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最近のこと

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最近のことをエッセイ風に。
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#雑記

たかこに行こう。(仮最終更新)

たかこに行こう。(仮最終更新)

いと、から、たかこ、になって約二週間。
この十四日のあいだにnoteの新しいアカウントを作り、ほぼそちらに移行したかたちで更新していました。
そろそろ頃あいかな、ということで、この記事をもって、こちらのアカウントの更新をいったん停止します。

*

せっかくなのでちょっとふりかえってみたい。

二〇二〇年の九月末にnoteをはじめたとき、結構いろんなことがあった直後だった。
ちょっと思いつめすぎて

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ひかり咲く部屋

ひかり咲く部屋

朽ちたものが好きだ、と書いた日があった。
昨年末。引っ越し先をどんなに探しても見つけることができずにいたころ。
やれることはやり尽くしてしまい、もう私にできることは何も残っていなかった。
ならばすべてをいったん放り出してみようと思った。
やるべきことより、やりたいことを。
そう決めこんで、引っ越しとは何の関係もないところに向かった。
秋葉原のガンダムカフェ。そのグッズコーナーで手に入るスノードーム

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本棚の前を

本棚の前を

昨日に引き続き本棚の話。
何故なら今日も朝から晩まで本の山とたわむれていたから。そしてすこぶる疲れているから。

結論を先に書くと、私の本棚が完成した。

これが私の本棚。

物質としての本棚は無印良品の商品だが、どうも廃盤になってしまったらしい。十年以上まえに買って何とか自分で組み立てたものだ。

私の本棚、というのは、そういうことではもちろんない。
どんな本がどんなふうに納められているか、どう

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本棚とともに

本棚とともに

引っ越ししてきてから一ヶ月にしてようやく室内の生活区域がほぼ片づいた。
というわけで、今日は本棚の整理を再開。
この作業そのものは引っ越しの直後に着手していたのだけれど、それは本の入った段ボールを開けていかないと家具の配置もままならなかったからだ。三日ほどでいったん区切りをつけたところの続きに、今日、取りかかったことになる。

生活をする上でとくだん必要のないことをできるだけの余裕が生まれた。

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至言の体現

至言の体現

引っ越してきて、今日で一ヶ月。
といっても、荷物を二日に分けて運んだこともあって、ちょうど一ヶ月という気は、なんだかしない。
でも、はじめて自分で玄関の鍵を開けて、カーテンも雨戸も窓も開けて、ガスや電気を通して、夜になったら寝て、ということをしたのは、確かに一ヶ月まえだ。

この三十日間、これはこれで山あり谷ありだったなと思う。
途中でどうやら引っ越しうつとやらになり、一週間ほど寝こんだりもした。

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百円たわわ

百円たわわ

区役所に出陣しがてら、噂でしか知らないCoCo壱番屋でカレーを貪るそのついでに、百均ショップに詣でてきた。

この市に引っ越してきたのが、先月の二十一日。それ以来、寝こんでいた時期もあったため、まともに外に出たのはほんとうに久しぶりのことだった。
理想の中の私は引っ越して一週間もしたら自転車に乗り駅までの道を探検するはずだったのに、現実は一ヶ月ちかくが経ってもタクシーを利用するていたらく。
そんな

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なまりは水面をゆく。

なまりは水面をゆく。

公園まで犬にエサをやりに行くんだけど、君も来るかい?

高校二年の、八月のおわり。
部屋の片づけをしていたところへホストファザーがやってきて、そう尋ねた。

イギリスへの留学はホームステイも兼ねていた。私の受け入れ先はなかなか決まらず、七月なかばから寮で研修を受けながら不安まじりにそわそわしていたから、中部にある若い夫婦と赤ちゃんの家庭に行くことになったと正式な通知を受けたときは、とにかくほっとし

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闇に備える照明書

闇に備える照明書

愛情って何だろう。
この退屈な疑問にきっと答えは出ないだろう。

「愛情がまったくない」

引っ越しをした日の午後。まだテーブルも広げていない部屋で、何でも屋さんがそう言った。私の甘ったれた依頼のもと、新しいキャットタワーを組み立ててくれながら。
他の業者さんはもう帰っていた。代表であるその方だけが残り、事前にお願いしたいくつかのことをこなしつつ、何でも屋さんならではのいろいろな逸話を聞かせてくれ

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馬鹿の名前

馬鹿の名前

引っ越しハイかもしれない。
つい先日まで「引っ越しうつだ」と寝こんでいたのが嘘のように朝から晩まで片づけをしている。
この極端な性格、どうにかならないものだろうか。
しかも先週はかなりの時間を睡眠にも費やせていたのに、今はやや不眠気味である。
おかげで部屋もだいぶ片づいてきたし、外界とも接触をとって今ある問題の解決にも向かえているのだけれど、これが一段落したらまた糸が切れそうで怖い。

なにごとも

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いるものの色は

いるものの色は

先月。築八十年の家を出る直前のこと。

「この箱の中、必要なものありますか」

引っ越しを手伝ってくれている何でも屋さんが、古い段ボール箱の口を広げつつ差し出してきた。
私は一瞥してから、押し入れの下にあったものですよね、そう聞き返すと、女性業者さんが首を縦に振った。

「じゃあ、ぜんぶ捨ててください」

業者さんはもう一度だけうなずいて、いったん箱を畳に置いた。
長年、タンスに隠れていた場所と比

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ゼロとイチのこれから

ゼロとイチのこれから

移動は人を成長させる。
真剣に武器を操り敵を打ち倒していくうちにふと気づいた。
タイミングをはかり、距離をとり、冷静に適切なボタンを渾身の力をこめて、押す。

「ちょっと何で!?」
「押した!押したよ!ちゃんと〇ボタン押したのにあーもう!」

残酷にもゲームオーバーを告げる画面に向かって叫ぶこともある。一昨年だったか、一度だけあまりにもできないものだからコントローラーを投げたことさえあったものだ。

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軽々と移動していく聖域

軽々と移動していく聖域

サンクチュアリ。

まさかその単語を口にする日が来ようとは。しかも、市役所で。
テーブルの向こうで、職員の方々がきょとんとしている。
無理もないことだろう。日本で、サンクチュアリなんて。

でも私はふいにぱっと視界が開けたような、暗がりからようやく這いずり出て光を浴びたような、そんなこころもちで、どんどんと先へ進んでしまった。

そうだ。私にはサンクチュアリがあるんです。忘れてました。あそこなら、

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悪魔の子と私は決して出会わない。

悪魔の子と私は決して出会わない。

何か嫌なものごとを嫌でなくするために、私がとる方法のひとつに、こんなことがある。

たとえば、ある人のあることばに傷つけられたとする。
その人はそのとき、赤い色の服を着ていた。
嫌だったことばの中にある単語や、赤い色を目にすると、反射的にそのつらかった思い出が頭に浮かんでしまう。
だからできるものなら避けて通りたい。
でも、標準的な日本語や、赤色を徹底的に排除して生きることは、ほぼ不可能。

なら

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「なんで?」の角にぶつかって

「なんで?」の角にぶつかって

私は豆腐が嫌いだ。
豆腐だけはどうしても食べられない。

逆に言うと豆腐以外に食べられないものは特にない。

ちょっとぐらいの汚れものならば残さずにぜんぶ食べてやる。
おお豆腐。君はダメ。
真実を握りし……めてないと良いな。豆腐の真実なんて知りたくもない。

こうしてキーボードに touhu と叩きつけるのもあまり気が進まない。
その程度には豆腐が嫌いである。

この私のアンチ豆腐っぷりを見て人は

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