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お写真を使ってくれたnote

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みんなのライブラリにupした私の写真を使ってくださったnoteをまとめています。
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#小説

遠距離とカレンダーと初夏

遠距離とカレンダーと初夏

「19、18、17、16...」
日付を指折り数えた。君に会えるまであと2週間ちょっと。カレンダーが教えてくれた。よしっ。握った拳に、わずかに力が入る。

「目に見えるところにあったほうが、きっと次に会えるのがもっと楽しみになるよ」。
君がくれたのは、壁掛けの大きいカレンダーだ。1ヶ月ごとにめくるシンプルなもので、僕の部屋によく馴染む。
パートナーと呼べる関係になってから、もう1年ほど経つだろうか

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【詩】風薫る

【詩】風薫る

蝶々が薫風のなか
花咲く絨毯の上を
優雅に舞う

あの人が私の姿を
見つけて追いかける

花の匂いが私を抱く

蝶々は私が歩く後ろを追いかける

しゃがんで四つ葉のクローバーを
目を凝らして探す
一つ見つけて私のため
二つ見つけてあなたのため

いつも座る日の当たる
リビングの椅子は
陽の光だけが当たっている

今日はお休み
いなくなったわけではなく
不在にしているだけ

窓を開けて気持ちのいい風

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【ショートショート】消極的な告白

【ショートショート】消極的な告白

 俺は23歳になる今まで、彼女がいたことがない。
 正確には、彼女を作ったことがない。
 告白されたことはあるんだ。3回は。中学の時に1回。高校の時に2回。
 でも、どれも直接ではなくて、「○○さんが立石君のこと好きだってよ」という、代理の女友達からの伝言的な、消極的な告白。
 その場に当の本人がいなかった時もあるし、いても物陰から様子を見ていたり、離れたところで俯いていたりで、直接言われたことは

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バレンタインのチョコを早めに会社へ

バレンタインのチョコを早めに会社へ

はい、雪で会社に行けない、なんてこともあるわけです。
土曜日なら電車も空いています。今運ばなくて、どうする❗️

お菓子屋さんは大きな袋をくれなかったのです。だから、ダイソーで買うはめに。そこへフリマでゲットしたモフサンドのかわいい❤️かわいいタリーズコラボのポストイットです🎵

さて、こっそり渡せました。結構あっさり喜んでくれました。これで大手を振って妻子に「ほら、お父さんはこんなに慕

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今寝てもいいよ / よしもとばなな『なんくるない』

今寝てもいいよ / よしもとばなな『なんくるない』

私は、読書家と言えるほど本を多く読んではいないけれど、「好きな作家は?」と聞かれたら「よしもとばなな」と答える。

まだこれまでの作品全部は読めていないし、出版年もバラバラに、生活の中のスキマ時間でマイペースに色々読んでいる最中なので、誰かに語れるほど作品と作家の歴史や背景までは知らない。よしもとばななだけでなく、正直どの作家についてもそんな感じであまり詳しくない。

そんな私でも自信を持って説明

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【短編小説】選択したのは…?

【短編小説】選択したのは…?

妖精とか、そんなものそんなもの信じてなかったというか…

今でも正直信じられていない

けれども、信じられずを得なくなった。この状況

急に聞こえるようになったのだ
妖精の声が

私が友達とファーストフード店で話しているときの事

私はいつもメニューを決められない

周りに合わせてしまうって言ったらいいのだろうか

みんなが選んでいたからついて私もチーズバーガーを選んだ

自分の意見を持つと言うこ

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女の子にはそういう夜がある

女の子にはそういう夜がある

夢の中で数年ぶりにあの人に会って、目が覚めたら涙で枕が濡れていた。
別にあの頃に戻りたいとかじゃないけど、懐かしさと切なさに胸が苦しくなって朝食をスキップする。
女の子にはそういう朝がある。

それでも満員電車に乗って出社して、お昼に同僚の女の子とペペロンチーノを食べたりする。
食後にカフェラテをテイクアウトして午後の仕事もそれなりに頑張る。
会社帰りに最近いい感じの男と中華を食べに行く。
白いブ

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カフェサラダボウルオープン

カフェサラダボウルオープン

告知、カフェサラダボウルオープンのお知らせ、8月30日10:30~11:30、9月2日、三島泉町9-18サラダボウル1階にて、ドリンク、カキ氷無料です、ハンドメイド雑貨や焼き芋など販売いたします。マッサージチェアもご利用いただけますお子様連れでこぞって参加ください、個人の参加も受け付けております。

【詩】記憶

【詩】記憶

手を広げて
漆黒を彷徨う

ここがどこなのか
どこから来たのか
これからどこに行くのか

目を開けても
目を閉じても
何も変わりはしない

人差し指に触れる
冷たい感触

ゆっくりと確かめながら
握る丸い物体

ドアノブだとわかると
回してドアを開ける

光の点滅の中で見える
その先

私は寝ている
何もかも終わったように
寝ている

周りにいる家族たち
孫がおじいちゃんと
声をかけるが
私は返答

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No title.

No title.

朝日の眩しさに目を覚ますと、まだ隣で気持ち良さそうに眠る彼に目を向けた。遅くなるから行かないなんて言っていても結局、深夜にやって来てはこうして目覚めると必ず隣で眠ってる。

「寂しいなら素直に来たらいいのに」

まだ一緒に住んでないものの、この状態は半同棲なのかもしれない。そんなことを思いながら隣でぐっすり眠る彼を起こさない声音で呟くと、汗で少しベタつく彼の柔らかい頬を突いてみた。

「んー、なに

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団地の花子さんと死にたい死神くんの人生実況解説動画 第20話

団地の花子さんと死にたい死神くんの人生実況解説動画 第20話

 ちなみに、橋元くんは前々から私の誕生日を知っていた様子。
 
 地元の駅で橋元くんと別れてから、その口の軽い相手に『なんで人の誕生日漏らすかな』とメールすると、『来週の土日は予定空けておいてねー』とトンチンカンの即レスが返ってきた。

 もう知らん。勝手にしろっ!

 誰もいない静かすぎる家に帰り、私はそのままお布団にダイブする。電気も着けない。だって、余計に寂しくなるだけだもん。

 うん……

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カップ麺【140字小説】

カップ麺【140字小説】

「カップ麺買ってきたよー」
「おー」
「知ってる? カップヌードルの味噌味って、発売してすぐに売れすぎて販売休止になったんだよ」
「へー」
「しかも最近大幅リニューアルされたの!」
「凄いな。美味くなったってことか」
「そうそう」
「じゃー、おれカップヌードルの味噌で!」
「え? 買ってないよ」

<お知らせ>
私が書いた短編小説です。
AmazonUnlimitedの会員なら、追加料金なしで読め

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【詩】終わりのない

【詩】終わりのない

朝日

星空

孤独

忍耐

強さ

あなたの愛

未完

絶望

堕落

羨望

取るに足らない

温和

正直

静寂

風雅

常に近く

最初

続く

愛情

天国

赦し

普遍

どこまでも

完璧な愛の中

終わりのない

愛の中

Touch my heart

Heal my heart

【一日一詩】 今は白い

【一日一詩】 今は白い

無垢な心もいつしかは
何かの色に染まるもの

それがいつのことか
何によって色づけられるのか
誰も知らないわからない

白いものは白に染まりたいと
願うのは白でないものの勝手

無垢な白はいまだけで
何の色にもなれるのに