隠家静研

自分で自分を救うために文章を書いてます。

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血抜き

これはあくまで私に限っての話だが、 浮ついて落ち着かない時、 様々と手をつけているようで進んでいない時、 感情的になっている時、 無駄な力が入っている時、 そう…

隠家静研
2日前

【弱者の考察】第三章「私の麻薬」

性欲は満たされても一瞬。 食欲は満たされても一瞬。 砂糖も、酒も、煙草も、満たされるのは一瞬。 音楽も、ゲームも、賭けも満たされるのは全部一瞬。 なぜなら全部麻…

隠家静研
3週間前
2

【弱者の考察】第二章 人を呪わば穴二つだから、離れて、逃げて、忘れましょう

復讐は大きなカタルシスが得られる と勘違いしている人がいる。 一時的には満たされるかもしれないが、はっきり言って労力の無駄である。 でも相手を許すことはそう簡単…

隠家静研
3週間前

綿毛の降り立った先で

私の一人目の親は、天才的に口先が巧かった。 奴を知る者は皆、狡猾で利己的で詐欺師の様だったと語る。 私はそんな奴のことを心から恨んでおり、奴の様な存在になりたく…

隠家静研
3週間前

【弱者の洞察】 一章「我慢は百害あって一利なし」

日本には我慢を美徳とする意識が深層まで染み込んでいる。 それは越冬の先に桜が花開く国ならではの感覚である。 しかし人間の精神は樹木のようには出来ていない。 タフ…

隠家静研
3週間前
3

【弱者の洞察】序章「私の抜け殻に残る足跡」

私の人生から皆さんが得られる果実は無い。 しかし、私の言葉を読めば、どの果実を食べてはいけないのかはわかるだろう。 私の文章を読んだ者が一人でもよい、同じ過ちを…

隠家静研
3週間前
2

麻酔薬

鼻とは息を吸うためのものだ 生きるために酸素を取り込む器官だ 慢性鼻炎の私にとって 世界は刺激が強すぎるから 麻痺薬で反応を止めるのだ 脳とは考え判断するためのもの…

隠家静研
3週間前
1

雄弁は銀、沈黙は金、悠然と成るは唐辛子

雄弁は銀と言いますが、 余計な言葉も多くなります。 狡猾な猿に揚げ足を取られることもありますし、 自らが招いた災いで自滅する可能性も高くなります。 沈黙は金と言い…

隠家静研
4週間前

玉砂利

人は皆、精神という名の石を持って生まれてくる。 その石種は先天性のものである。 しかし環境や思考や経験といった後天性の影響を受け、だんだんと形が変わっていくのだ…

隠家静研
4週間前
1

反抗記

私は昔の記憶がほとんどない しかし悪しき父親達は思い出せる どれも違う種類の駄目男であった 彼らは私の心に大きな傷を残し 深い呪いをかけていった しかし今の私は…

隠家静研
3か月前

思考の遠心分離

思考が巡っている時 そこにかかる遠心力を使って 冷水と汚泥を分離する 自動攪拌が始まる前に 汚泥は廃棄する 澄んだ思考は脳を巡って 私をゆっくり鎮めていく

隠家静研
3か月前
2

見え透いている

気のせいかもしれない 気にしすぎかもしれない 勘違いかもしれない そう思いたいけど仕方ない 相手の欲や痛々しさが 透けて見えてしまうのだから 洞察とも推察とも考…

隠家静研
4か月前
3

雲の性分

世の中にはまるで北風の様な人間達がいる そういう人は真正面から風圧で他者と関わる 風力で半ば強引に動かそうとするから 結果を出すのは早いけどその分敵も多くなる …

隠家静研
4か月前
4

心頭滅却

周囲で誰かが誰かに対して粘着質に言葉で詰めている 周囲で誰かが誰かに対して威圧的な言葉で詰めている まるで私が理不尽を言われているようだ 嗚呼辛い 何故そんな物…

隠家静研
4か月前
2

お化け屋敷

繊細で感受性が強い人間にとって 安息地以外の場所は お化け屋敷のようなものである 大きい音を出すお化け 突然現れるお化け 様々な手段で私を驚かせようとしてくる …

隠家静研
4か月前
1

北風と太陽

「北風と太陽」という有名な物語がある 誰もが知っている話であろう物語 私はあの物語が大好きである 大人になればなるほど いろんな人から話をされればされるほど い…

