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歴史考察

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歴史について考察した記事をまとめています。
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2024年6月の記事一覧

スタバのNOWと、ビフォー/アフター

スタバのNOWと、ビフォー/アフター

スターバックスコーヒー、略してスタバ!

読者の皆様もコーヒー、あるいは
キャラメルフラペチーノなどを
召しあがったことがあるのでは?
「スタバ、なう」などの
X記事でもお馴染みですよね。

…スタバについて、いま、
私たちは何を思い浮かべるでしょう?

プチ贅沢気分のコーヒー店…。
サードプレイスの居心地…。
地方なのに何だか都会…。
各人それぞれの思い出により、
抱く感傷もまたスペシャリティ。

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魅力と魔力のブラジルコーヒー

魅力と魔力のブラジルコーヒー

「コーヒー大国」ブラジル!

いやいや、そんなことは、ない。

ブラジルでコーヒーがつくられ始めたのは
1727年、18世紀になってから。
まだ約300年ほどの歴史。
それ以前、ブラジルの地には、
一本のコーヒーの木もありませんでした。
なのに現在は、堂々たるコーヒー大国。

どこだと思いますか?
本記事ではコーヒーの歴史を書きます。
ぜひ、コーヒーを片手に
お読みいただけましたら嬉しいです!

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ポルトガルがもたらしたカボチャ

ポルトガルがもたらしたカボチャ

カボチャは、カンボジアから来ました。

こんな感じで、普及する中でなまって
カボチャ、と呼ばれたそうです。

一説によると1548年、
豊後国(今の大分県)を治めていた
大友宗麟という大名の下に、
ポルトガル人が来航して貿易開始。
その際に献じられたのが、
シャム(タイ)の東の国、
カンボージャ産のカボチャだったとか…。

ということは、もしこの時の野菜が
シャム(タイ)産だったら?
シャム、と呼

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ジャガイモが動かす世界 ~アンデスから月面まで~

ジャガイモが動かす世界 ~アンデスから月面まで~

ジャガタラのイモ、略してジャガイモ!
庶民の味方、ジャガイモは
江戸時代前後に日本へやって来ました。

出身はアンデス、南アメリカ。
経由はジャガタラ、今のジャカルタ。

…しかしカボチャやサツマイモと違い、
淡泊な味のジャガイモ栽培は
江戸時代の日本ではそこまで広がりません。
本格的に栽培されたのは、明治時代です。

「いも判官」とも呼ばれた
湯地定基(ゆちさだもと)は
クラーク博士の下で農業を

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ヌサンタラ ~島々の間で調和と協力を~

ヌサンタラ ~島々の間で調和と協力を~

インドネシアの首都は「ヌサンタラ」?!

そう思われましたか?

実は、インドネシア政府は
首都を「ジャカルタ」から
「ヌサンタラ」へと移転することを
2021年に閣議決定しているのです。

本記事ではインドネシアの新首都予定地、
ヌサンタラについて書いてみます。

Nusantara。

nusa(島々)とantara(~の間)が
合わさった複合語です。
「島々の間の調和の取れた協力関係」の意味

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インドネシアと南海の女王

インドネシアと南海の女王

海岸に緑色の服を着ていってはいけない…。

そんな言い伝えが
インドネシアの南の海岸にはあるそうです。
「ニャイ・ロロ・キドゥルの伝説」。

直訳すれば「南の(海の)女王様」です。
彼女の好きな色は緑色。

海岸で緑色の服を見つけると、
この女王は「自分の召使い」と思ったり、
「マイカラーを使われて嫉妬」したりして、
海にひきずりこむ、と言われています。
ジャワ島の南部、インド洋の海岸で
緑色の服

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コロンブスとラス・カサスの毀誉褒貶

コロンブスとラス・カサスの毀誉褒貶

「大航海時代」を経てスペインは、
「日の没することのない国」となります。

1492年「イヨクニ燃えるコロンブス」の、
新大陸の発見(前からそこにあったのですが)。
1519年「みんなイゴイク世界一周」の、
マゼラン(の部下)による世界一周。

