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「さようなら、バイバイよ。」の謎
故・北杜夫大先生の小説に出てくる、キタ・モリオという名の三文作家の口癖、
「さようなら、バイバイよ。」
が子どもの頃から大好きで、腹を抱えてゲラゲラ笑っていた身としては極めて貴重な発見が、このほどあった。
それは、映画『007/ダイヤモンドは永遠に』(1971年、英米。ショーン・コネリー他)が、たまたまテレビで放送されていたのを見たときのことだ。
ジェームズ・ボンドと行動を共にしたためさんざん危険
新釈「このはしわたるべからず」~一休さんはイソップ的ドジキャラ?
また、新しい「シェーンの誤謬」に出会ってしまいました!
シェーンの誤謬とは、人々の記憶の中で物語が変質していく現象であり、すんどめが提唱している概念です。
つい先日、14歳の男の子と雑談をする機会がありまして、たまたま『一休さん』の話題になりましたので、「このはしわたるべからず」という話を知っているかと尋ねましたところ、
「ああ知ってるよ。こんな話さ」
得意げにそう言って彼が語ってくれたその話とい
「泣いてたまるか効果」~渥美清はどこにでもいる
60年代のテレビ・ドラマ『渥美清の泣いてたまるか』を観れば、実に面白い効果があなたの中に生じる。
それは、渥美清の他の主演作品のすべてが『泣いてたまるか』の一環に見えてくるという効果である。
ぜひこの不思議な効果を、体験してみるとよい。
『男はつらいよ』(いわゆる「寅さん」)シリーズはもちろん、『喜劇急行列車』から『拝啓天皇陛下様』、『あゝ声なき友』に至るまで、渥美が主演のものならことごとく、
「
連載『数学はなぜ嫌われるか』 6章「スーガク屋さんはスージが苦手?」
あんたがもし「理系」なら、こんなことを言われたことはねえか?
あるいはあんた自身、「理系」の奴に向ってこんなことを言ったことはねえか?
「お前、理系のくせになんでこんなことも分かんねえのよ」
そうなんだ。
世の多くの奴らが、「理系」と言やあみんな数字に強くて、複雑な暗算も瞬時にできて、元素記号と化学式をぜんぶ暗記してて、電気回路の不具合なんざちょちょいのちょいで調整できて、宇宙物理学の最新理論から
連載『数学はなぜ嫌われるか』5章「おんなじことを言い換えるのが数学!」
「『1+1』と『2』って、どうちがうのよ!?
おんなじもんだろ!?
どうせおんなじなんだろ!?
それなのに、なんで『1+1』をわざわざ『2』って書き直さなきゃいけねえのよ!
おんなじこと何回も書かせるんじゃねえよバッキャロウ!!!」
――これは。
ある人物の、心の中だ。
その人物の心の中をすんどめが代弁すりゃあ、どうやらこんな具合になる。
奴が数学を憎み、呪い、蔑み、数学の存在を全否定しやがるの
どこまで許せる「不思議扱い」!?~『空想科学読本』の役割
「不思議を不思議扱いされることの許容範囲」には、どうやら非常に大きな個人差があるらしい。
あるだけならまだしも、それがときに、ある程度には顕著な断絶を、社会へ生み落とす。
〇
非現実的なこと。
不思議なこと。
空想上と思しきこと。
ファンタスティックなことが話題にのぼったとき、あなたならそれを何と表現するだろうか。
たとえば、
「昨日UFOを見たんだよ。
スーパーの駐車場で車に乗ろうとしていた
追悼、ジャズDJ児山紀芳~最後の生き字引よ安らかに
2019年2月3日、ジャズ評論家の児山紀芳(こやまきよし)さんが亡くなったと伝えられました。
これで、現代ジャズの黄金時代を直接に知るジャズ評論家もジャズDJも、ついに日本からひとりもいなくなった、とすんどめは思います。
〇
ちょっと説明が必要だと思いますが、ジャズの歴史の中で、いわば「ジャズがロックだった」時代がありまして、それはやはり1930年代前後だと言っていいはずなんですね。
ロックの
連載『数学はなぜ嫌われるか』 4章「すべての問題は文章問題」
よく、こんなことを言う人がいるよな。
「計算問題は得意だけど、文章問題は苦手」
けどよ、あんたの言う「計算問題」って、つまりはどんな問題だ?
その問題を、ここで出してみてくれ。
さあ、どうだろうか。
あんたは言うかも知れねえ。たとえば、
1+1
これが計算問題に決まってるだろ、ってな。
つまり、問題にゃただ「式」だけ書いてあって、その「式」を「計算」して「答え」を出させるのが計算問題。
式以外
昔の映画にしかない「静寂」と、それに挑んだ北野武
不思議なことがある。
昔の映画にしかない「静かさ」というものが、往々にしてある。
むろん現代の映画にも静かな作品はあるし、昔の映画にもにぎやかなミュージカル・コメディなどはある。
しかし現代のどんな静かな映画も持ちえない、何とも言えない独特の静かさが、昔の静かな映画にはある。
たとえば50年代フランスのアニメーション映画『やぶにらみの暴君』を一部改変した『王と鳥』や、時代も製作国も忘れたがモノクロ