yuki/発達に関わる理学療法士

33歳/一児の父。株式会社myl代表。児童発達支援事業を経営。脳卒中専門リハセンター、…

yuki/発達に関わる理学療法士

33歳/一児の父。株式会社myl代表。児童発達支援事業を経営。脳卒中専門リハセンター、小児領域を病院で経験。PT育成校外部講師兼任。神経系基礎分野で大学院修士号取得。子育て、発達に悩む保護者や支援者に向けて乳幼児や児童の発達や基礎知識、療育、児童通所関連の情報を発信してます。

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  • 脳Life ~歩行分析~

    このマガジンは、定期購読マガジン"脳Life"に掲載している、”脳卒中の歩行”に関する論文記事をまとめています。

記事一覧

固定された記事

”脳Life”のまとめ用note

より効率的にこのマガジンを確認できるように作成したnote記事です。 各記事に関連するキーワードを入れているため、アーカイブでもそれぞれのキーワードでnote記事を確認…

ダウン症児は運動をプログラムすることが苦手?

今回参考にした論文はこちら↓ 雑誌名:Frontiers in Human Neuroscience Impact Factor:2.9 ※内容には個人の解釈と見解が含まれます。ご理解の上、ご覧ください。 研…

運動遊びが気持ちの切り替えに与える影響

「気持ちの切り替えが苦手なんです…」 上記のように相談してくる保護者は少なくない。 気持ちの調整が難しいと、 ・お友達と仲良くすることが難しい ・日常生活で、切…

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子どもに判断させることのメリット

今回は、子どもに判断させることのメリットについて簡単にまとめます。 いわゆる、発達障害の傾向がある場合、 ・感情の調整ができない ・自分がしたい事を抑えることが…

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ダウン症児の筋力と姿勢バランスに対する等速性トレーニングの効果

今回参考にした論文はこちら↓ 雑誌名:International Journal of Rehabilitation Research Impact Factor:1.7 ※内容には個人の解釈や見解が含まれます。ご理解の上、…

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自閉症児の共同注意の確立に表情共有は必要か?

今回参考にした論文はこちら↓ 雑誌名:Current Biology Impact Factor: 9.2 ※内容には、個人的な見解と解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。 研究の概要おも…

ADHDとASDを併存する子どもに対する非薬物的介入の推奨内容10選

今回参考にした論文はこちら↓ 雑誌名:BMC Medicine Impact Factor: 9.3 ※内容には個人の見解と解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。 上記の論文では、ADHDとA…

ADHDとASDを併存する子どもに対する診療評価で重要な22の項目

今回参考にした論文はこちら↓ 雑誌名:BMC Medicine Impact Factor: 9.3 ※内容には個人の見解と解釈が含まれます。ご理解の上ごらんください。 ADHDとASDにおける診療…

自閉症児の運動障害の性質〜発達性協調運動障害との比較〜

今回参考にした論文はこちら↓ 雑誌名:Journal of Clinical and Experimental Neuropsychology Impact Factor: 2.2 ※内容には個人的な見解や解釈が含まれます。ご理解…

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発達性協調運動症の歩行パターン

発達性協調運動症の疑いがある児童では運動の拙劣さを度々経験する。 歩行の特徴として観察したく、今回参考にした論文はこちら↓ ※内容には、個人の見解や解釈が含まれ…

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低出生体重児は痛みを感じにくくなる?

現場で経験することの1つに、低出生体重児で痛みを感じにくいお子さんがいる。 保護者の方と話していても、 などと、言われる場面があります。 今回はそのような疑問点…

自閉症児は模倣動作によって動きを学習するか?

今回参考にした論文はこちら↓ 雑誌名:Autism Research Impact Factor: 4.633 ※内容には個人の見解と解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。 自閉症における模倣…

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発達性協調運動障害は運動と認知課題の負荷による影響

今回、参考にした論文はこちら↓ 雑誌名:Research in Developmental Disabilities Impact Factor: 3.0 ※内容には個人の見解や解釈が含まれます。ご理解の上ご覧くださ…

自閉症児の感覚過敏は脳で何が起こっているか?