隠家静研
5か月前
5
血抜き

血抜き

これはあくまで私に限っての話だが、

浮ついて落ち着かない時、

様々と手をつけているようで進んでいない時、

感情的になっている時、

無駄な力が入っている時、

そういう時は血の気が多くなっている。

だから私は全身の力を抜いて、

心を無にして感情を無くすのだ。

そうすることで脳内の不要物が廃棄される。

これは肉体的な話になるが、

頭痛持ちの私にとって、

血管が広がり血の量が増えてい

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【弱者の考察】第三章「私の麻薬」

【弱者の考察】第三章「私の麻薬」

性欲は満たされても一瞬。

食欲は満たされても一瞬。

砂糖も、酒も、煙草も、満たされるのは一瞬。

音楽も、ゲームも、賭けも満たされるのは全部一瞬。

なぜなら全部麻薬だから。

一瞬上がってがくんと落ちる。

だから再び欲しくなる。

私はもう麻薬には頼らないし、頼りたくない。

がくんと落ちるときに吐きそうになるから。

ゆっくり焚き火を眺めて、

ゆっくり川の音を聴いて、

ゆっくり雨の音

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【弱者の考察】第二章 人を呪わば穴二つだから、離れて、逃げて、忘れましょう

【弱者の考察】第二章 人を呪わば穴二つだから、離れて、逃げて、忘れましょう

復讐は大きなカタルシスが得られる

と勘違いしている人がいる。

一時的には満たされるかもしれないが、はっきり言って労力の無駄である。

でも相手を許すことはそう簡単ではない。

ではどうすれば良いのか。

相手からとにかく離れるのである。

離れて、逃げて、忘れるのだ。

そうするだけで私たちは本当に幸せな人生を歩めるのだ。

どうしてもそれでは納得できないというのなら、それこそ離れるべきである

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綿毛の降り立った先で

綿毛の降り立った先で

私の一人目の親は、天才的に口先が巧かった。

奴を知る者は皆、狡猾で利己的で詐欺師の様だったと語る。

私はそんな奴のことを心から恨んでおり、奴の様な存在になりたくないという思いから、寡黙な気質になった。
私は軽口によって発生する問題は大嫌いである。

しかし血筋とは皮肉なもので、私の窮地を何度も救ってきたのは、他ならぬ土壇場での口先の巧さと狡猾さであった。 

奴の血を引いている私に奴の罪を背負

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【弱者の洞察】 一章「我慢は百害あって一利なし」

【弱者の洞察】 一章「我慢は百害あって一利なし」

日本には我慢を美徳とする意識が深層まで染み込んでいる。

それは越冬の先に桜が花開く国ならではの感覚である。

しかし人間の精神は樹木のようには出来ていない。

タフネスを称賛されるボクサーもパンチドランカーとなり、良くて半身不随か脳死状態、悪化すれば簡単に死に至るのである。

そしてそれは物理的なダメージに限定されるものではない。

むしろ筋肉を貫通して脳を破壊することができる精神的ストレスこそ

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【弱者の洞察】序章「私の抜け殻に残る足跡」

【弱者の洞察】序章「私の抜け殻に残る足跡」

私の人生から皆さんが得られる果実は無い。

しかし、私の言葉を読めば、どの果実を食べてはいけないのかはわかるだろう。

私の文章を読んだ者が一人でもよい、同じ過ちを犯さないでいてくれることを切に願う。

過去の私の曲がった背中を、今の皆さんが踏み台にして、できるだけ多くの足跡を残し、より高い場所の果実に手が届くことを願うばかりである。

麻酔薬

麻酔薬

鼻とは息を吸うためのものだ
生きるために酸素を取り込む器官だ
慢性鼻炎の私にとって
世界は刺激が強すぎるから
麻痺薬で反応を止めるのだ

脳とは考え判断するためのものだ
生きるために思考を巡らせる器官だ
精神疾患の私にとっては
世界は刺激が強すぎるから
阻害薬で安定させるのだ

筋肉とは動くためのものだ
伸縮して全身を操作する器官だ
不安障害の私にとって
世界は刺激が強すぎるから
弛緩薬で張りを緩

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雄弁は銀、沈黙は金、悠然と成るは唐辛子

雄弁は銀、沈黙は金、悠然と成るは唐辛子

雄弁は銀と言いますが、
余計な言葉も多くなります。

狡猾な猿に揚げ足を取られることもありますし、
自らが招いた災いで自滅する可能性も高くなります。

