マエダタツヤ

ドキュメンタリーを作るTVプロデューサー。サンデースポーツ、スポーツ×ヒューマン、クロ…

マエダタツヤ

ドキュメンタリーを作るTVプロデューサー。サンデースポーツ、スポーツ×ヒューマン、クローズアップ現代「是枝裕和xケン・ローチ」文章を書く仕事も待ってます。 E-mail: YHZ01666@nifty.com Twitter @yatsutadaema

マガジン

  • Writing about のん

    のんさんについて折々に書いてきた文章をまとめました!

  • サブスクとかでドキュメンタリーを見て何か書く

    ドキュメンタリーを作るテレビプロデューサーが他社や映画のドキュメンタリーをを見て考えたり感じたことを書いてみます。

  • 書くRock!

    音楽やミュージシャンについて書いた文章です!

  • スポーツ×ヒューマン元編集長後記

    「スポーツ×ヒューマン」編集長後記の過去ログです

  • 「僕はこんなこと考えている」

    プロデューサーとしてテレビ番組を作りながら、考えたこと感じたこと。 楽しかったことと、失敗したこと。

最近の記事

「虎に翼」と、僕らの戦い

毎日の楽しみは、「虎に翼」。楽しみなドラマがあることが、どれくらい毎日を豊かにするかを「まんぷく」再放送に続いて実感する日々。 女性の物語。立ち上がろうとする女性たちの物語だ。武器は法律だ。そして壁として立ちはだかるのは、今でも変わらずある男性中心の硬直した社会だ。複雑な思いはある。それでも、ワクワクする気持ちが勝る。 男社会のおかしな事に出会った時、伊藤沙莉が演じる主人公、寅子は「はて」と立ち止まる。普通のドラマなら怒って戦う場面でも、「はて」 そこにこのドラマのしなや

    • 大谷翔平のこと

      大谷翔平のこと。真実がどこにあるのかはわからないけれど、スポーツ好きとして気になることはある。 記者会見。多くの人が指摘したように、水原氏を語る言葉は「あの人」から「彼」になり、「一平さん」で落ち着いた。 真実がどこにあるかはわからない。 伝わってきたことは、大谷が会見で語った経緯は、綿密に打ち合わせされたもので、大谷翔平は「そう語らなければ」危機に陥る状況だったのだろう、ということ。どういう危機か、それはきっと野球ができなくなる危機だ。 押さえつけていたものは水原氏へ

      • のん新作PV「夢が傷むから」に寄せて

        のんの新しいPV「夢が傷むから」 彼女の新しい歌も楽しみだったけど、彼女が監督し又吉直樹が出演したPVの方がもっと楽しみだった。そんなアーティストは稀有だと思う。 PVの中でのんは、又吉と同じようなソバージュで、又吉の青春時代の姿を演じる。又吉本人は、現在の又吉として出演し、のんは、同じ画面の中でヤング又吉として存在する。 驚くほど違和感がない。そう、それは本当に驚くほど。 若い男性をのんが自然に演じることは、「さかなのこ」を経験しているから何も不思議ではない。 不思議だ

        • 君の目の前で

          「そんなことないよ」って 君にそう言ってほしくて 僕は自分の悪口を言い続けたんだ 静かに見つめる 君の目の前で 「そんなことないよ」って 君にそう言ってほしかったから

        「虎に翼」と、僕らの戦い

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        • Writing about のん
          5本
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          17本
        • 書くRock!
          14本
        • スポーツ×ヒューマン元編集長後記
          21本
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          23本
        • あの試合が忘れられない
          14本

        記事

          箱根駅伝と北陸の地震と熊本の自分

          箱根駅伝を見ながら、熊本でのんびりと過ごす正月。 中継所でたすきを渡した選手を、大きなタオルで受け止める部員はいい。倒れ込んでしまう前にうまく抱きかかえようと飛び出してくる。きっと彼らも何度もイメトレしているんだろう。 笑顔で選手と並走する給水係の部員もいいな。必死に並走する部員の姿に選手のスピードのすごさが伝わってくる。 車で選手を鼓舞する監督もいい。「頑張れ」と思っていても、ただ頑張れとは言わない。選手ひとりひとりに響く言葉を選び抜いて大声で届ける。 関西で地震が

