【掌編小説】空いていながら座れない座席
夕方の駅は通勤通学の人で混雑していた。高校への通学で電車を利用している僕もその中の1人だ。
普段電車に乗ると、多くの人が座れるように、小さな子供は膝の上に乗せ、荷物は棚の上に載せるよう呼びかけるアナウンスが流れる。
概ねアナウンスに従っている乗客が多いものの、中には気にしていないと感じられる人もいる。
大股を広げて座り1人で2席分使っている男性。手荷物のバッグを隣りの席に置き1人で2席分使っている女性。
そして割と多いのが、ゆったりと座ることで3割くらい隣りの席には