一条ヤミ

現役歌い手のエッセイ、読書レポ、映画レポ、メンブレ

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完全一次創作の小説をここに挙げていきたいです。 耽美派、純文学が好きな方へおススメです。 基本的に週一くらいで上がります。

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固定された記事

「彼女」と私

性自認とか色々すっ飛ばして好きになったの、許されたかった 幼い私の生きがいは、ずっと、恋愛だった。誰かと恋をすることが、人生の彩りだった。 これは、人生で一番激…

一条ヤミ
1年前
12

おやすみ、愛しい我が子たち

 産まれてこない双子の話をしようか。  私が繰り返し見る、夢の双子の話を。 ***  あのね、私はね、お母さん失格なんです。 世の中にそう溢す母親がどれだけいるだ…

一条ヤミ
13時間前
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恋愛、親愛、偏愛、すべてを込めて。 脊椎がオパールになるまで あなたと共に過ごしたい、 私の脊椎がオパールになるまで あなたは自由になりたいと言った あなたは散骨…

一条ヤミ
17時間前
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元恋人の話

*  久しぶりに再会した彼女は相変わらず滅茶苦茶な女だった。  同窓会中盤辺りで突然目の前にやってきて、小さく笑った。 「何笑ってんの?」 「いや、きみがスーツ着て…

一条ヤミ
2日前
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生理きたから病んでる^_^

2024/07/07 2時52分 ぶつけた頭もそうじゃない後頭部もめちゃくちゃ痛くて、お腹はドキドキしている。うそ、本当はお腹も痛い。めっちゃ痛い。毎月こうなってしまうせいで…

一条ヤミ
2週間前

心がザワザワする

一条ヤミ
2か月前

夜中一時、突然の決壊

 ワイヤレスイヤホンをケースごと落としてしまって、とんでもなく虚無感に襲われた。  なんであの時、別れ話の前にI beg you歌ったんだろう。そういう、考えても仕方ない…

一条ヤミ
2か月前
1

圧倒的PMS~生理なんか死ねばいい~

 目が覚めた瞬間真っ先に死にたくなった。最悪なゴールデンウィーク。  もう4日前から私のなかは死にたさで満ちている。この宇宙一邪魔な子宮という臓器を外側から掻っ…

一条ヤミ
2か月前
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剥がれ落ちる子宮内膜とメンタルブレイク

なんで生きてるのか分からなくなっちゃって死にたい 死という言葉の甘い響きに溺れ続けている 実際そんないいもんじゃないこともわかっている 上まで履けなくなったズボン…

一条ヤミ
5か月前
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待機暇すぎて村田沙耶香の「街を食べる」読みました。田舎と自然が題材の話で、主人公が街の一部を食べるまでの過程がすごく面白かったです。by2月3日の私

一条ヤミ
5か月前

昨日読んだ小説ログ

⚠️眠いのでだいぶ殴り書き 川上未映子「あなたたちの恋愛は瀕死」  すごく後味と気味が悪いながらも詩的な文体であるところに川上さんらしさを感じた。  ざっくり纏…

一条ヤミ
5か月前
2

新人文学賞について思うこと

 今年から新人文学賞(群像、文学界等)応募し出したから歴代の受賞作品作品を沢山読んだんだけど、レズビアンの苦悩を描いた「独り舞」とか在日韓国三世の生きづらさ書いて…

一条ヤミ
7か月前
4

文学フリマ36で出した本の通販を開始しました!