          箱根駅伝と北陸の地震と熊本の自分

          僕らの時代

          (年末に暗い文章をシェアするのはどうかな、と思ったのですがこの一年、僕はこんな事を考えてきました。書きたかったし、読んでほしいなと) 自転車に乗ると皆、手離し運転をして遊んだ。 小学生の頃。片手離しは当たり前で、たまには両手を離して乗ってみる。それは勇気というよりは無謀さを競う遊びだった。 どちらが危険に近付けるか、どちらが怪我を恐れないか。チキンレースやロシアンルーレットじゃないけれど、自分を破滅や死に近付けられた方が格好いい。僕らの時代にはそういう美学があった。あれは

          プロフェッショナル仕事の流儀「宮﨑駿」感想記「わかることと、わからないこと」

          わかりにくい映画についてのわかりやすい番組だった。決して不満ではない。一瞬たりとも目を離さずに見終えた。そんな番組はそんなにない。 番組を見ながら、色々なことをグルグルと考え続けた。そんな時間も嫌いではない。 満足もあり、不満もある。不満というか、納得できない気持ち、というのだろうか。うまく書けるかわからないけれど、何かを書いてみたいと思う。そんな気持ちになる番組も久しぶりだから。 番組は「君たちはどう生きるか」ができあがるまでの2399日。あの、極めてわかりづらい映画のメ

          プロフェッショナル仕事の流儀「宮﨑駿」感想記「わかることと、わからないこと」

          情熱大陸「ゆりやんレトリィバァ」感想

          期待を持って見た。
女性芸人ゆりやんレトリィバァの情熱大陸。テーマは「怒り」だと言う。 「彼女の笑いは怒りから生み出されている」 
そのテーマは、彼女の佇まいにふさわしく思えた。
ゆりやんは何に怒っているのか? オープニングで紹介されるのは、何かに怒り泣き叫ぶゆりあんの姿。どんなストーリーが待ち受けているのか。期待を持って見始めた。 結論から言えば、期待された答えは明確には提示されなかった。ドラマ撮影や怪我などの事情があったのか、密着の度合いは薄かった。それでも退屈ではな

          情熱大陸「ゆりやんレトリィバァ」感想

          何の義理もないけど、U-NEXTのスケボードキュメンタリーを薦める

          使いやすいU-NEXT 暇な時にホイホイとマイリストに追加したものを暇な時に見る。ちょっと見て合わなかったら止める。 気楽に楽しめて、変なアルゴリズムの感じがないのが性に合います。 スケボーのレジェンド(知らなかったけど)のトニー・ホークのドキュメンタリー。めっちゃ良かったです。 ひょろひょろだった主人公がスケボーチームに加わってスターになったり、奢って失敗したり、X-GAMEの勢いでレジェンドになったりの道のりが、めっちゃ丁寧に描かれてます。 格好いい映像もあるけれど

          何の義理もないけど、U-NEXTのスケボードキュメンタリーを薦める

          岩井俊二監督の「キリエの歌」を見る(ネタバレばかりです)

          【1・事前の知識】 ・アイナ・ジ・エンドの存在感がすごいらしい。 ・岩井俊二の映像美も相変わらずのようだ。 ・映画評では賛否がわかれているらしい ・上映時間は3時間あるとのこと 【2・岩井俊二作品の経験値】 ・東京少年PV「陽の当たる坂道で」は好きだったな ・日本代表ドキュメント「6月の勝利の歌を忘れない」の編集は凄かった ・「Love Letter」は見た気がする。雪のシーンが美しかった。 ・「スワロウテイル」は見たんだっけ? たぶん見てないな。 【3・映画館】

