マガジンのカバー画像

たおやか日記

39
恋人との健やかな日々を紡いでいきます。 SNSをやっていない人なので、記念日にまとめてお披露目しています。 「彼氏・彼女」ではなく「恋人」という言葉にこだわっていると話したら…
運営しているクリエイター

#言葉の力

ちゃんと、自分の脚で

ちゃんと、自分の脚で

am 4:50 梅雨入りに相応しい激しい雨。

雨の匂いを嗅ぎたくて、ほんの少し窓を開ける。
夜と朝の狭間で、雨の音だけが、部屋に響く。

蒼い光越しに見る君の横顔があまりにも綺麗で。

いつまでも、この静かな隙間が続けば良いのに。
ずっと、君だけを見ていられたら良いのに。

なんてね。

❄︎ ❄︎ ❄︎

最近、ほんとうにバッド続きな気がする。

天気の悪さに比例して、腰もギュッと痛くなるし

もっとみる
君が初恋じゃなくて死ぬほど良かった

君が初恋じゃなくて死ぬほど良かった

もっと昔の君と出会えていたら…

お揃いの制服で2人乗りする高校生を見て、ふいにパラレルワールドの私達へ思いを馳せる。

バド部の君と、吹部の私。

朝は一緒に登校して、廊下で手を振って、帰りは公園でお喋りした後、家まで送ってくれる。

みたいな。

君は優しいから、演奏会は毎回必ず顔を出してくれるはず。

「泣いてないもん」
なんて言いながら、きっとボロボロ泣いて定期演奏会の感想を教えてくれるん

もっとみる
溢れんばかりの春を揺らそう

溢れんばかりの春を揺らそう

「あれ、なんでいるの!え!どうしよ!」

今日に限ってJRではなく、御堂筋だった私。
自転車を置いた君にばったり会った。

予定よりも早く会えてラッキー!なんて思っていたのに、なんだか君はオロオロ落ち着かない…

大丈夫??なんかあった??

「実は、会った時にお花渡したくて…買いに行く途中で…間に合わなくてごめんね」

なんてこった!!!

私が1番好きだと言ったお花を覚えていてくれて、バレンタ

もっとみる
かみさま、もうそれくらいにしてあげてください

かみさま、もうそれくらいにしてあげてください

かみさま、お願い。
これ以上彼をいじめないであげてください。

だって、十分じゃないか。

夜勤も、連勤シフトも、ダブルワークも。
こんなに頑張っているのに。なのに社員が飛んで、負担がまた増えた。

頑張っている人が、きちんと報われる世界にするって約束じゃないの?

「ごめん。ほんとうにごめん。すぐいくね。」

約束の時刻を1時間過ぎても、既読にならないので
電話をかけたら、ものすごい勢いで懺悔さ

もっとみる
脳みそのシワの先の先の先

脳みそのシワの先の先の先

「1番好きな所は雪の思想だよ〜」

ほっぺをぴったりくっつけて、満面の笑みを浮かべた君は、微睡みながら私の好きな所を教えてくれる。

もう何百回も聞いているし、君が私のことを、
ちゃんと大好きって、もう十分知ってるくせに、
この言い回しが好き過ぎて、つい何度も聞いてしまう。

いつだって「思想が好きだ」と迷わず答える君の
純粋さと、誠実さと、心の広さが、本当に本当に
愛おしくてたまらないのです。

もっとみる
電話越しの君の顔

電話越しの君の顔

私たちは、声から恋に落ちた。

心地よく響き渡るチェロのような低音ボイスと、
きらりと光るワードセンス、優しさ溢れる語尾に
あの日からずっと虜で。

今日も電話できるかな??
付き合う前は、そんなことばかり考えてたっけ。

君も同じだったなんてね。

北海道由来のゆるゆるの喋り方と、ちょっと高め
のふわふわ声を聞いた時、本物のお嬢様だなんて
思ってくれたらしい。照れちゃうなぁ。

画面いっぱいに耳

もっとみる
トレモロ・ミルフィーユ

トレモロ・ミルフィーユ

“慮る6日間”と一週間ぶりの“答え合わせ”

