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【ABA】応用行動分析を日常生活で使ってみよう

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認定行動分析士(BCBA)の著者が、ABA理論を日々の生活の中で役立てる方法やABAを使って問題を解決する方法を紹介します。
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#子供

【切り替え2】切り替え活動で子供が育つ

【切り替え2】切り替え活動で子供が育つ

子供にとって、楽しい遊びをやめて、別の活動を始めるように言われるのは辛いものです。特に、大好きな活動から、嫌いな活動に移るように言われた場合は特にそうです!

子供に「また今度遊ぼうね」と安心させても、通常はあまり役に立ちません。子供達にとって、午前中ずっと遊んでいたおもちゃや場所を離れることは、大好きなあなたと離れるのと同じくらい涙を誘うことなのです。

では、どうすれば子ども(そしてあなた自身

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新生児の感覚発達:応用行動分析学(ABA)からの洞察

新生児の感覚発達:応用行動分析学(ABA)からの洞察

この記事の概要応用行動分析学(ABA)のレンズを通して、新生児が生得的な感覚をどのように活用し、環境や保育者とどのように相互作用しているのか、その複雑なメカニズムを掘り下げていきます。正の強化と負の強化がどのように赤ちゃんの反応を導くかを探り、親子の愛着の基礎を形成する強化子と古典的条件付けについて論じます。さらに、感覚処理の問題を抱えた子供を育てる時に直面する課題について論じ、早期介入と支援の必

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幼児の切り替えをスムーズにする9つの戦略

幼児の切り替えをスムーズにする9つの戦略

子育ては、楽しくも困難な旅になることがあります。よくある課題のひとつに、切り替え(幼い子供がある活動から別の活動に移る時)の難しさがあります。移動中に意地の張り合いになったことがあるのは、あなただけではありません。

このブログでは、幼児の切り替えをよりスムーズで楽しいものにするための、9つの戦略をご紹介します。一貫した日課の確立から、遊びをベースにした片付けのテクニックまで、どの方法もイライラを

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幼児のかんしゃくを抑える選択肢の力:Part 3

幼児のかんしゃくを抑える選択肢の力:Part 3

子育ては素晴らしい挑戦ですが、難しいこともたくさんあります。中でも、幼児のかんしゃくは保護者を圧倒し、イライラさせるものです。前回のブログでは、こうした感情の爆発に対処するための手法として、子供の気持ちを受け入れて代弁する方法とその大切さについてお話しました。かんしゃくを抑えることだけにフォーカスした大人都合の戦略でなく、子供の自信を育み、保護者との関係を深める素晴らしい育児法です。
今回は「子供

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おとなしすぎる子どもの心の中は?選択性緘黙症の世界

おとなしすぎる子どもの心の中は?選択性緘黙症の世界

要約

選択性(場面)緘黙とは?選択性緘黙症は、特定の状況で話すことができない小児期の不安障害です。子供の1%未満の罹患率であり、通常2歳から5歳の間に始まります。
例えば、家では楽に話すことができても、学校では黙っていることがあります。

緘黙症からの回復多くの場合、数年のうちに回復し、学校では話せなかった子供が、やがて克服して普通に話せるようになることもあります。

選択性緘黙は不安障害選択性

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なんでも口に入れる子ども

なんでも口に入れる子ども

なぜ赤ちゃんは、なんでも口に入れるの?

赤ちゃんが何でも口に入れるのは、世界を探索するための発達過程の一部です。赤ちゃんの口は非常に敏感で、目や手に比べてより多くの感覚情報を集めることができるのです。

生後4~6ヵ月:ものをつかんで、口に運べるようになる

生後4~6ヵ月ごろになると、手の協調運動と筋力が発達し、手で物をつかんで口に運び、探索することができるようになります。この行動によって、赤

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遊びが子供の学校での成功を助ける!5つの方法

遊びが子供の学校での成功を助ける!5つの方法

私はこのブログで、子どもにとっての遊びの重要性を繰り返し強調してきました。

今回も「子ども時代の自由な遊び」が、「学校や人生での成功や幸福につながる」という事実を裏付ける5つの研究に基づいた情報を提供します。

遊びは、活動的な身体を作るのと同じくらい、活動的な心を作ります。また、他者と一緒に遊ぶことで、発達と成長に不可欠な社会的能力を身につけることができます。

つまり、遊びは、子どもたちが将

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脳を刺激する!感覚遊び

脳を刺激する!感覚遊び

「遊んでばっかり」と聞くとどこか否定的に聞こえますが、子供の遊びは、単なる娯楽にとどまらない、教育と発達に欠かせない要素です。幼少期は、読み書きの能力、観察力、批判的思考など、その後の人生の成功に不可欠なスキルの基礎を脳が身につける重要な時期です。子どもたちは遊びの中からこれらすべてを学びます。

