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スポーツ×ヒューマン元編集長後記

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「スポーツ×ヒューマン」編集長後記の過去ログです
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記事一覧

スポーツ✕ヒューマン「ラグビー・松田力也」感想文

後輩が作ったドキュメンタリーを見て感じた事を書きました。 男には2つの傷があった。 ひと…

マエダタツヤ
8か月前
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#19 「あの青空のように」

五輪の季節になると、ひとりの選手を思い出す。バハマのドナルド・トーマス。バスケの世界から…

マエダタツヤ
11か月前
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#16 「心が震える」陸上・新谷仁美

取材するアスリートがあまり調子のよくない時、制作者は2つのタイプに分かれる。 「面白くな…

マエダタツヤ
11か月前
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#14.5 「いいもの」ができる時

番組作りを始めて30年くらい。極意のようなものは掴めないけれど、「いいもの」が出来上がって…

マエダタツヤ
11か月前
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#16.5 「千葉すずの夏」

大阪の公立小学校のプールで、その人は泳ぎを教えていた。 「ねぇねぇ、オリンピック出たこと…

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#13 「君の声 僕の声」#アスリートは黙らない

誰かの声を借りて、自分の思いを伝える。 テレビディレクターの仕事は、どうしてもそんな仕事…

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#17 「見知らぬ街で」南スーダン陸上選手

見知らぬ街で、君に出会った。君をもっと知りたいと思った。 南スーダンからやってきた4人の陸上選手を追いかけた600日。南スーダンはあまりに離れていて、選手たちも最初はどこか縁遠く感じる。 でもそれはすぐに変わる。アブラハムはしっかりとしたお兄さんで、ルシアは繊細な女の子。番組が終わる頃には、すっかり友達のような気持ちになっている。 アブラハムの真っ直ぐな夢。ルシアの揺れる気持ち。マイケルの将来に向けた計画。家族を思う気持ちも、友人ができた喜びも手に取るようにわかる。悩み

#21「すばらしい日々」日大女子弓道部

大学の部活やサークルは特別な時間。中学や高校とは、ちょっと違う。 10代を終え、20代を…

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#15 「風を追いかけて」ラグビー福岡堅樹

風のように、その男は駆け抜ける。 トップスピードで走りながら瞬時に左右を確認し、走り抜け…

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「魔法を信じるかい」

プロデューサーの主な仕事は、ディレクターが作ったVTRを試写して完成に近づけていく仕事。も…

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#11 「一度だけの季節に」フィギュア鍵山優真

「その時」に立ち会えたら。 アスリートを取材するときは、そう考えている。オリンピックの大…

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#12 「きみを、おぼえている」競泳日本選手権

なぜ、私じゃないのか。 そんな問いを発したくなる時は、誰にだってある。誰よりも努力を重ね…

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【編集長後記】#7「過ぎ去らないもの」 アスリート自撮りドキュメント

頑張れば頑張るほど報われると信じていた。明日は今の延長線にあるはずだった。長い時間をかけ…

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【編集長後記】#6 「僕らの自由を」ブレイキン半井重幸

「あの人は、自由だよね」 そんな言葉が決してポジティブな意味では使われない、今。 パリ五輪の新競技ブレイキンは「自由さ」を競う競技だと言う。それって厳密にルールを定めない言い訳じゃないの。なんかノリで決める感じのやつでしょ。そんな見方をする人はきっといるし、自分の中にもあった。 半井重幸のダンスを見るまでは。 「一目瞭然」という言葉が、ぴったりだった。 たとえばショーン・ホワイトの滑りが、スノーボードへの偏見を一瞬でぬぐい去ったように、そのダンスを見ればすぐにわかる。それ