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村上春樹『街とその不確かな壁』|ハルキ作品と私

どうかしたの?とぼくはようやく声に出して言う。なにかあったの? きみは無言のまま首を横に振る。 小さな女の子たちはまだブランコを揺らしている。 やがてきみはぼくの手をはなし、ひとこともなくベンチから立ち上がる。 ぼくらは公園を出て、街の通りを歩き続ける。11-71

2か月前

ぼくらは地下鉄の駅近くの、小さな公園で待ち合わせている。 しかし約束の時刻になってもきみは現れない。 実際にきみの隣にいて、…、手を握ったり、物陰でこっそり口づけしたりすることの方がずっと良い。 でも、約束の時刻から三十分経過しても、まだきみは姿を見せない。11-69

2か月前

村上春樹氏の本『街とその不確かな壁』感想が特にスキを集めたらしい。 深い考察ではないけれど、率直に思ったことを書いてみた。コメントもいただけてありがたい! https://note.com/sugamari_spirit/n/n1f7df3c948b3

きみはただ、ひとつの場所に留まっていたくなくて歩き続けているだけだ。 こんなとき、どう振る舞えばいいのだろう? この世界は、ぼくがまだ経験したことのないものごとで満ちている。 だからぼくはそんな普段とは異なるきみを前にして、途方に暮れてしまう。11-72

2か月前

海というものが永劫に変化することのない存在であるからだろう。 ぼくがきみとの間の心の絆を…、…永劫的なものにしたい…、…雨が静かに降りしきる海の光景になる。 ぼくときみとは浜辺に座って、そんな海と雨を見つめている。 永劫を求めない愛にどれほどの値打ちがあるだろう?11-67

3か月前

創作大賞2024・オールカテゴリ部門に、村上春樹・街とその不確かな壁を投稿します。内容は村上春樹の小説、街とその不確かな壁をつぶやき小説にアレンジしたものです。短文の拘りをお楽しみ下さい。https://note.com/tablegood0212/m/m66528a814913

2か月前

「街とその不確かな壁」 村上春樹 著 新潮社

2か月前

ハードボイルド書店員日記【197】

2週間前

村上春樹をダシにして、読む。

2か月前

3. 「街とその不確かな壁」村上春樹

永遠の夢 村上春樹「街とその不確かな壁」感想文

近くに村上春樹の「街とその不確かな壁」を読んでいるおにいさんがいる。まだはじめのほうだ。私はまだそれを読みきれていない。けれどめちゃくちゃ話しかけてみたい。「どうですか?私はこの本のしっとりとした空気が好きなんですが」

きみの一対の胸の膨らみ…、きみのスカートの中…考える。 ぼくとしては…本当に考えたくないのだ。 もう一度、雨降りと海のことを頭に思い浮かべようとする。 でも海辺のイメージはうまく脳裏に蘇ってこない。 ぼくの意志とぼくの性欲は、…、別々の方向に進んでいくみたいだ。11-68

3か月前

電車に乗ってきみの住む街に、きみに会いに行く。 日曜日の朝の電車は乗客がまばらだ、…、永続的なという言葉について考えを巡らせる。 永続的という言葉から思い浮かべられるのは、海に雨が降っている光景くらいだ。 ぼくは海に雨が降っている光景を…、ある種の感動に打たれる。11-66

3か月前

村上春樹の乗り上げた暗礁から「降りる」にはーー自己ではなく世界を愛すること、そして「老い」の問題

7か月前

私の夢読みの技術には向上らしきものは見られない。私は間違った場所で間違ったことをさせられているのではないか? 「心配しないで」と君はテーブルの向かい側から、私の目をのぞき込むようにして言う。 夢読みの合間に、君のこしらえてくれた濃い緑茶の薬草茶を飲む。10-63

4か月前

約束の時刻より四十分遅れてきみは姿を見せる。 たぶんここまで走ってきたのだろう。 きみは丸襟の白いブラウスを着ている。 きみがぼくの想像したのとほとんど同じ服装をしていることにぼくは驚き、言葉を失ってしまう。 …、…、日曜日の公園のベンチでまぶしく美しく見える。11-70

2か月前

「街とその不確かな壁」を読んで(2024.02.05)

6か月前

私は官舎地区と呼ばれる区域に、小さな住居を与えられている。 住居には生活に最低限必要な、簡単な家具と什器が備られている。 台所では簡単な料理ができるようになっている。 窓には木製の鎧戸がついている。 昼間はそれを閉ざして、陽光を遮ることができるように。10-61

5か月前

一日の仕事を終え、…君を「職工地区」の共同住宅まで送る。それが日々の習慣になる。 私と君は肩を並べて…ただ黙っているだけだ。 雨が降ると…黄色いレインコートを着て…緑色の帽子をかぶる。 …君は立ち止まり、…私の顔をしばしの間のぞき込む。 「また明日」と私は言う。10-64

4か月前

村上春樹に見る統合失調症:病名が記されない理由

私は昼前に目覚め、支給された食材で簡単な食事を作って食べる。 …、自分という体の檻から意識を解き放ち、想念の広い草原を好きなだけ走り回らせる…。 …、門衛がそろそろ角笛を吹き鳴らそうかという時刻に、私は意識を今一度身体に呼び戻し、家を出て徒歩で図書館に向かう。10-62

