それを、愛と…
「もしもし…。」
夜、薄暗い部屋。
ベッドに座り、布団にくるまった私は、
スマホを耳に近づけた。
『…久しぶり、元気にしてた?』
耳に絡まる、、甘くて低い声。
あの頃の思い出が、一気に押し寄せる。
…息苦しくて、切なくて、、
思わず、目をぎゅーっと、つぶってしまった。
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共働きの両親は、
忙しくなると、私を叔父に預けた。
叔父は、嫌な顔をせずに、
私と一緒に過ごしてくれた。
遊園地ではしゃいだり、
動物園に行ったり、
一緒に、イオンで買い物をしたり、、
……叔父は、いつも優しかった。
笑った時の、目尻のシワが、
心の奥にずっと残って、忘れられない…。
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スマホを耳に押し当てたまま、
窓の外を眺めた。
「…ねぇ、、
窓から見える月、すごく綺麗だよ。」
ベッドから出て、窓に近づく。
三日月が、夜空にくっきり浮かんでいた。
………この時、、
私はまだ、知らなかった。
…この気持ちが、「恋」なんだと…
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