記事一覧
散歩と雑学と読書ノート
読書ノート「ヤーコブソン レヴィ=ストロース
往復書簡 1942ー1982」
E・ロワイエ/P・マニグリエ編、みすず書房、2023
本書は20世紀の偉大な言語学者ロマーン・ヤーコブソンと偉大な人類学者クロード・レヴィ=ストロースが1942年にニューヨークで出会い、1982にヤーコブソンが亡くなるまでの間に交わした書簡群を始めて編み、2018年に公刊された著書の邦訳である。
ネット環境のゆき
散歩と雑学と読書ノート
「脳のリズム」をめぐる読書ノート
生物が生きている環境は多様なリズムに満ちている。一方生物もまた多様な様相で固有のリズムを形成している。そして生物は環境のリズムを引き込むなどによって環境とリズム的関係をとり結んでいる。たとえば概日リズムに対応する生物時計は人間の場合は特に意識や睡眠リズムや行動や身体機能の様々なありかたに概ね24時間の周期性を与えている。さらに、概日リズムの振動に関与する遺伝子も
散歩と雑学と読書ノート
「北の縄文世界と国宝」展をめぐって1.縄文とアイヌとの関係及び縄文とケルトの比較考古学
2021年に「北海道・北東北の縄文遺跡群」がユネスコの世界文化遺産に登録された。それを記念して2023年7月22日から10月1日にかけて北海道博物館で特別展として「北の縄文世界と国宝」展が開催されている。主催は北海道新聞社とNHK札幌放送局である。
私は9月1日に娘の夫と二人で北海道博物館に出かけた。特
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読書ノート
最近は小説を読む機会が少なかったが、この一か月ほどの間に私は三冊のそれぞれ異なるタイプであるが、いささか重い小説の世界に浸ることができた。
大江健三郎の「万延元年のフットボール」を読み終えて、まもなく村上春樹の6年ぶりの長編小説「街とその不確かな壁」が出版された。
村上春樹のファンである私は早速買っていつものように短時間で一気に読んだ。一気に読まさるところに村上文学の良さと問題点