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サイエンス×テクノロジー=エンジニアリング

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科学とは「事物の本質を表す体系的な知」であり、技術とは「特定の場面で応用される実践的な知」である。すなわち工学および工業とは「人々にとって有用な構造物や発動機関の設計・組立・運用… もっと読む
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#科学

微細な生命の探求: リン脂質膜が描くバイオセンシングの未来

微細な生命の探求: リン脂質膜が描くバイオセンシングの未来

グラフェンが生体医工学やセンサー技術で注目されていることはご存知でしょうか。グラフェンの単原子厚の構造と優れた電気伝導性がその魅力です。

さらに、最近の研究では、グラフェン上にリン脂質膜を作成する手法が注目を集めています。この手法を用いれば、グラフェン表面に微細な膜パターンを作成し、バイオセンシングアプリケーションにおいて高い感度と特異性を実現できるかもしれません。

新たなバイオセンシングプラ

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エコな素材が産業界を席巻?バイオマス製材料の進化

エコな素材が産業界を席巻?バイオマス製材料の進化

バイオマス製材料の挑戦地球規模での環境保護と持続可能性の追求が叫ばれる中、私たちは新たな材料開発の道を模索しています。

この時、注目を浴びているのがバイオマス製材料です。木材やプラスチックなどの従来の材料に代わる可能性を秘めたバイオマス製材料の開発には、多くの期待が寄せられています。

しかし、その実現には技術的な課題が山積しています。この研究では、持続可能な未来を築くために、バイオマス製材料の

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生命の起源について調べてみた

生命の起源について調べてみた

どうも、陸河童です。

我々はなぜ生まれ、どこへ向かうのか―

なんてことが古来から言われておるのかは、分かりかねますが。

先日Wiredさんがアーカイブのこんな記事を上げていました。

「生命の起源」ついに明らかに? その想像以上にシンプルなメカニズム

有機物が集まった「液滴」なるものから、地球の生命は生まれたと。(言う説があるよと)

液滴って何?!

わたしの中の生命誕生のイメージは―

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「ここから、新・未来へ」ムーンショット型研究開発事業@JST

「ここから、新・未来へ」ムーンショット型研究開発事業@JST

はじめまして。JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)のムーンショット型研究開発事業 広報チームです。
このnoteを通して、私たちが推進する【ムーンショット型研究開発事業】を、みなさんに分かりやすい形でお伝えしていきたいと思っています!

■ JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)って、どんな組織?JSTは、科学技術・イノベーション基本計画の中核的な役割を担う機関であり、科学技術の振興を図

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「Dr.STONE(ドクター・ストーン)」と国立科学博物館のコラボ企画展。超ド文系のわたしが、アニメに導かれて科学の世界にドはまりした件

「Dr.STONE(ドクター・ストーン)」と国立科学博物館のコラボ企画展。超ド文系のわたしが、アニメに導かれて科学の世界にドはまりした件

毎年夏休みには、息子を連れて、上野にある国立科学博物館の特別展に行く。

超ド文系で科学知識ゼロのわたしと裏腹に、息子は生き物や科学の展示が大好きなのだ。

国立科学博物館は、日本の科学研究の中心なので、常設展示も実はとてつもなく広いのだが、ほとんどの場合は特別展でヘトヘトになり、常設展は見ずに帰っていた。

だが今回は、特別展に加え、息子がドはまりしているアニメ「Dr.STONE」のミニ企画展示

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20℃→40℃はなぜ「2倍の暑さ」ではないのか? 小学生にもわかりそうな解説

20℃→40℃はなぜ「2倍の暑さ」ではないのか? 小学生にもわかりそうな解説

先日とあるTV局が「イギリスで40℃を記録。この地方の平均は20℃なので2倍の暑さです」というようなことをツイートし、「℃ を2倍にするなよ」と理工系の方々を中心に大いに炎上しました。(元ツイートはすでに削除)

マスメディアの科学リテラシーに対する皆様のお怒りはもっともなのですが、ただでさえ暑いところでツイートを燃やすのは迷惑千万ですので、この記事では「なぜ40℃は20℃の2倍ではないのか」を、

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ダーウィン神話だけで全ては語れない。進化論がたどってきた道筋とは?『進化論の進化史ーアリストテレスからDNAまで』訳者あとがき

