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綿毛の降り立った先で

私の一人目の親は、天才的に口先が巧かった。

奴を知る者は皆、狡猾で利己的で詐欺師の様だったと語る。

私はそんな奴のことを心から恨んでおり、奴の様な存在になりたくないという思いから、寡黙な気質になった。
私は軽口によって発生する問題は大嫌いである。

しかし血筋とは皮肉なもので、私の窮地を何度も救ってきたのは、他ならぬ土壇場での口先の巧さと狡猾さであった。 

奴の血を引いている私に奴の罪を背負わされる道理はないが、生まれてくる子は親を選べなかったからこそ、この特技を手にしたのだ。

どうせならば割り切って使いたおすしかない。
割り切れるようになるまで長い時間がかかった。

全てにおいて大事なのは、これからどうするかなのである。

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