瑳月 友(さづき ゆう)

第3回『THE NEW COOL NOTER賞』エッセイ部門特別賞受賞。不定期に小説・…

瑳月 友(さづき ゆう)

第3回『THE NEW COOL NOTER賞』エッセイ部門特別賞受賞。不定期に小説・詩・短歌・エッセイ投稿。非フォロバ100%。 http://radius7.blue.coocan.jp/ http://radius7.blue.coocan.jp/moon.html

マガジン

最近の記事

【詩】雫

ハートウォーミングなテレビ番組 愉快なシーンで声を上げて笑い 心揺さぶられるシーンで感涙にむせぶ それは無意識にしていたこと ドアを開けた別室の君を 気にもせずに 君は微笑みながら言う 「笑ったり泣いたりできる 素敵な番組に出会えてよかったね」 心が温かくなる 同時に気づかされる 君の存在を意識せずにいたことに それは10歳になるかならないかの頃 アニメ番組のストーリーに心打たれ 涙を流しながら噛み締める余韻 そんな私を見て母は嗤った 「なんね、あんた泣きよっとね」と 子

    • 【掌編小説】ロボットに宿る心

       「高橋さん、お疲れさまでした。また明日」  「はい、お疲れさま~」  「リーさん、お疲れさまでした。また明後日に」  「はい、あなたもお疲れさま」  17時15分を過ぎたスタッフルーム。  退勤して行く同僚に挨拶しているのは人間ではない。ロボットだ。  この国の労働人口の減少が懸念されるようになり、特に介護の分野において、それ以前からの深刻な人手不足への対応が急務となった。  研修を受けた外国人を積極的に雇用するだけでは足りないこともあり、介護用ロボットの導入が進められた

      • 【短歌エッセイ】テレビ体操

         3月末で前職を離職して、自宅で過ごす日が増えた。  それに従って少しずつ体重が増えて来た。  前職では通勤時間が片道1時間半かかっていた。その内徒歩だけで35分間だ。往復なら徒歩1時間10分になる。かなり歩いている感覚だった。  それでも、歩くことによって特に体重が減るということはなかった。今思えば、食べることと併せてプラスマイナス0だったのだろう。  つまり、離職によって徒歩分のマイナスがなくなったことで、食べる分のプラスが相殺されなくなったのだ。  体重増加は0.6k

        • お知らせ(2024/4/15)

           4月1日に、うれしいお知らせが届きました。   「次の空へ」に対するお知らせでした。  みなさんからスキをいただいた結果です。  ありがとうございます。  更に4月8日と本日4月15日に、うれしいお知らせが届きました。   「またいつかどこかで」に対するお知らせでした。  1つの記事について2週に渡ってお知らせをいただくのは初めてで、驚きましたが嬉しかったです。  みなさんからスキをいただいた結果です。  ありがとうございます。  3月30日に、妹と姪が自宅に遊

        マガジン

        • 43本
        • 小説
          46本
        • 短歌エッセイ
          50本
        • 短歌
          25本
        • 雑記
          32本
        • エッセイ
          4本

        記事

          【短歌】花曇りの日に

           4月2日にパートナーと、地元の熊本城近くの公園に花見に行って来ました。  その時の写真11枚(見出し画像+10枚)と短歌2首、返歌1首です。 緩やかに 舞い散る桜 見上げつつ             二人の幸も 穏やかに満つ 満開の 桜の下で 行く春を                 君と味わう 卯月の風に はらはらと 舞うさくらばな 曇りの日         空は見えねど うつくしきかな (返歌) 雨続き 散り去る前の 幸運に           花曇りでも 美し

          【短歌】花曇りの日に

          またいつかどこかで

           「次の空へ」の記事に記したように、3月末での退職を決めた私に対して、3月20日の祝日に、他県の関連施設へ異動になる方と併せて、所属部署で送別会が行われました。  退職する私1人のためだったら辞退しようかと思っていましたが、併せてとなると余計な発言は控えるべきであり、ありがたく参加しました。  育児休業中の同僚、そして同じく育児休業中の前任者である同僚も、連絡を受けて参加してくれました。  雰囲気のいいフレンチのカフェでランチをいただきました。料理もデザートも飲み物も、とて

          次の空へ

           「長きブランクの果てに」という記事に記したように、昨年2月より長く離れていた職種に復帰して勤めていました。  仕事は、「【短歌エッセイ】無我夢中の日々に足を止めて」に記したように、充実したものでした。  「お知らせ(2023/10/23)」に記したように、事情により通勤手段が変わり、徒歩移動の時間が増えました。このスタイルで持続可能なのかどうか、という懸念はありながらも通勤を続けていました。  ところが、1月下旬に帰路を歩行中、わずかな段差に足を引っかけて転倒し、膝に