4か月前

村上春樹 『街とその不確かな壁』

2か月前

「どうしてみんなは影を棄てないの?」と君は尋ねる。 「人々は影の存在に慣れていたから。現実に役に立つ立たないとは関わりなく」 「私達は物心がつく前に影を引き剥がされる。そして切り取られた影たちは壁の外に出される」 「影たちは外の世界で、自分だけで生きていくんだね?」9-58

6か月前

『街とその不確かな壁』読了

9か月前

わたしは一日中眠いのに

7か月前

「君の影はどうなったのだろう?」 「さあ、それはわかりません。…死んでいるはずよ」 「…どこか遠いよそにやられて、やがては命を失っていきます」と君は言う。 「影が死ねば…、あとに静寂が訪れるの」 「壁が…護ってくれるんだね?」 「その為に…やって来たのでしょう」9-59

6か月前

街とその不確かな壁

越えられない壁と、この不確かな街。

街とその不確かな壁/村上春樹

「職工地区」は旧橋の北東に広がるさびれた地域だ。 …で君は急に歩みを止め、振り返って私に言う。 「送ってくれてどうもありがとう。家までの帰り道はわかりますか?」 「たぶんわかると思う。…」 君は…、私に向かって短く肯く。 私は…、ゆっくり歩いてうちに帰る。9-60

6か月前

メスガキわからせストラテジーとその不確かな壁

君は白い大きな布きれで、…私の前の机の上に置く。 彼らの語る声は…、聞き取る事ができない。 「いかがですか?お仕事はうまく捗っていますか?」 「少しずつは、でもやり方がどこか間違っているのかもしれない」 「急ぐ必要はありません。時間ならここにはいくらでもあります」7-40

6か月前

きみはぼくのユーモアをいつも喜んでくれた。 「ビタミンなんとかみたいに?」 「そう。ビタミンなんとかみたいに」 ぼくはきみに夢中になっていた…。 …、実際的で具体的なものごと…書こうと心を決めていた。 きみの手紙には、…内面的な思い…多く書き記されていた。6-34

6か月前

例のエッセイ・コンクールみたいなのがあって、表彰式の会場であなたに出会ったのです。 あなたはわたしの夢の話に興味を持って、とても熱心に聞いてくれました。 わたしはときどき同じ言葉をひんぱんに使ってしまうことがあります。 そうそう、わたしが見た夢の話ですね。8-50

6か月前

「もしこの世界に完全なものが存在するとすれば、それはこの壁だ。…誰にもこの壁を壊すことはできない」、門衛はそう断言した。 「煉瓦と煉瓦の間が、髪の毛一本入る隙間もないくらいかみ合っているはずだ」 「このナイフで煉瓦を引っ掻いてみな、傷ひとつつきはしないはずだ」7-37

6か月前

きっと夢はみない

ぼくらは二週間に一度位長文の手紙をやりとりをした。 どんな事を自分が手紙にかいたのか、具体的な内容はよく思い出せない。 日々の生活や身のまわりで起こった小さな出来事について書き記した。 彼女が相手だと、何によらず自然に文章を書く事ができた。 生まれて初めての事だ。6-33

6か月前

きみの夢の中にぼくが登場することがあった。 きみは自分の見た夢をすべて正直に語っているのだろうか? ぼくは、この世界に心に秘密を抱かないものはいないと思う。 人がこの世界を生き延びていくためには必要なことなのだ。 そうじゃないのだろうか?6-36

6か月前

この実際の世界で……行き来は自由だ。 ぼくは…郊外住宅地に住み…きみは…都市の中心部に住んでいる。 その夏、ぼくは高校三年生、きみは二年生だ。 ぼくがきみの街を訪ねる時、…..それとも公共の植物園に行く。……二人だけのひっそりとした会話に耽ることができる。2-14

7か月前

『神学でこんなにわかる「村上春樹」』(佐藤優・新潮社)

4か月前

我々は…街灯の下、…東に向けて歩く。 君は私がこれまで住んでいた「遠くにある東の街」のことを知りたがる。 「そこはどんな街だったのかしら?」 「あなたが住んでいたその街では、人々はどんな生活を送っているのかしら?」 私たちはそこでどんな生活を送っていたのだろう?7-43

6か月前

木曜日に生まれると

5か月前

「わたしの場合、枕元にノートと鉛筆を置いて、…見た夢を記録するの。…、多くの大切なことを教えてくれるから」 「多くのたいせつなこと?」 「わたしの知らないわたしについてのこと」 「あなたも努力すれば、…思い出せるようになるはずよ。…どんな夢を見ているか知りたいから」6-35

6か月前

誰もわたしの見た夢の話になんて関心を持たなかったし、わたしのように夢のことを大事に考えている人は、ほかにいないみたいだった。 そしてその代わりに枕元に小さなノートと鉛筆を置いて眠るようになりました。 ノートがゆいいつの友だち、なんてまるでアンネの日記みたい。8-49

6か月前

「私の影はこれからどうなるんですか?」 「こちらでお客として大事に預かっておくよ。…。まあ、たまに仕事も手伝ってもらうが」 「どんな仕事ですか?」 「ちょっとした雑用さ。…。…季節によって少しずつ違う」 「もし私が影を返してもらいたいと思ったときは?」9-56

6か月前

わたしは…、その夢の内容を…、枕元に置いたノートに…書き記しました。 …実際の日々の暮らしと、夢の中での出来事は…違うものです。 …夢の世界は…現実と同じくらい、…もっと現実感をそなえたものなのです。 「…、…現実の生活で経験したこと…、…それとも夢で見たこと…?」8-48

6か月前

村上春樹クロニクル(時代設定と年齢等に関する備忘録)

11か月前