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ウィリアム・ギブスンの小説に、ハッカーたちの集う《茶壷》というバーが出てくる。こちら《…

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ウィリアム・ギブスンの小説に、ハッカーたちの集う《茶壷》というバーが出てくる。こちら《chatsubo》は現代の茶室的妄想文学空間。都市を回遊するカラフルな都会人たちが、今宵もまた《chatsubo》に出没する。JOIN US!

マガジン

  • 毎日書く。

    小説を書くためのノリというか、バイブスを新鮮に保つために、毎日書く。小説とは関係のないことが、関係をもつようになってくる。そうしてノリを更新しつづける。

  • ひとり小説会議

    小説を書く前に、一人であれこれブレーンストーミングしている過程を書き留めています。

  • THE CHATSUBO PEOPLE

    Chatsuboに出入りする、都市遊泳者たちのつぶやき。街のあちこちで、彼らの眼が風景を鮮やかに切り取る。敷衍された《俳句》としての、140文字のつぶやき、ともう少し長いスケッチ。

  • CHATSUBO CLIPS

    Other writers' articles to help you write without writing.

  • SF小説|Being Covered

    仮想空間にある文学バー《Chatsubo》に集う、カラフルな人物たちの物語。あらゆる出来事が、タロットのカードのように表象的になる一方で、モノの質量は増加を続ける。物質⇆非物質の交差がもくもくと蒸気をあげて繰り広げられる。Vaporwave精神を言祝ぐ。

最近の記事

  • 固定された記事

今日の《Chatsubo》。ソル、FH、壺井、アルジズ・・・。いつもの顔ぶれが仮想的文学バー《Chatsubo》で飲んでいる。濃密な茶室的空間がいや増す。まったりとした夜の時間はまだまだ続く。今日は誰が打ち明け話を始めるのだろう・・・?

    • 書きたいことを言語化できないときに。 TAE(thinking at the edge)という手法

      自分の身体感覚に注意を向けて問題解決をする、というかインサイトを得るというメソッドがあって、フォーカシングというんですが、 読書猿さんの『アイデア大全』を何気なくめくっていたら、 フォーカシング/ 言葉にならないものを言語化する汎用技術 TAEのマイセンテンスシート/ 何を書くかを身体に尋ねる という章が目に留まりました。フォーカシングは独学ですが少しかじったことがあって、でもずっと忘れていました。 書きたいことがぼんやりとあるんだけど、言語化できないという今の僕の

      • 綿矢りさ『インストール』と『You can keep it.』#2

        綿矢りさ『You can keep it.』を読んだ。『インストール』に収録されている短い掌編です。 感触が樋口一葉のような感じ。舞台こそ大学の校舎だったりするけども、何かクラシックな感じがする。 ほんでもって、三人称視点で描かれているんだが、時折り、語り手の視点がグッと対象の人物の内面へ深く入り込む。その深度がざくっと深い。こんなに入り込んでいいんだ、と僕は驚いた。自由間接話法とかいうやつなんだろうけど。自信がない。 主人公を描写するのに、こんなに深く、たっぷり量を取

        • カッコ悪いとか、カッコいいとか。

          yukijiさんという、ギタリストのための作曲教室をされている方のnoteに、ナイスな考えが示されていたので紹介します。 曲を作ったりするのは、特段カッコいいことでもない、という指摘がガツンときました。確かにな~、そうなんだよな、でもカッコいいとも思いたい。みたいな。 僕は音楽方面の創作には疎いのですが、小説を書くことに当てはめるとよくわかります。うまくなってから上げよう、うまくなってから応募しよう、理論本を読んでから書こう・・・・・・というリストがいつまでも続きます。

        • 固定された記事

        今日の《Chatsubo》。ソル、FH、壺井、アルジズ・・・。いつもの顔ぶれが仮想的文学バー《Chatsubo》で飲んでいる。濃密な茶室的空間がいや増す。まったりとした夜の時間はまだまだ続く。今日は誰が打ち明け話を始めるのだろう・・・?