本日参考にした論文はこちら↓ 雑誌名:JAMA Psychiatry Impact Factor:25.936 ※内容には個人の見解と解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。 感覚刺激に対する…

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ASDの感覚過敏は言語指示理解にどう影響するか

今回参考にした論文はこちら↓ 雑誌名:Developmental Cognitive Neuroscience Impact Factor:5.811 ※内容は個人的な見解と解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください…

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自閉症児における感覚過敏について ~時間分解能との関係~

今回参考にした論文はこちら↓ 雑誌名:Journal of Autism and Developmental Disorders Impact Factor:4.345 ※内容には、個人の見解や解釈が含まれます。ご理解の上ご…

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”脳Life”のまとめ用note

”脳Life”のまとめ用note

より効率的にこのマガジンを確認できるように作成したnote記事です。

各記事に関連するキーワードを入れているため、アーカイブでもそれぞれのキーワードでnote記事を確認できますが、noteマガジンの本数が増えてきたため、このnoteで記事を分野ごとにまとめることで、これまでの資料を確認しやすくしています。

では、下記からご確認ください‼︎

最新更新日:2022年2月12日

記念特別記事計4

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ダウン症児は運動をプログラムすることが苦手?

ダウン症児は運動をプログラムすることが苦手?

今回参考にした論文はこちら↓

雑誌名:Frontiers in Human Neuroscience
Impact Factor:2.9

※内容には個人の解釈と見解が含まれます。ご理解の上、ご覧ください。

研究背景

ダウン症は、実行機能の障害、言語理解力の障害、学習能力やワーキングメモリーの低下を示すことがある。

実行機能においては、目標に基づいた行動を組織化して制御する一連の高次脳機能

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運動遊びが気持ちの切り替えに与える影響

運動遊びが気持ちの切り替えに与える影響

「気持ちの切り替えが苦手なんです…」

上記のように相談してくる保護者は少なくない。

気持ちの調整が難しいと、

・お友達と仲良くすることが難しい
・日常生活で、切り替えが難しく癇癪になる

園生活や家庭生活などに影響する要因でもある。

そのような困りがある子供に対して、

「運動遊び」は非常に有効な方法の1つと思われる。

なぜ、運動遊びが効果的か?

どのような運動遊びが効果的なのか

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子どもに判断させることのメリット

子どもに判断させることのメリット

今回は、子どもに判断させることのメリットについて簡単にまとめます。

いわゆる、発達障害の傾向がある場合、

・感情の調整ができない
・自分がしたい事を抑えることができない
・行動の調整ができずに多動傾向

上記のような子供の様子は度々観察される点です。

上記のような行動が見られることから、保護者は、

「〇〇しないで!(行動を禁止する言葉掛け)」と、つい伝えてしまうことも多いと思います。

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ダウン症児の筋力と姿勢バランスに対する等速性トレーニングの効果

ダウン症児の筋力と姿勢バランスに対する等速性トレーニングの効果

今回参考にした論文はこちら↓

雑誌名:International Journal of Rehabilitation Research
Impact Factor:1.7

※内容には個人の解釈や見解が含まれます。ご理解の上、ご覧ください。

ダウン症は、21番目の染色体の全部または一部が余分に存在することによって引き起こされる染色体疾患である。

ダウン症児は、筋緊張低下や靭帯の弛緩、筋バラン

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自閉症児の共同注意の確立に表情共有は必要か?

自閉症児の共同注意の確立に表情共有は必要か?

今回参考にした論文はこちら↓

雑誌名:Current Biology

Impact Factor: 9.2

※内容には、個人的な見解と解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。

研究の概要おもちゃで遊んでいる間に、保護者と子供の視線追跡をして、まずは子供と親がお互いの顔を見つめる割合を定量化した。

次に、共同注意に関係なく、2人組のメンバーが同じおもちゃを同時に見た瞬間の共同注意の割合と

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ADHDとASDを併存する子どもに対する非薬物的介入の推奨内容10選

ADHDとASDを併存する子どもに対する非薬物的介入の推奨内容10選

今回参考にした論文はこちら↓

雑誌名:BMC Medicine
Impact Factor: 9.3

※内容には個人の見解と解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。

上記の論文では、ADHDとASDにおける診療の評価について、英国のADHDパートナーシップ(UKAP)が、多領域の専門家を集め、さまざまな視点から会議が行われ、

今回は、「ADHDとASDの併存する子どもに対する非薬物的介入

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ADHDとASDを併存する子どもに対する診療評価で重要な22の項目