沈黙は金と言いますが、
低俗な猿は調子に乗ります。

何も言わないことを良いことに我儘な振る舞いが多くなり、
迷惑をかけられ心を乱されるのです。

ですから私は悠然不動で構え、
相手が私に失礼なことをしようものなら、
唐辛子を顔に塗るのです。

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玉砂利

玉砂利

人は皆、精神という名の石を持って生まれてくる。

その石種は先天性のものである。

しかし環境や思考や経験といった後天性の影響を受け、だんだんと形が変わっていくのだ。

いかに清らかな水が流れても、精神が石板の形をしていれば、石は水を跳ね返す。跳ね返された水は鉄砲水となり、周りの者を傷つける。

いかに清らかな水が流れても、精神が汚泥の形をしていれば、水は汚泥の一部となる。量を増した汚泥は周囲を汚

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反抗記

反抗記

私は昔の記憶がほとんどない

しかし悪しき父親達は思い出せる

どれも違う種類の駄目男であった

彼らは私の心に大きな傷を残し

深い呪いをかけていった

しかし今の私は違う

彼らがやっていたことを全てやらず

真っ向から反対の生き方をしてきた

あんな人間には絶対にならない

そう誓ったのだ

私は私の生き方でもって奴等の生き方を全否定し

人生を賭けて私の人生を手にしたのだ

思考の遠心分離

思考の遠心分離

思考が巡っている時

そこにかかる遠心力を使って

冷水と汚泥を分離する

自動攪拌が始まる前に

汚泥は廃棄する

澄んだ思考は脳を巡って

私をゆっくり鎮めていく

見え透いている

見え透いている

気のせいかもしれない

気にしすぎかもしれない

勘違いかもしれない

そう思いたいけど仕方ない

相手の欲や痛々しさが

透けて見えてしまうのだから

洞察とも推察とも考察とも違う

何故そんな行動をしているのか

その理由となる欲求が視えてしまう

面倒さと煩わしさと残念さがやってきて

とにかくいたたまれない気持ちになる

私は気がついていない素振りをして

そうなんですかと苦笑いで受け流す

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雲の性分

雲の性分

世の中にはまるで北風の様な人間達がいる

そういう人は真正面から風圧で他者と関わる

風力で半ば強引に動かそうとするから

結果を出すのは早いけどその分敵も多くなる

世の中にはまるで太陽の様な人間達がいる

そういう人は自然な距離から暖かさで他者と関わる

自ずと動きたくなるように促すから

結果を出すのは遅いけどその分味方も多くなる

一方私は雲である

湿度が溜まっている時に行動すると豪雨に

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心頭滅却

心頭滅却

周囲で誰かが誰かに対して粘着質に言葉で詰めている

周囲で誰かが誰かに対して威圧的な言葉で詰めている

まるで私が理不尽を言われているようだ

嗚呼辛い

何故そんな物言いなのかと

哀しみや怒りが一緒になってやってくる

だから私は心を無にしてひたすら仕事に望むのだ

心頭滅却すれば火もまた涼しとはよく言ったものだ

誰の言葉か調べたら

炎に身投げする直前に読まれた

僧侶の辞世の句ではないか

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お化け屋敷

お化け屋敷

繊細で感受性が強い人間にとって

安息地以外の場所は

お化け屋敷のようなものである

大きい音を出すお化け

突然現れるお化け

様々な手段で私を驚かせようとしてくる

しかしお化けに感情を乱されたところで

お化けに怒ったところで

お化けに苛立ったところで

お化けに意識を割いたところで

何の意味もないのだ

だから私は耳を塞いで周りを見ずに

心を無にして歩き

淡々と任務をこなして

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北風と太陽

北風と太陽

「北風と太陽」という有名な物語がある

誰もが知っている話であろう物語

私はあの物語が大好きである

大人になればなるほど

いろんな人から話をされればされるほど

いろんな人に仕事を割り振る立場になればなるほど

別の企画に一番後輩として編入して

またいろんな話をされる立場になればなるほど

人に動かされることにおいて

人に動いてもらうことにおいて

「北風と太陽」ほど

真理に近い物語は

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