          【詩】迷宮

          松明の灯りを掲げながら歩く暗い通路 響く自身の足音が不安を掻き立てる 自分は何者なのか どこへ向かって進むべきなのか 十字路で迷って立ち止まり 採るべき選択肢に悩む 地図を見ながら確認する現在位置 進む先は行き止まりで引き返さざるを得ない 何でもできそうな気がしていたのに 今は何もできないかもしれないとさえ思う 蝕まれて行く自己肯定感 自信も右肩下がりだ 階段を下りたところにある小さな部屋 閉ざされた扉と古の文字が記された石板 自分はどう生きたいのか 本当に失い

          お知らせ(2024/3/11)

           3月8日に、note公式マガジン「#小説 記事まとめ」に「【掌編小説】勘違い」という記事が選ばれた、というお知らせが届きました。   上記のnote公式マガジンに、下記の私の記事が登録されています。  note公式スタッフの方、選んでいただきありがとうございます。  そして今日3月11日に、うれしいお知らせが届きました。   同じく「【掌編小説】勘違い」に対するお知らせでした。  みなさんからスキをいただいた結果です。  ありがとうございます。  上記のように、

          【掌編小説】勘違い

           密かに好意を寄せている人から、バレンタインデーにチョコレートをもらったら、大抵の人は大喜びするだろう。  僕もその点に関して半分は同意する。  あと半分は……疑いを持つ。どの程度の気持ちなのか、と。  と言うのも、僕がもらったのは明らかに義理チョコっぽいものだったのだ。  谷口弥生さんは、僕が勤める会社の2年後輩で、隣りの部署に所属している。  笑顔がかわいらしく誰にでも親切で、多くの同僚から慕われている。  “堅物眼鏡”と揶揄される僕にも、丁寧な物腰ながら親しく話しかけ

          有料
          400

          【短歌】次へ

          梅の枝 空指すごとく 真上へと             伸びて背を押す 次へ進めと  「次」の意味するところは、またの機会に。  最後まで読んでいただきありがとうございました。  よかったら「スキ」→「フォロー」していただけると嬉しいです。  コメントにて感想をいただけたらとても喜びます。

          note2年半~3年での高スキ率記事ベスト4

           noteを始めて3年が経ちました。  note2年半以降これまでの全投稿記事26本について、スキ数を閲覧(ビュー)数で割った数、スキ率を出しましたので、スキ率の高かった記事、ベスト4を発表します。  第4位は「【掌編小説】好きかもしれない」です。スキ率は23.4%でした。  若い男性が若い女性に「俺、〇〇ちゃんのこと、好きかも……」と言い、言われた方もドキドキほわわんとしている。以前テレビで見たそんなシーンが記憶に残っていたのが、この作品を執筆したきっかけです。  私とし

          note2年半~3年での高スキ率記事ベスト4

          【短歌エッセイ】移り変わるバレンタイン事情

          今年また 会社でチロル ゲットする?        それも楽しき バレンタインかな  約2年前に投稿した上記の記事にも記したが、この短歌を作った2002年当時の私は、ネット上での会話を楽しむチャットルームにほぼ毎晩出入りしていた。  文字だけを使った他愛のないやり取りながらも、同じ顔ぶれによって時間を共有し、繰り返される交流を楽しんでいた。  そのチャットルームでバレンタインデーの話題になった時、「毎年もらえるのは義理チョコばかりだ」と言っている人の中で、「毎年会社でチロル

          【短歌エッセイ】移り変わるバレンタイン事情

          お知らせ(2024/2/5)

           1月22日に、うれしいお知らせが届きました。   「【掌編小説】空いていながら座れない座席」に対するお知らせでした。  みなさんからスキをいただいた結果です。  ありがとうございます。  今、ちょっとした岐路に立っています。  流れとしては決断する時期に来ているんだろうな、と思いながらも、そのためにはエネルギーが必要であり、心の準備もしていなかったので、まだ決断できないでいます。  どうしたものか、頭の痛いところです。  いつか記事にしそうな気はしますが、今はまだこの

          【詩】コインの裏

          家へと向かう夕暮れの小道 ちょっとした段差に気づかないまま 足を引っかけて前のめり 投げ出された体は 膝を打ちつけ手の平で止められず 頭から突っ込み頬を打って倒れた 猛獣の牙に咬まれたような激痛に 膝を抱えてしゃがみ込む 頬も痛いがとにかく膝が痛い 溢れ出す血で服が赤く滲むのを眺めながら どうするべきか考える 助けを呼ぶべきか? しかし…… この場所の地理には明るくない 助けを求めたとして ここがどこかを説明できる自信がない 痛みで頭が回らない 地図を開くということを思い

          フォロー整理を行います(2024/2/18予定)

           2021年2月18日に初投稿して以降、2年11ヶ月が過ぎました。  フォロワーのみなさんには、いつもスキやコメントで支えていただき、ありがとうごいます。  私が相互フォローしている方のほとんどは、フォローしていただいた方にこちらからフォローバックしたものです。  フォローしていただくだけでもありがたいとは思います。  ただ、お互いの記事を読み合い「スキ」をし合う等の交流が絶え、長くて11ヶ月短くて5ヶ月以上の期間、何の音沙汰もない方が、私がフォローバックした相互フォロー

          フォロー整理を行います(2024/2/18予定)