ADHDとASDを併存する子どもに対する診療評価で重要な22の項目

今回参考にした論文はこちら↓

雑誌名:BMC Medicine
Impact Factor: 9.3

※内容には個人の見解と解釈が含まれます。ご理解の上ごらんください。

ADHDとASDにおける診療の評価について、英国のADHDパートナーシップ(UKAP)が、多領域の専門家を集め、さまざまな視点から会議が行われて、まとめられた結果を以下に示す。

発達性協調運動症の歩行パターン

発達性協調運動症の歩行パターン

発達性協調運動症の疑いがある児童では運動の拙劣さを度々経験する。

歩行の特徴として観察したく、今回参考にした論文はこちら↓

※内容には、個人の見解や解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。

では、早速内容に入ります。

DCDの歩行について

発達性協調運動症(以下、DCD)の子供達は知的障害や特定な身体的・神経的な障害がないにも関わらず、巧緻性や粗大運動が困難であることを特徴とする。

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低出生体重児は痛みを感じにくくなる?

低出生体重児は痛みを感じにくくなる?

現場で経験することの1つに、低出生体重児で痛みを感じにくいお子さんがいる。

保護者の方と話していても、

などと、言われる場面があります。

今回はそのような疑問点に対して、以下のような論文を確認してみました。

今回、参考にした論文はこちら↓

雑誌名:The Journal of Pain
IF:5.6(2022,5year)

※内容には個人的な見解が含まれます。ご理解の上、ご覧ください。

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自閉症児は模倣動作によって動きを学習するか?

自閉症児は模倣動作によって動きを学習するか?

今回参考にした論文はこちら↓

雑誌名:Autism Research
Impact Factor: 4.633

※内容には個人の見解と解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。

自閉症における模倣動作

模倣動作は、スキルが環境との相互作用から学習されるプロセスの1つである。

模倣能力の障害は少なくとも1970年代から自閉症児で報告されている。

模倣による学習障害が自閉症に伴う運動技能だ

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発達性協調運動障害は運動と認知課題の負荷による影響

発達性協調運動障害は運動と認知課題の負荷による影響

今回、参考にした論文はこちら↓

雑誌名:Research in Developmental Disabilities
Impact Factor: 3.0

※内容には個人の見解や解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。

DCD児への運動課題と認知課題による影響

定型発達児と比較して、運動障害や認知障害のある子どもでは運動機能と認知機能が強く相関性があることが報告されている。

発達性協調

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自閉症児の感覚過敏は脳で何が起こっているか?

自閉症児の感覚過敏は脳で何が起こっているか?

本日参考にした論文はこちら↓

雑誌名:JAMA Psychiatry
Impact Factor:25.936

※内容には個人の見解と解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。

感覚刺激に対する過剰な反応は自閉症スペクトラム症(以下,ASD)によく見られる症状である。

最近になって、DSM-5(※)にも診断基準の1つとしても追加されている。

ASD児の少なくとも56〜70%は感覚過敏(S

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ASDの感覚過敏は言語指示理解にどう影響するか

ASDの感覚過敏は言語指示理解にどう影響するか

今回参考にした論文はこちら↓

雑誌名:Developmental Cognitive Neuroscience
Impact Factor:5.811

※内容は個人的な見解と解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。

自閉症の感覚過敏

感覚過敏(以下,SOR)は予期せぬ音や触られるなどの刺激に極端に過敏に反応する障害像である。

感覚過敏は、自閉症によくみられる所見であり(約56~70%と

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自閉症児における感覚過敏について ~時間分解能との関係~

自閉症児における感覚過敏について ~時間分解能との関係~

今回参考にした論文はこちら↓

雑誌名:Journal of Autism and Developmental Disorders
Impact Factor:4.345

※内容には、個人の見解や解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。

自閉症の過敏さについて

自閉症は、社会的コミュニケーションに障害を示すだけでなく、感覚過敏も特徴の1つとされている。

この特徴についてはDSM-5(精神

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