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        記事

          綿矢りさ「You can keep it.」#1

          綿矢りさ『You can keep it.』(『インストール』所収)を読もうと思う。 高橋源一郎がこの短編について次のように言っていたからです。 綿矢さんの小説は「~のように」という比喩が多いのだが、またか、って感じがせずに、初めて読むような気がする。それから、個性的であろうとする姿勢がなくて、「私」感が薄い、と。 「魂の漆黒の闇の中では、時刻はいつも午前三時だ」と言ったのは、F・スコット・フィッツジェラルドらしいですが、綿矢りさには「魂の午前三時」的臭さがない、と。

          綿矢りさ「You can keep it.」#1

          「対称性」で、頭をつかわないで書く。

          中沢新一が言う「対称性」という概念があるんですが、僕には不思議な考え方に思えるんです。「対称性」というのは、こんな含みのある言葉だったんだっけ? と。 まず、非対称性というのは、言語をつかって自他の区別をはっきりさせること。 それに対して、対称性は、言語をうまくつかえなくて、AとBの区別ができないこと。自他の区別のうすい世界。つまり、整合性を信じない小説。個人的妄想に根差している。自他の線引きが大ざっぱになってくる。創作論的には、自分の理性に頼るよりも無意識の部分を出して

          「対称性」で、頭をつかわないで書く。

          『アンダー・ザ・ドーム』を読む。

          スティーヴン・キングの『アンダー・ザ・ドーム』を読んでいる。キングを読むのは初めてではないんだけど、こんな作風の人だったっけ? と驚いているところです。 文芸春秋社の、デビュー50周年に合わせたキング解説本をDLしてわかったのは、キングは途方もなく多作で、傾向も様々なんですね。解説本の中では、作品群が4つのマトリクスに分けて解説してあって、「リアル」vs「幻想・怪奇」および「怖い」vs 「エモい」というパラメータになっています。『アンダー・ザ・ドーム』は「リアル」×「怖い」

          『アンダー・ザ・ドーム』を読む。

          水色マフラーの破壊力

          という文章がある。僕ではない人が書いた文章だ。 で、この奇矯に映る男だが、「モスグリーンのコートに水色のたっぷりしたマフラー」、「天然パーマのくしゃくしゃ」の髪、とある。この描写で、なんか小ぎれいな人物を想起してしまうのはなぜだろう? まるでインスタで見かけるおしゃれな男性のようだ。キーは、たぶん、水色のたっぷりしたマフラーだ。 だとしたら、すごいな。水色のたっぷりしたマフラーの威力は。で、もっとこの水色マフラー男の話の続きを読みたいと思ってしまう。 どうしたんだ、こいつ

          水色マフラーの破壊力

          村上春樹小説に漂う〈愚者崇拝〉

          知人のAの話をしよう。Aは極めてエキセントリックな質で、僕はAについて書いているうちに、まるで小説世界の人物のことを書いているような気持ちになる。じつのところ、そうであってもおかしくはない。 xenophobia/ 外国人嫌い/ という単語がありますが、その亜種として、シダ植物嫌いがあるのじゃないか? Aは、シダの類が繁茂するのを極度に憎み、刈り取って回る。Aはほかにもイノシシが嫌いで、戸別訪問する宣教師のグループも嫌いだ。Aにとっては、外国人も、シダ植物も、イノシシも、宣

          村上春樹小説に漂う〈愚者崇拝〉

          ルーン・カードを引く@ひとり小説会議

          小説の主人公が辿る道筋のヒントを得るために、ルーン・カードを引いてみた。 主人公の現状:MANNAZ/ 知性、思いやり、創造性、芸術性、革新性などの資質を活かす(ことが出来るはずなのに、いまだ不活性)。 主人公が運ばれていく非日常世界:NAUTHIZ/ 限界や葛藤が降りかかり、厳しい状況。それでも人々はニードファイアを灯し、苦難が終わることを祈る。自分には何もできやしないという思い込みこそが、時折を阻む最大の制限。 主人公が還ってくる世界:BERKANA/ 自分を大切に