1521年、メキシコのアステカ王国滅亡。
1533年、アンデスのインカ帝国滅亡。
1571年、フィリピンを支配。

日本にも訪れます。

1549年「イゴ

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離合集散の時代 ~室町・大正・令和の共通点~

離合集散の時代 ~室町・大正・令和の共通点~

室町時代、大正時代、令和時代。
比較的自由で混沌とした時代…
と言えるかもしれません。

本記事ではこの三つの時代を
比較しながら、共通する部分を
探ってみようと思います。
まず代表的な人物から考えてみます。

≪室町時代≫

室町時代は、鎌倉時代の次です。
初期は南北朝時代、後期は戦国時代、
と呼ばれることもあります。

室町、とは京都の一部分の呼び名です。
つまり京都が中心の時代。
それまでの

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「一国一城の主」精神 ~日本の自営業者の推移~

「一国一城の主」精神 ~日本の自営業者の推移~

日本の総雇用のうち、約1割は自営業者。
逆に言えば、約9割は自営業者ではない。
雇用されている、と言えます。

2024年の総人口は約1億2千万人台。
そのうちの労働人口は約6千万人。
この約1割、ですから、
「約6百万人」が自営業者です。
(ただし、家族従業者を含む数ですから、
真正の自営業者はもっと少なくなる)

読者の皆様はどう思われましたか?
思ったより多い? それとも少ない?

では、他

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新旧習合・異世界習合 ~日本史六つの変化~

新旧習合・異世界習合 ~日本史六つの変化~

先日「三つの変化の波」の記事を書きました。
(本記事下部のリンクからぜひ!)

世界史的なとても大きな出来事、
圧倒的な変化の波…です。
それを日本史に当てはめてみた時に、
どんなことが見えるのか?

日本史には「時代区分」があります。
三つの波を当てはめていくと、こうなる。

…しかしなにぶん極東の島国です。
革命の本場から遠い。時差がある。
「革命」が日本にまで到達するのは
だいぶ後です。

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文明化、近代化、DX化 ~三つの変化の波~

文明化、近代化、DX化 ~三つの変化の波~

人類が経験した「革命的な変化」、
「〇〇革命」はたくさんありますけれども、

この三つは世界史上、特筆ものだと思います。
本記事ではこの三つの革命を
比較しながら考えてみようと思います。

◆まずは「農業革命」から!

18世紀の英国で始まった
輪作と囲い込みを指すこともありますが、

本記事では、約15,000年前に始まった
「農業によって食糧を得るようになった」
ことの意味で使っていきます。

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中山間地域と「場」の重要性

中山間地域と「場」の重要性

なかやまあいだちいき、ではありません。
ちゅうさんかんちいき、です。

日本における地域区分のひとつ。
平野の端から山間地までをまとめた地域!

このように農林水産省では
農業地域を四つに区分しているのですが、
このうち中間農業地域および山間農業地域を
合わせた地域のことを指します。

中間と山間で「中山間」です。

日本列島は山がちな島。
平野と山、どちらが多いかと言えば
山のほうが圧倒的に多い

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成り上がりとたたき上げ ~秀吉、博文、角栄~

成り上がりとたたき上げ ~秀吉、博文、角栄~

日本史には「名門」つまり綿々と続く立派な
家柄の人たちが数多く出てきますよね!

例えば「藤原氏」。例えば「徳川氏」。
その一族に生まれて順調に育てば、
苦労せずに活躍の場が与えられる…。

その一方、全くの徒手空拳から
「成り上がって」天下を握った人物もいる。
代表的な人物は、次の三人です。

豊臣秀吉は尾張(愛知県)の庶民の出。
それが織田家に仕えることで頭角を現して、
天下人になり、関白、引

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位MAX ~「冠位十二階」から現在へ~

位MAX ~「冠位十二階」から現在へ~

現在に「冠位十二階」がつながっています。

そう思いますよね。

でも実際に現在、日本国憲法で定められた
天皇の国事行為のひとつ「栄典」。
これにより現在も「位階」が叙せられている。
「叙位」と言います。

惜しい。それは違います。

国民栄誉賞は「広く国民に敬愛されて、
社会に明るい希望を与えることに
顕著な業績があった者について、
その栄誉を讃えることを目的として、
『内閣総理大臣が』表彰する

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