それは、今日も変わらず君を想っている証拠で。
こんな関係も、なんだかんだ心地良いと思える。

本当はやり過ごすつもりだった恋人の連絡不精。

君が思っている百億倍、私は連絡を心待ちにして
携帯が鳴るたびに期待して、本当に淋しくて。
それでも強要はしたくないし、喧嘩も嫌なの。

考えれば考えるほど八方塞がりだ。
この涙は、墓場まで持っていこう。そう決めた

もっとみる
その胸にきゅっとね

その胸にきゅっとね

恋人になってもうすぐ半年。

恋愛における半年間が、こんなにも穏やかなんて
許されて良いのでしょうか。

毎日毎日、つかみ合いの抉り合う喧嘩をしたり、
冷めた関係を見て見ぬ振りしてやり過ごしたり。

いつもの半年って、大体こう破綻してたから。

こうして鍋をつつく幸せそうな横顔を見れて、
夜中に、てくてくお散歩をしてベンチで話して、
お布団の中で頬を寄せて未来を語ったりして。

出会った時から変わ

もっとみる
君色マーブル

君色マーブル

昔から、他人に興味なんて無かった。

何が好きとか、誰が嫌いとか、夢とか、目標とか
全部、本当にどうでも良かった。

うるさい、ほっといてくれ、なんて。

人に何かを言われるのが大嫌いだったのに、
君の言葉だけは、心地よいと感じてしまう。

これはきっと、恋の魔法だ。

「今度のレディクレ、tele出るんだって!!」
私の大好きなアーティストの最新情報を、いつも嬉しそうに教えてくれる。

同じ道を

もっとみる
不器用ぽっぷな君の詩

不器用ぽっぷな君の詩

「ほんとうに情けないよね。ごめん。」
今にも泣きそうな声が、ギュッと私を離さない。

ううん、いいんだよ。全部だいすきだから。

何ヶ月も前から楽しみにしていたフェス。

くるり主催で、大好きなピアニスト角野隼人と
サウシー、sumika、秦基博などの超豪華メンツ。

「ごめんなさい、今起きました」
集合時間に起きた君から、電話がかかってきた。
待っている間、不安で潰れてしまいそうだった。

また

もっとみる
月の舟に乗って

月の舟に乗って

「俺の形に変わってしまう事が最も嫌なので」

君の精一杯搾り出したその声と、真っ直ぐな瞳が寝ても覚めても忘れられない。

こんなにも、純度100%の私を絶対に保ちたいと
想ってくれる人、他にいるんだろうか。

いや、宇宙の果てまで探したって、君だけよ。

❄︎ ❄︎ ❄︎

ラグビーのマネージャー、男女混合の寮、ゼミ。

大学4年間、振り返れば沢山の男友達ができた。

何の恥じらいや、ためらいもな

もっとみる
てめえのはんどる

てめえのはんどる

「それでも運転席から降りたらいけないよ」
隣に座る恋人が、真剣な眼差しでそっと呟く。

うん、そうだね。ちゃんと両手で握らないとね。

新進気鋭の人類学者インゴルドはこう考察する。

向かい合うより、横並びの方が親密になれると。

向かい合う時。
それは、相手の背後ばかりを見て、嘘に気づかず
誤魔化し合い、意識が散漫してしまう。

隣に並んで歩く時。
目をじっと合わせずとも、景色を共有しながら、

もっとみる
ゆらゆら海ブドウ

ゆらゆら海ブドウ

「割烹着、欲しいなぁ」

昼下がりの商店街を歩いていると、君が呟いた。

え、エプロンじゃなくて?なんで??
サザエさんのフネが着てるやつだよね??

頭の中がハテナで埋め尽くされていく数秒の間、
「じゃあ作るよ!」なんて勝手に口走ったから。

そうと決まったら、生地探しへ。

素材論の先生が「キッチン周りは麻が最適!」と
言っていたので、リネンコーナーに一直線。

麻は、ミイラを何千年も保管でき

もっとみる
涙の訳は聞かないでおくよ

涙の訳は聞かないでおくよ

ポロポロと、涙を零すあなたを抱きしめながら
この人の涙を拭くのは、私の役目でありたい。

これからも、ずっと。
心の片隅で、そう確信したのです。

お家に来た恋人に、今まで書き綴った文章を
まとめた本の話をした。

彼は私の紡いだ言葉を読んだことがないので。

失恋話もあるけど、読みたい?って聞く私に、
「1番ライトな日常回だけお願いします」だって。

そういう臆病な所、相変わらず愛おしいネ!

もっとみる