 もう大分経ってるのに何で今? という感じではあるのですが、今朝突然ショップに商品を追加する元気が湧いてきたからです。あと7部売れ残ってることを突然思い出したか…

一条ヤミ
8か月前
6

宇佐見りんデビュー作『かか』がブッ刺さった

 本当にタイトルの通りである。  まずこの物語は、浪人生である”うーちゃん”が弟のみっくんに話しかける形で進んでいく。  幼い頃金魚を飼っていたという”うーちゃ…

一条ヤミ
8か月前
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芥川賞受賞作『ハンチバック』

 今年の芥川賞受賞作である『ハンチバック』。ハンチバックとは背骨が弓のように曲がっていることを指す言葉だ。  読み始めてすぐ、成人向け描写の濃さに驚いた。この作…

一条ヤミ
8か月前
13

地下アイドルオーディションを最終辞退した

 2日目が終了して、夜眠れなくて、帰ろうと思った。無断で辞退でも、断って辞退してもどちらでも良かった。とにかく、ここは私がいていい場所ではないのだと思った。  …

一条ヤミ
11か月前
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「彼女」と私

「彼女」と私

性自認とか色々すっ飛ばして好きになったの、許されたかった

幼い私の生きがいは、ずっと、恋愛だった。誰かと恋をすることが、人生の彩りだった。
これは、人生で一番激情に駆られた恋の話だ。

 中学生の頃、好きな女の子がいた。彼女は親友で、とても告白なんてできなかったけれど、間違いなく恋焦がれていた。恋と呼ぶには高尚すぎる気持ちだった。でも、あの胸の高鳴りは恋でしか説明できないものだった。彼女は、私に

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おやすみ、愛しい我が子たち

おやすみ、愛しい我が子たち

 産まれてこない双子の話をしようか。
 私が繰り返し見る、夢の双子の話を。

***
 あのね、私はね、お母さん失格なんです。
世の中にそう溢す母親がどれだけいるだろうか。更にその母親たちの中で本当に母親失格と言われるべき母親はどれだけいる?
 ああ違う、違う! 面倒臭い禅問答がしたいわけではない。
 ただ、おそらくそう自覚して内省している時点で母親失格ではないと私が思うだけだ。ひどい親ほど自分の

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愛

恋愛、親愛、偏愛、すべてを込めて。

脊椎がオパールになるまで

あなたと共に過ごしたい、
私の脊椎がオパールになるまで

あなたは自由になりたいと言った
あなたは散骨を望んだ
私はそれをいいと思った
血に縛られないあなたを愛していた

あなたの骨を海にばら撒くとき、
ひとかけらだけ抜きとって、
小さな口で飲み込みたい

きらめく瞳

雨ではなく桜が降っていることに気がついて目を伏せた
ビニール傘

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元恋人の話

元恋人の話


 久しぶりに再会した彼女は相変わらず滅茶苦茶な女だった。
 同窓会中盤辺りで突然目の前にやってきて、小さく笑った。
「何笑ってんの?」
「いや、きみがスーツ着てるのが面白くて」
「失礼だろ」
 会話の始まりは確かそんな風だった。
 俺はこの女に会いに来た。もし向こうが話しかけてこなかったら俺から行っていたと思う。それくらい彼女のことが気になっていた。
この現在進行形で可哀想な女を救いたかった。

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生理きたから病んでる^_^

生理きたから病んでる^_^

2024/07/07 2時52分

ぶつけた頭もそうじゃない後頭部もめちゃくちゃ痛くて、お腹はドキドキしている。うそ、本当はお腹も痛い。めっちゃ痛い。毎月こうなってしまうせいで、わたし自分より弱い存在が欲しくて、だから子供を産みたがっている。馬鹿みたいな話、馬鹿みたいな女。こんな、夜中に突然泣き出して意味わかんない。健常者でも障害者でもない中途半端な存在。出血多量かなんかでさっさと死んで仕舞えばい

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心がザワザワする

夜中一時、突然の決壊

夜中一時、突然の決壊

 ワイヤレスイヤホンをケースごと落としてしまって、とんでもなく虚無感に襲われた。
 なんであの時、別れ話の前にI beg you歌ったんだろう。そういう、考えても仕方ないことを考えてしまう。お前は桜が好きだったんじゃなかったのか。桜が好きならつまり私のことも好きだったと思うのだけど、そんなふうに思ってしまうだけやっぱり私は傲慢なんだろうか?

 離さないで 暗くなるの、そばにいて
 離さないで 見

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圧倒的PMS~生理なんか死ねばいい~

圧倒的PMS~生理なんか死ねばいい~

 目が覚めた瞬間真っ先に死にたくなった。最悪なゴールデンウィーク。
 もう4日前から私のなかは死にたさで満ちている。この宇宙一邪魔な子宮という臓器を外側から掻っ切って死んでやろうかと思ったが、そんな素敵な絵を描く力が私にはないし、このイメージを伝えきるだけの文章力も私にはない。すべて諦めて剣より強いらしいペンを投げた。