ダーウィン神話だけで全ては語れない。進化論がたどってきた道筋とは?『進化論の進化史ーアリストテレスからDNAまで』訳者あとがき

世界中の人々に進化論を鮮やかに示したとされている科学の偉人、チャールズ・ダーウィン。しかし、ダーウィンが生物の進化に関する理論を発表した頃には「生物種は進化する」という考え方は、さまざまな学者によってすでに論じられており、自然選択説も、同時期に他の学者が発想していたことでした。

ではなぜ、ダーウィン独自の発想ではない種の起源の理論は、彼の功績として語られているのでしょうか。

古代ギリシャ哲学か

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おすすめ科学系note

おすすめ科学系note

これまでおすすめのPodcastやYoutubeを何度か紹介してきましたが、よく考えたら、おすすめのnoteを紹介したことはありませんでしたね。

ということで、今回はおすすめnoteを紹介したいと思います。

そうはいっても、普段サイエンス・テクノロジーをメインでやっていますので、私がよく読んでいるnoteの中でも科学系の記事を主に投稿されている方々を紹介していきます。

敬称略でどんどん行きま

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サイエンスキュレーターになろう

サイエンスキュレーターになろう

新年早々、わけわからないタイトルを書いてしまい申し訳ありません。
ただ、これを今年からの抱負にしてみようかなと思って書いてみました。

キュレーターとはキュレーターという言葉を聞きなれない方は多いかと思います。キュレーターとは博物館や美術館で展示物などを選定したり管理したりする人のことを言います。日本語では学芸員と言ったりもしますね。

最近ではキュレーションという言葉が少し流行っており、私が大好

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"研究室"〜成長できる環境との出会い〜

"研究室"〜成長できる環境との出会い〜

2021年の4月から、国立大学工学部生である私は大学4年生となり、"研究室"というものに配属されました。

私の"研究室"というものの最初のイメージは、「教授から指示があり研究を進める」「みんなパソコンに向かって作業して1日が終わる」「実験は成功しなければ意味がない」というすごくかっちりしたものを想像していました。

しかし、実際に第一希望の研究室に配属されると、私の持っていた"研究室"のイメージ

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『科学』と聞くと、『なんだか難しそう』と思ってしまう理由についてーわかりあうために必要なコストー

『科学』と聞くと、『なんだか難しそう』と思ってしまう理由についてーわかりあうために必要なコストー

科学者って頭良さそうだ。なんだか難しそうだけど、頭のいい人たちが、意義深い事をやっていそうな気がする。

本当にそうだろうか?

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この記事では、『科学は難しそう』というイメージが無くならない限り、大学や研究所は衰退するのではないか?という疑問を深ぼってみる
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・大学の財源の4割が税金で賄われている多くの科学者は、社会にいる沢山の人が働いて捻出した税金

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脱力とリラックスの違い?楽器演奏に必要なシステム最適化

脱力とリラックスの違い?楽器演奏に必要なシステム最適化

「脱力しろ」という言葉は、楽器練習をするうちに必ず聞くような言葉ではないでしょうか。

力任せではなく脱力することで、表現の幅が広がり、怪我も起こしにくくなります。そのため脱力は基礎練習で取り組むべき課題の一つとして、ピアノやドラム、ギター、ベース、管楽器など様々な音楽教室で取り扱っています。

今回の記事では、脱力の意味をバイオメカニクス的に理解します。さらに、脱力から発展したリラックスの意味を

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老いるほどに輝く光を発見

後光というものを見たことがないんですが、何か尊いものというか、神聖なものを見たとか、そういうものの後ろから差す光があるらしい。マジで見たことないけれど。だいたい仏の肖像画に描かれていたりする,あと菩薩あたり?

誰かの即席歌でどっかのおじいちゃんがちゃぶ台背負って後光だとのたまったら、そのあとすぐに仏さんになっちゃった、とか言う内容で当時は若かったから、普通に笑ってしまった。

特撮ものなんかでよ

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時代の常識を乗り越えていく科学者 ~Beyond Science~

時代の常識を乗り越えていく科学者 ~Beyond Science~

最近、「チ。―地球の運動について―」(ビッグコミックス)第一巻を読みました。

この漫画は15世紀のヨーロッパを舞台に、当時、天動説が常識とされていた中で、地動説の正しさを示そうと奮闘した人たちの姿を描いたものです。

タイトルの「チ。」は地球の「地」を表したものでしょう。

宇宙への忠誠心
話はいきなり、「苦悩の梨」という器具を用いた凄惨な拷問シーンから始まります。当時、キリスト教の教義に反する

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