          岩井俊二監督の「キリエの歌」を見る(ネタバレばかりです)

          君の道

          道を切り拓こう  そんなに広い道じゃなくていい 自分が歩ける幅の道 それを切り拓いていこう そう考えて歩んできた 誰かが後を歩んでくれたらいい そんな事も考えたけれど 切り拓いてきたのは それなりに独特な道 曲がりくねって 大通りからは外れてる 振り返っても 誰もいないかも そんな風に考えてきた ふと振り返ってみると やっぱり誰もいなかったけど 違う道が見えた 僕とは違う自分の道を 切り拓こうとしている後輩がいた 彼や彼女なりの道を その方が嬉しい 彼ら彼女らの道は 僕

          後輩のノートに

          僕は悩みがちな後輩のノートに大きな文字で書いた。 お守りを渡すような気持ちで。 「〇〇さんは、才能と向上心を持ち周囲に気を配れるなかなかの人です。 もしかしたら僕が見えてない欠点があるかもですが、それは皆そうだから気にし過ぎないこと。 自分の良い部分を自分で認めて、大切にすることが何より大事です」 また迷ったらノートを広げなよ。中学生のような文字で書かれた言葉が、君の助けになるといい。 本当はそんな事はしてないけど、いつかそんな事ができたらいい。

          後輩のノートに

          「1から不思議を生きてみる」体験記

          東京からの出張帰り、京都で途中下車して京都国際舞台芸術祭、イ・ラン さんの「1から不思議を生きてみる」を体験する。 東九条の街をイ・ランさんのストーリーを聴きながら歩く。指定された地元の建物の前でスマホの再生ボタンを押すとストーリーが始まり、また別の場所に歩いて、また聴く。 ストーリーは自分のアイデンティティを問い直すもの。日本人でも韓国人でもない、誰でもない視点が自分にインストールされていく。心地良い京都弁で語られるストーリーは、イ・ランが歌やエッセイで綴られる世界観と

          「1から不思議を生きてみる」体験記

          似顔絵を描くように

          似顔絵を描くように 誰かのことを書けたらいいのに 誰かのことを書いて、 あまり特別な意味を持たない感じで、 気楽に伝えられたらいいのに ちょっと思いついてサラサラと、 君の似顔絵を描いてみたんだけど、どうかな そんな風に手渡したいよ  君について書いた文章を 似顔絵や鼻歌は、意味を持たずに フワフワいけるけど、 言葉はすぐに意味を持ってしまうから難しいな せめて詩ならどうだろう 君についての詩、ですらないよ 君について書きたい気持ちの詩 それが、この詩です 何のことや

          似顔絵を描くように

          何かの代償

          酔っ払って朝、僕は眼鏡を無くした事に気付く 眼鏡か、と僕は思う 眼鏡は惜しいけど、また買えばいい もっと大切なものを失うよりは、ましだよね その日の夜、自転車で転んで膝を痛める 膝ですか、と僕はつぶやく 膝で良かったと、思うべきなんだろうな 膝は痛いけど、歩けることは歩ける きっと僕は何を失う代わりに膝を痛めたんだろう そう思えば僕はラッキーだ 違う日の朝、鏡を見るとまた髪がなくなっている いいですよ、と僕は言う 髪ならば差し出しましょう (嫌だけど) それが何かの

          日曜の午後のミステリーツアー

          これはミステリーツアーだぞ。 父親はそんな事を言って、僕ら姉弟を連れ出した。日曜日の午後。 行き先を決めずに出かけるからミステリーツアー。それはきっと行き先が定まらないからそう言ってただけなのだと、今なら気付くけど。 小学生の僕は、その響きにとってもワクワクした。どこに行くのか決めずにどこかに出かける。そんなことしてもいいの? ノープランの親によるミステリーツアーは、結局ふたつ先の駅をうろうろして帰ってくるだけだったりしたけれど、あの時のワクワク感は忘れられない。 日曜

          日曜の午後のミステリーツアー