 毎月毎月懲りもせずにやってくるこの憂鬱な一週間は、最強のはずの私を無力にさ

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剥がれ落ちる子宮内膜とメンタルブレイク

剥がれ落ちる子宮内膜とメンタルブレイク

なんで生きてるのか分からなくなっちゃって死にたい
死という言葉の甘い響きに溺れ続けている
実際そんないいもんじゃないこともわかっている
上まで履けなくなったズボンも、洗えてない顔も、まだ募集中のバイトも全部わからなくて
とにかく薬を飲まないといけないと思った。今すぐ薬を飲まないと死んでしまえる気がした。
或いはタバコでもいいのかもしれない、もうなんでもいいのかもしれない。

ただ助けて欲しかった

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待機暇すぎて村田沙耶香の「街を食べる」読みました。田舎と自然が題材の話で、主人公が街の一部を食べるまでの過程がすごく面白かったです。by2月3日の私

昨日読んだ小説ログ

昨日読んだ小説ログ

⚠️眠いのでだいぶ殴り書き

川上未映子「あなたたちの恋愛は瀕死」
 すごく後味と気味が悪いながらも詩的な文体であるところに川上さんらしさを感じた。

 ざっくり纏めると、醜いとか不細工とかいう言葉を一度も使わずに容姿に恵まれなかった女の人の人生を描いた小説。誰かと性行したいって夢想をずっとするんだけど、処女のまま人生が終わっちゃう話。

 主人公は別に喪女なわけではなく、毎週新作のデパコスを買っ

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新人文学賞について思うこと

新人文学賞について思うこと

 今年から新人文学賞(群像、文学界等)応募し出したから歴代の受賞作品作品を沢山読んだんだけど、レズビアンの苦悩を描いた「独り舞」とか在日韓国三世の生きづらさ書いてる「ジニのパズル」とかそういう作品が賞取ってるのを見ると、純文学においてマイノリティは武器なんだなと思ってしまう。そのうち代理出産で生まれてきてゲイカップルに性的虐待された子供とかが筆を取って作品を描いて賞を取りそうだなとか思ってる。ハン

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文学フリマ36で出した本の通販を開始しました!

文学フリマ36で出した本の通販を開始しました!

 もう大分経ってるのに何で今? という感じではあるのですが、今朝突然ショップに商品を追加する元気が湧いてきたからです。あと7部売れ残ってることを突然思い出したから。

 以下にサンプルを貼っておきます。

1.名前は××××にしたいな

「今回も想像妊娠だったよ」
カラッとした声で私は彼に告げる。
「そっか」
当然でしょうと言いたげな顔。
私はもう36回も妊娠している、想像上で。
「私のこと、おか

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宇佐見りんデビュー作『かか』がブッ刺さった

宇佐見りんデビュー作『かか』がブッ刺さった

 本当にタイトルの通りである。

 まずこの物語は、浪人生である”うーちゃん”が弟のみっくんに話しかける形で進んでいく。
 幼い頃金魚を飼っていたという”うーちゃん”の回想で始まるが、実はその金魚は同居している従姉妹の経血が風呂に浮かんだものだった。この時点で衝撃を受けた。そんな書き出しがあるのか! と脱帽した。

 母親をかかと呼んでいること、かかは最近アル中で暴れること。家の中では様々なかか弁

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芥川賞受賞作『ハンチバック』

芥川賞受賞作『ハンチバック』

 今年の芥川賞受賞作である『ハンチバック』。ハンチバックとは背骨が弓のように曲がっていることを指す言葉だ。
 読み始めてすぐ、成人向け描写の濃さに驚いた。この作品はタイトルからは想像がつかないほどアダルトな要素が多い。

 作者本人と同じ障害を持つ主人公の釈華は、40代の高齢処女で通信大学生である。 
 私が彼女に感じたのは、圧倒的な諦観と強者感だった。「普通の女のように生きていくことへの諦め」と

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地下アイドルオーディションを最終辞退した

 2日目が終了して、夜眠れなくて、帰ろうと思った。無断で辞退でも、断って辞退してもどちらでも良かった。とにかく、ここは私がいていい場所ではないのだと思った。
 ただ偶像に憧れただけなのだ、この7人の中で最も愚かしいのは私だった。それがどうしようもなく真実だった。母親のLINE一つ

で自殺したくなった、私はアイドルどころか普通の人間も向いていないほど脆弱な精神を抱え守っている。
 とにかく今この場

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