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ADHDママのリアル:新生児双子育児の日々と心身の限界

今でこそ応用行動分析(ABA)の認定行動分析士(BCBA)の私ですが、双子のママになりたての時は、ABAも普通の育児のやり方すら知りませんでした。もしタイムマシーンがあるなら、あの頃に戻って有益なABAの子育て法を教えてあげたい!そうすれば、もっと楽で、充実した育児ライフを送れていたに違いありません。今後は、とっても有益なABAの子育て方法を発信していく予定です

今回は、私の双子新生児の育児の話を通して、日本の育児環境についてちょっとお話ししたいと思います。

【精神修行?】心身ともにギリギリの双子育児

とにかくあのころの私は、ただ目の前のことを自分なりにこなすだけで必死でした。自分が母親になるまで、赤ちゃんや小さい子供と接する機会がほとんどなかったので、子供の育て方を全く知りませんでした。こうなると、頼るところは、育児本になります。

「育児本で"あかちゃんに良い”と言われていることをやろう!」

そう思っていました。

育児本をたよりに

1ヶ月早産 & 未熟児で生まれた双子たちなので、「できる限り健康的に育てたい」と思い「完全母乳で行こう」と決めていました

しかし新生児はまだおっぱいを吸う力も弱く、一回の授乳に1時間くらいかかりました。特に夜中は一人の授乳を終えると、もう一人が泣き、その子の授乳を終えると、最初の子供の2回目の授乳が始まり…、と言った具合で、エンドレスに続きました。

もぉ〜ひどい睡眠不足状態です。常に頭に白いモヤがかかっていました。
授乳中に、思わず眠りに落ちてしまい、子供を落っことしてしまったこともあります。頭から新生児がコロンコロンと落ちていくシーンが、今でも鮮明に覚えています。

常に心身ともに疲労困憊、毎日ギリギリで、完全に双子に振り回されていました。
育児の本に忠実にやっていました。泣いたら抱っこしてあやす。数時間おきに授乳するなどなど。


なんちゃって専門家に心をえぐられる

双子が生後一ヶ月くらいの頃、家に民生委員が訪ねてきました。

きっと虐待ハイリスクの母親だと思われていたんだと思います。双子や未熟児の親は、育てにくさから、標準体重で一人を産んだお母さんより「虐待率が高い」と医師からも忠告されていました

うちに訪ねてきた民生委員から、
「育児でわからないことや悩みがあったらなんでも質問してくださいね!」
と言われました。

私は心が少し救われた気がしました。
当時はネットがそこまで普及していなかったので、双子育児の情報は本当に限られていました。わからないことだらけでしたので、私は本当に困っていることを質問しました。

「赤ちゃんが泣いたときには『抱いてあげてください』と育児本に書いてありますが、同時に泣いたときにはどうすればいいんですか?

「『夜泣きをした時は、あやしたり、ミルクをあげたり、おむつを変えてください』と言われていますが、交互に夜泣きをされると、私の寝る時間が全く無いのです。どうしたら良いですか?

するとその民生委員は、全ての私の質問に対し、

さぁ〜、どうしたらいいんでしょうね〜

を連発。

私は大学で心理学を勉強していたので、すぐに
「あっ!この人、カウンセリングマインドを使っているな!」
と気付きました。
カウンセリングマインドとは、「カウンセラーが持つべき姿勢、アドバイスをせずに、傾聴する」という姿勢のことです。

私は悩みを聞いて欲しい訳ではありませんでした。本当に解決法を教えて欲しかった。だから何度も何度も「具体的にどうしたらいいんですか?本当につらいんです!」と訴えると、

はぁ〜、本当におつらいんですね〜

「…」

またも不自然なオウム返し

もぉ、明らかに不自然な会話のやり取りに、私は無性に腹が立ってきました。彼女が帰った後、悔しくて、声をあげて泣いてしまいました。


日本の専門家は無責任

みなさんはどうでしょうか?

「女性は話を聞いてもらいたいだけ。アドバイスは求めてない。共感を求めているだけ」

と言う専門家を最近よく見聞きしますが、コレ本当ですか??

あなたは、育児で困っている時、ただ話を聞いてもらうだけで満足しますか?具体的なアドバイスなんてされたら腹立ちますか?

うちに来た民生委員のように、話を聞いてオウム返しするだけなら、誰でもできるじゃん!そんな素人は来る必要ないですよね。何しにきたんですかね。
行政は『ハイリスクの家庭を訪問して、話を聞いた』という事実と記録を残し「虐待予防をしている」という事実を示すためだけにやってるんですかね。

心理ベースの子育て法は、時に母親を精神的に追い詰める

本当に研鑽を積んだ心理専門家なら適切なヘルプをしてくれると信じています。
しかし心理学の素人が安易に「心理ベースのアドバイス」すなわち、
育児の問題や悩みをただ傾聴して受け止める方法 気持ちや心に訴えるような物言いで片付けようとする支援は無責任だ、と私は強く感じています。

子供の気持ちに寄り添ってあげて
お母さんが幸せで笑顔でいるのが、赤ちゃんにとって一番大切

ってなにそれ?そんなこと知っているわ。
てか、そんなこと言われて問題が解決するとでも思ってるの?
「はい。じゃあ、今から幸せに笑顔で育児を楽しみます!」って切り替えられるくらいなら、そもそも悩まないわぁ。

結局、「愛情」とか「気持ち」とか、目に見えないもののせいにしてお茶を濁すパターンでしょ。
こんなのアドバイスじゃないよね。個人の感想でしょー。

心理系アドバイスがなぜ危険なのか?

育児がうまく行かない理由を「愛情」とか「気持ち」のせいにするのは危険です。その理由は3つです。

1. 解決にならないから。

2. 誰も反論できないから。「愛情のせい」と言われても、それが本当か嘘か検証できないため。

3. 結果的に「個人=親」を責めることにつながるから

人間は、何か問題が起こると、その原因を突き止めたくなるものです。

育児の専門家と言われる人たちが、いつも「愛情」とか「気持ち」のせいにすると、身内や友人など、素人まで同じように言うようになります。

愛情不足だからじゃない?ちゃんと抱きしめて、落ち着かせてあげて

なんでこんなに泣くの?きっと私の愛情が足りないからなのね。

育児を頑張っているママたちが、自分を責めてしまうかもしれません。
これじゃ育児が辛すぎます。
だから私はなんでも「愛情や気持ちのせい」にするアドバイスは嫌いです


行動科学ベースの育児アドバイス

ちなみに、私の専門分野である、応用行動分析(ABA)の育児アドバイスは、具体的な解決法を提示していきます決して愛情、気持ちなど見えないあやふやなもののせいにはしません。ですから、誰かのせいにすることが一切起こりません。

行動科学 (ABA) ベースの子育て法は、人のせいにしない

ABAは基本的に、人間の問題行動をすべて環境のせいとして考える科学です。ABA的な考え方ができるようになってから、私は人に対して腹が立たなくなりました。だって私に対して今、不快なことを言っているこの人の環境が、このように言わせているんだな、この人の性格をこんな風に作ったんだな、と思うと妙に納得できちゃうんです。そう考えるだけで、不愉快で腹立たしい感情が自分から切り離される感じがします。

このような私の個人的な体験から私は「応用行動分析学( ABA )」に傾倒していくことになりました。

同じようなつらい日々をお過ごしのママたちの助けになれるように、今後は、簡単にできるABA育児法を発信していきます。

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