作業にあてている。

引っ越ししてから2年以上1度も開けていなかった段ボールなど、今まで何となく視界の端には入っているのにも関わらず、意図的に見ないようにしてきた物にこの際だから!と勇気を持って向き合う日々だ。

結果見たこともない麻雀牌やボードゲームが出てきて驚いたり、
無くしたと思っていたデジカメの充電器が出てきて歓喜したり、
結婚前にもらった夫からのラブレターが出てきてほっこりしたりと、なかなか私の感情は忙しい。

パンドラの箱と化していた未開の段ボールから出てきたのは大量のノートだった。
数年に1度、私が意を決して片付けをする度に再会するので、何が書いてあるかは知っている。

私のポエムである。

自作のポエム…いや、もうこの字面だけで恥ずかしい。誰かに見られたら死ねる…とノートの表紙を見るだけで赤面してしまうのだが、それでも今まで捨てることはできなかった。

これこそ私の青春時代。
ポエムを書くことは、厭世的だった17歳の私にとって、命を繋ぐ行為だった。

厨二病を引きずっていると言われればそれまでなのだが、私はどこにぶつけていいのかわからない、青春の怒りや苦しみや戸惑いを、日々書くことで消化していた。

絵も描いていたのだが、この「書く・描く」という行為がなければ本当に自分を保っていられなかった。

アーティストを気取っているわけじゃないが、文学やアートというのは負の感情との結びつきが強い。

多くの文豪が苦しみの人生を歩んだのも
悲しい死を選んだのも
何となく納得ができる。
彼らは表現しないと生きていけないひとたちなのだ。
(そういえば幻冬社の見城さんも同じようなことを言っていた)

壇蜜が以前テレビで「不幸じゃないといいグラビアはできない」と言っていたのも覚えている。その言葉のかっこよさに震えたし、いたく納得した記憶がある。

私はアマチュアではあるが、この感情には共感していて、現に「生きる苦しみ」から解放された20代中盤からはぱたりとポエムや絵が描けなくなった。
書くことで自分を助けなくても生きていけるようになったのだ。

ずっとこのノートが捨てれなかったのは、どうしても17歳だった私の感傷を消化できなかったからかもしれない。
これを手放してしまうと、あの時の自分の全てを否定してしまうような気がした。

だけど、ようやく35歳を超えて全てを受け止める覚悟ができた。
あの時の辛さも、それを書くことで対処していたことも、自分が世界で一番不幸だと勘違いしていた恥ずかしさも、赤面してしまうほどの未熟な精神も。
私の人生の中では全くいい時期ではなかったし、結果残った創作物は紛れもない「黒歴史」感満載だが、
でも、あの時の自分がいたから私は今こうして幸せに生きているし、このノートがあったから、私は間違いなく救われたのだ。

だから、17歳の私に今伝えたい。

その思いは未来の私が全部受け止めるから。安心してノートに発散してねと。夫や子どもに見られたら恥ずかしさで死ねるから、そっと処分しておくからねと。

・・・しかしながら、往生際が悪いとはこのこと。
全てのノートを捨てたが、なんとなく自分が今読んでもいいなぁと思う詩は捨てるに忍びない気持ちになった。
どうしてもまたいつか読んでみたい気持ちが捨てれない。

ということで、このノートに書き残してみようと思う。
もちろん誰にも見せたことはないので、公開するのはスクランブル交差点で素っ裸になるような心境である。
本気で恥ずかしいので、ここからは(初めての!)有料にしてみようと思う。

1,000円の設定はその価値があるからだということではない。100円とかにして皆にみられたら恥ずかしいからだ(笑)
シロートの、それも17歳の少女が書いた恥ずかしさ満載の中二病な詩が読みたい方だけ、どうぞご購入を。
そしてそっと胸の中におしまいください。
23個あるので、そこそこの詩集。

▼まずは17歳の時に書いたもの8選。その後20歳の時に書いたものと、川柳?的なのと続きます。

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