隠家静研

自分で自分を救うために文章を書いてます。

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最近の記事

反抗記

私は昔の記憶がほとんどない しかし悪しき父親達は思い出せる どれも違う種類の駄目男であった 彼らは私の心に大きな傷を残し 深い呪いをかけていった しかし今の私は違う 彼らがやっていたことを全てやらず 真っ向から反対の生き方をしてきた あんな人間には絶対にならない そう誓ったのだ 私は私の生き方でもって奴等の生き方を全否定し 人生を賭けて私の人生を手にしたのだ

    • 思考の遠心分離

      思考が巡っている時 そこにかかる遠心力を使って 冷水と汚泥を分離する 自動攪拌が始まる前に 汚泥は廃棄する 澄んだ思考は脳を巡って 私をゆっくり鎮めていく

      • 見え透いている

        気のせいかもしれない 気にしすぎかもしれない 勘違いかもしれない そう思いたいけど仕方ない 相手の欲や痛々しさが 透けて見えてしまうのだから 洞察とも推察とも考察とも違う 何故そんな行動をしているのか その理由となる欲求が視えてしまう 面倒さと煩わしさと残念さがやってきて とにかくいたたまれない気持ちになる 私は気がついていない素振りをして そうなんですかと苦笑いで受け流す 下手に乗せると止まらなくなるから 最小限の相槌でさっと仕舞って離れるのだ

        • 雲の性分

          世の中にはまるで北風の様な人間達がいる そういう人は真正面から風圧で他者と関わる 風力で半ば強引に動かそうとするから 結果を出すのは早いけどその分敵も多くなる 世の中にはまるで太陽の様な人間達がいる そういう人は自然な距離から暖かさで他者と関わる 自ずと動きたくなるように促すから 結果を出すのは遅いけどその分味方も多くなる 一方私は雲である 湿度が溜まっている時に行動すると豪雨になり 摩擦が溜まっている時に行動すると落雷になり 熱量が溜まっている時に行動

          心頭滅却

          周囲で誰かが誰かに対して粘着質に言葉で詰めている 周囲で誰かが誰かに対して威圧的な言葉で詰めている まるで私が理不尽を言われているようだ 嗚呼辛い 何故そんな物言いなのかと 哀しみや怒りが一緒になってやってくる だから私は心を無にしてひたすら仕事に望むのだ 心頭滅却すれば火もまた涼しとはよく言ったものだ 誰の言葉か調べたら 炎に身投げする直前に読まれた 僧侶の辞世の句ではないか 心と頭を滅しなければ 私は周囲の地獄に耐えられないのだ 心あるままで生き

          お化け屋敷

          繊細で感受性が強い人間にとって 安息地以外の場所は お化け屋敷のようなものである 大きい音を出すお化け 突然現れるお化け 様々な手段で私を驚かせようとしてくる しかしお化けに感情を乱されたところで お化けに怒ったところで お化けに苛立ったところで お化けに意識を割いたところで 何の意味もないのだ だから私は耳を塞いで周りを見ずに 心を無にして歩き 淡々と任務をこなして 安息地に帰るのだ

          お化け屋敷

          北風と太陽

          「北風と太陽」という有名な物語がある 誰もが知っている話であろう物語 私はあの物語が大好きである 大人になればなるほど いろんな人から話をされればされるほど いろんな人に仕事を割り振る立場になればなるほど 別の企画に一番後輩として編入して またいろんな話をされる立場になればなるほど 人に動かされることにおいて 人に動いてもらうことにおいて 「北風と太陽」ほど 真理に近い物語はないと改めて思うのだ

          北風と太陽

          絶望の向こう側で得たもの

          とてつもない鬱が襲ってきた 悲しくて堪らなくなって いつ泣き出してもおかしくなかった 今すぐにでもここから逃げ出すしかない でも本当に逃げていいのだろうか そんなことを考えながらなんとか堪えて 今日一日を生き延びた やっと仕事を終えて家に帰り 暗闇の中で休んでいると 一つの対極的思考が芽生え始めた それはとても楽天的で 根拠もないのに安楽的で でもとてもおおらかで癒しがあって 何より余裕があって心地良い考え方であった なんとかなるだろう なるよう

          絶望の向こう側で得たもの

          枯山水

          他者には何も考えず 他者には何も感じず 他者には何も思わず 放心して水気を捨て 心中を伽藍へと変え 粛々と職務を全うし 粛々と身辺を整理し 粛々と玉石を蓄えて 枯山水へと至るのだ

          『 』

          私は何も感じない だって私はからっぽだから 私は何も反応しない だって私はからっぽだから 私は何も思わない だって私はからっぽだから 私は何も考えない だって私はからっぽだから 感情もない 感覚もない 思考もない 何も思わない感じない だって私はからっぽだから と必死に言い聞かせて生きている

          感情は呪いである

          私の中に棲む鬼は 自身が必ず被害者で 正義側だと信じてる 正当性を得られると 地獄の底から這い上がり 相手が誰であろうとも 破壊しようと突き進む 私は心に棲む鬼に 何度も振り回されてきた とは言え私は心のどこかで 彼が相手を破壊するのを 楽しんでいた時もあった しかし私は今日限り 彼を斬り殺して捨てた 感情から生まれた思考は 全てが呪いに変わるのだ

          感情は呪いである

          私は脳と肉体を与えられた操縦者

          「理性意識(私)」は 「感情を生み出す脳を含む、  遺伝により与えられ環境により作られた肉体」 を与えられた操縦者なのである。 この性能、この特性は、 決して望んで与えられたものではない。 私が私の力で獲得してきたのは、 積み重ねてきた理性だけである。

          私は脳と肉体を与えられた操縦者

          不信

          結局は誰も信じられない 信じられるのは己だけ 頼れるのも己だけ 助けてくれる者などいない だから賢く隠れて逃げる他ないのだ

          夢の終わりの寂しさは

          夢の時間は終わりがある 終わりがあるから寂しくなって また体験したいと思うのだ どんなに辛い日常も 夢の時間が支えになって 頑張れるようになるのだと 妻が好きな歌手の歌を聴き なんとなく感じ取ったのだ しかし私は耐えられない 夢の終わりに耐えられない 夢が素敵であればある程 夢から醒めた時に訪れる 強烈すぎる悲しさに だから自分の心の中に 静かな島を作り上げ 森や川や山をつくって 誰も知らない森の奥地に 木造平屋の小屋を建て 独り静かに暮ら

          夢の終わりの寂しさは

          心を無にして隠れて生きる

          私が言葉を発すると 容易に全てを狂わせる 私が先回りして動くと 後から余計なものになる 私が全てを諦めて 自分の心を虚無にして ただひたすらに目の前の 仕事をこなす機械となって お金を稼ぐことだけを 考えて行動すれば 不思議と全てが上手くいく 私の細かな神経は 小さいものを受け取るけれど 私の細かな振動は 微細なものを震わせて 全ての調子を狂わせる あぁなんだやっとわかった 私はやはり隠れるべきだ 私は心を無にするべきだ 私は石になるべき

          心を無にして隠れて生きる

          過程を楽しむ

          結果を求めた瞬間に 全てはつまらなくなって 結果を得るまでの長い道が 暗い夜道に変わるのだ 結果を大事にするのではなく 過程を大事にするのでもなく 過程を味わい楽しむことが 苦行を冒険へと変えて 自分も周りも幸せにする たった一つの方法だ

          過程を楽しむ