以前、私のブログ記事では「危険な遊び」「自然の中での自由な遊び」の利点と必要性について探ってきました

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ABAで解説:ポジティブな子育ては、子供の可能性を最大限に引き出すことができる

ABAで解説:ポジティブな子育ては、子供の可能性を最大限に引き出すことができる

子供の可能性を最大限に引き出すためには、ポジティブな子育てが不可欠です。

でも「ポジティブな子育て」と聞くと、どんな子育てを思い浮かべますか?
そもそも「ポジティブ」ってなんでしょう?

日本語のポジティブの意味「ポジティブ」は英語の「Positive」をそのままカタカナにしたものですが、すでに日本語の形容詞のように、一般的に使われています。前向きで明るい、楽観的な考え方や性格、態度を表すときに

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子供の発達と感覚処理能力の発達 part 2

子供の発達と感覚処理能力の発達 part 2

Part 1では、子供の感覚処理能力の発達が、なぜその子の人生や幸せの質に大きく影響するのか、その理由を掘り下げました。
Part 2では、さらに具体的に、感覚処理の問題は子供の成長や生活面にどのように影響するのか、具体例をあげて解説しています。
最後に保護者や教育者向けの支援法についても触れています。

感覚処理と子供の発達の理解乳幼児期から就学前までの様々な側面を取り上げながら、子供の発達にお

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かんしゃくに対処する7ステップ:Part 2

かんしゃくに対処する7ステップ:Part 2

前回のPart 1では、2歳前後の子どもがかんしゃくを起こす原因と、かんしゃくを起こす子どもの気持ちや対処法についてお話ししました。

今回のPart 2では、より具体的な対処法を7ステップでご紹介します。

1. 予防:かんしゃくのきっかけを取り除いておくかんしゃくを起こしやすい状況を予測し、予防しておきましょう。空腹、疲労、過度の刺激、不快、怒り、寂しさなどは、よくある引き金です。かんしゃくの

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幼児の友達を注意する、告げ口する理由と解決策

幼児の友達を注意する、告げ口する理由と解決策

子供の「ルールを守りたい」という気持ちや正義感はとても大切な気持ちですが、あまり多すぎても、困りものです。

このブログでは、子供が仲間を注意し合ったり、すぐに先生に報告する理由と、それがどのように成長と学習の機会になるかを紹介します。そして、子どもたちが効果的にコミュニケーションをとり、社会的な問題を解決できるようにするための実践的なアプローチについて掘り下げていきます。

このブログを読むと、

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ADHDママのリアル:新生児双子育児の日々と心身の限界

ADHDママのリアル:新生児双子育児の日々と心身の限界

今でこそ応用行動分析(ABA)の認定行動分析士(BCBA)の私ですが、双子のママになりたての時は、ABAも普通の育児のやり方すら知りませんでした。もしタイムマシーンがあるなら、あの頃に戻って有益なABAの子育て法を教えてあげたい!そうすれば、もっと楽で、充実した育児ライフを送れていたに違いありません。今後は、とっても有益なABAの子育て方法を発信していく予定です。

今回は、私の双子新生児の育児の

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子どもの言葉の遅れ:原因と早期発見のための11のチェックリスト

子どもの言葉の遅れ:原因と早期発見のための11のチェックリスト

「えー!みんなあんなにお話しできるのー?。うちの子は全然だな…」

同じ月齢の子を見て、びっくりすることありますよね。
おうちに帰ってから、練習してみます。

ママ:「ママだよ」「ママ」「マーマ」
子ども:「マンマンマンマ…」

あー、ダメだ。
せめて「ママ」って言って欲しい。
「この子、話せるようになるのかしら?」
不安になってきます。

私たち親は、子供の口から言葉が出てくるのを待ち望んでいま

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