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綿毛の降り立った先で
私の一人目の親は、天才的に口先が巧かった。
奴を知る者は皆、狡猾で利己的で詐欺師の様だったと語る。
私はそんな奴のことを心から恨んでおり、奴の様な存在になりたくないという思いから、寡黙な気質になった。
私は軽口によって発生する問題は大嫌いである。
しかし血筋とは皮肉なもので、私の窮地を何度も救ってきたのは、他ならぬ土壇場での口先の巧さと狡猾さであった。
奴の血を引いている私に奴の罪を背負
雄弁は銀、沈黙は金、悠然と成るは唐辛子
雄弁は銀と言いますが、
余計な言葉も多くなります。
狡猾な猿に揚げ足を取られることもありますし、
自らが招いた災いで自滅する可能性も高くなります。
沈黙は金と言いますが、
低俗な猿は調子に乗ります。
何も言わないことを良いことに我儘な振る舞いが多くなり、
迷惑をかけられ心を乱されるのです。
ですから私は悠然不動で構え、
相手が私に失礼なことをしようものなら、
唐辛子を顔に塗るのです。
さ