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発達性協調運動症の歩行パターン


発達性協調運動症の疑いがある児童では運動の拙劣さを度々経験する。

歩行の特徴として観察したく、今回参考にした論文はこちら↓

雑誌名:Experimental Brain Research
Impact Factor:2.0

※内容には、個人の見解や解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。



では、早速内容に入ります。




DCDの歩行について


発達性協調運動症(以下、DCD)の子供達は知的障害や特定な身体的・神経的な障害がないにも関わらず、巧緻性や粗大運動が困難であることを特徴とする。

通常、問題とされやすいことは書字動作、靴紐を結ぶこと、チームスポーツに参加すること、自転車に乗る、縄跳びやスキップなどもこれに含まれる。


DCDに関する研究者の中では、定型発達児とは異なる歩きのパターンをしているとコメントすることが多い。


さらに、DCD児では、歩行がぎこちなく、頻繁につまずいたり、通路の物にぶつかったりすることが報告されている。


それにも関わらず、歩行の分析が行われた研究は少ない。


Rosengrenらの研究では、DCD児は歩行中の左右の運動パターンにばらつきがあることを報告している。

しかし、この研究では歩行パターンの全ての側面による影響か、その一部が観察されただけなのかを十分に解釈することが難しかった。


今回の研究では、

・歩行の特徴(歩幅、両脚支持期、歩行速度)
・体幹の動き(速度や加速度の違い)

などを、DCD児7〜12歳の児童、12〜17歳の児童の2つのグループで、年齢を合わせた定型発達児の歩行と比較して評価をしている。


研究の結果


DCD児では、同年齢の子供と比べて、歩幅が長く、両脚支持期時間、歩幅のばらつきが大きいことが示された。


歩幅の拡大は、動的バランスの難しさに繋がっているかもしれない。


これを証明する証拠として、Deconinckらの研究で、DCD児は

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