          ルーン・カードを引く@ひとり小説会議

          願いを叶える手帳@ひとり小説会議

          僕の夢は、小説家で食べていけるようになることです。なのに、文章を書くことそのものを放っておいて、夢を叶える方法的なものを熱心に読んでいたりします。今日の僕は、そういう本を読みながら絡む、質の悪いヤツになっています。 夢を叶える方法として有名なものに、「やることをリストアップして、それらをやる日にちをまず手帳に書きこめ!」というメソッドがありますよね。 夢を叶えるために起こす行動を、いつやるか。日にちを決める。僕にはそれができない。だって、今いるところとその日にちとは何の関

          願いを叶える手帳@ひとり小説会議

          夜のコンビニと青いルノー。

          24時間開いているコンビニがすきだ。そんなものは、どこにでもある。それでも僕はそのどこにでもある終夜営業しているコンビニの明かりを眺め、きれいだな、と思うのだ。 僕から滲み出る痩身の「影」が、僕の先に立ってコンビニのドアを開けた。影はちょっと僕の方を振り返り、入るよね? とたずねるみたいにして首をかしげて見せた。僕は影にうなずくと、影のあとについてドアをくぐった。 アイスクリームを買った。名前はわからないけど、カップに入ったチョコサンデーのようなやつ。僕は復活したイートイ

          夜のコンビニと青いルノー。

          夜空にかけらも雲がなく、駅舎の上に掛かる満月がきれいだ。今日の満月は特にピンクムーンと呼ぶらしい。白と黒のブチ猫が横切っていった。

          夜空にかけらも雲がなく、駅舎の上に掛かる満月がきれいだ。今日の満月は特にピンクムーンと呼ぶらしい。白と黒のブチ猫が横切っていった。

          現実の向こう側を書く@ひとり小説会議

          現実にある何かを求める、そういう小説じゃないかも。僕が書こうとしていることは、たぶん「コンセプチュアル・フィクション」とでも言うべき小説だ。 熟練した配管工/ エンジニアである伊佐時折は、どこか鬱屈とした思いを抱えているが、自らのスキルを活かして難局を切り抜け、次第に輝き出す。それが今僕が思いつくプレミス。 何かが違う、間違っている、そんな気がする。小説のこともそうだが、現実世界の僕のまわりの大人たちも。彼らはたやすく壊れていく。わざわざ壊れていくように選択していったよう

          現実の向こう側を書く@ひとり小説会議

          小説を設計するフォーマット@ひとり小説会議

          中村航の『これさえ知っておけば、小説は簡単に書けます。』に沿って、小説を設計してみます。小説の書き方的な本はこれまでにめっちゃ読んできたのですが、書いてあることを一旦は素直に受け入れてみよう、と僕が思ったのは、これが初めてです。たぶん、中村氏の語り口がすっと入ってきたから。 タイトル案タイトルについては、ともかく頑張って粘ってアイデアを出すしかない、と書いてある。僕は果たしてこれまでに、そこまで粘ったことがあったか? いや、5分も粘ったことなかったかもしれない。あれじゃ、ぜ

          小説を設計するフォーマット@ひとり小説会議

          何を書くか@ひとり小説会議

          今日は小説について考えると決めていたので、これから実行するとしよう。 晩飯の献立を先に決めておくことにして、冷蔵庫をのぞくと、昨日の名付けようもない牛肉のソテーがあったので、それをオムレツ化することにして、あとは竹の子の土佐煮と、ほうれん草のおひたし。 で、中村航を読んでます。 確かにな。 で、中村は、自分の小説を読んでほしい読者代表をペルソナと呼ぶんだが、 一人か! ともかく、本の指示に従って、ブレーンストーミングをやってみる。「何を書くか」について。時間は5分

          何を書くか@ひとり小説会議