新芽 取亜 ―symmetria―

アメブロにて主にクラシック音楽CDなどのレビューを綴っています。このnoteにも (コ…

新芽 取亜 ―symmetria―

アメブロにて主にクラシック音楽CDなどのレビューを綴っています。このnoteにも (コピペですが) エッセイを中心に少しずつ投稿できたら、と画策中…。 「唯我独尊的クラシックCD聴聞記(仮)」➡️https://ameblo.jp/symmetria59-95

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  • note クラシック音楽の普遍化を達成する

    • 2,242本

    クラシック音楽の歴史や作曲家、作品について、哲学的な視点から分析し、その普遍性や深さを探求する和田大貴のnoteです。クラシック音楽について語り合えることを楽しみにしています。参加希望の方はマガジンの固定記事でコメントしてください。

最近の記事

マルケヴィッチ/BPhによるシューベルト/交響曲集 (+α)

「20世紀の巨匠シリーズ マルケヴィチの芸術」からの1枚。イーゴル・マルケヴィチがベルリン・フィルを指揮したシューベルト/交響曲第3番&第4番「悲劇的」をメインに、カップリングとして手兵ラムルー管弦楽団と演奏したハイドン/協奏交響曲とグルック/シンフォニアが収録されている。アンコールプレスされた限定盤。1950年代のモノラル録音 (グルックのみステレオ録音) ながら鮮明な音質で楽しめる。 【収録内容】 シューベルト: 1. 交響曲 第3番 ニ長調 D200 2. 交響曲

    • 浜松市楽器博物館コレクションシリーズ~シューマン夫妻の室内楽

      ロベルト&クララ・シューマンの「ピアノを伴う室内楽曲」を小倉喜久子らピリオド奏者たちが演奏したコンサート・ライヴ盤。コジマ録音からリリースされている「浜松市楽器博物館コレクションシリーズ」からの1枚である。 日本を代表するフォルテピアノ奏者の1人、小倉貴久子が今回弾いているフォルテピアノは浜松市楽器博物館が所有しているコンラート・グラーフ作の歴史的ピアノ (1819-20) である。詳細はライナーノーツに記されているが、その姿はジャケット写真からも伺えるだろう。ただ、見てお

      • ロシア・ピアニズムの系譜

        ロシア・ピアニズムの系譜を紡いできた9人のピアニストの演奏を収録したサンプラーCD。DENONレーベルはソフロニツキーをはじめとして、ロシアのピアニストの名盤をシリーズ化してリリースしてきた。どの演奏も歴史や伝統の重みとともにリスナーの胸に迫る重厚で心に残るピアノであり、それらの一端をここで味わうことができる。 「ロシア・ピアニズム名盤選」と題するシリーズは2003年以降3回にわたりリリース、計55タイトルに及ぶ。アナトリー・ヴェデルニコフ、ゲンリヒ・ネイガウス、ウラジーミ

        • イェルク・デームス/「月影の寺で弾く」

          コンサートで来日中だったイェルク・デームスが録音の少ないグロトリアンを弾いたアルバム。2001年4月録音。当時考えられる最高の条件(無指向性マイクワンペアによる高度なワンポイント録音、ビクターの最新技術K2レーザーカッティング処理を施した24K純金仕上げのゴールドCD)で仕上げられた。ロケーション場所は横浜テラノホールである。 デームスの演奏は全13巻からなる「シューマン/ピアノ曲全集」で親しませてもらっていた。往年のファンであれば「ウィーン三羽烏」の一人として認知されてい

        マルケヴィッチ/BPhによるシューベルト/交響曲集 (+α)

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          バーンスタインによるシューベルト/グレイト交響曲&シューマン/マンフレッド序曲

          検索していて偶然見つけたDVD盤。バーンスタイン指揮によるシューベルト/交響曲第8(9)番「グレイト」とシューマン/「マンフレッド」序曲がライヴ収録されている。前者のオケはバイエルン放送管弦楽団、後者はウィーン・フィル。どちらもCD音源では聴けない貴重なものだが、特に後半のシューマンには驚いた―この演奏の存在すら知らなかったからである。 レニーは1980年代にWPhとシューマン/交響曲&協奏曲の録音 (+映像) を残しているが、そこには「マンフレッド」序曲は含まれていなかっ

          バーンスタインによるシューベルト/グレイト交響曲&シューマン/マンフレッド序曲

          「HAYDN2032」第5集 ―「才気の人」~ハイドン&クラウス/交響曲集

          卓越したリコーダー奏者で、イタリアのピリオド・アンサンブル「イル・ジャルディーノ・アルモニコ」の創設者でもあるジョヴァンニ・アントニーニがバーゼル室内管弦楽団を指揮してのハイドン/交響曲集。カップリングとしてクラウス/交響曲ハ短調が収録されているのが興味深い。実際それがこのアルバムの購入理由であったりする―アルバムタイトルからしても、こちらがメインなのかもしれない。 ジャケット写真の秀逸さやライナーノーツの充実ぶり、個性的で実力あるアーティストが揃っているレーベル「アルファ

          「HAYDN2032」第5集 ―「才気の人」~ハイドン&クラウス/交響曲集

          アーノンクール/CMWによる「若き日の神童モーツァルト」~初期交響曲集

          アーノンクールらしいこだわりに満ちた2枚組アルバム―モーツァルト10代の初期交響曲集の第2弾。家族のように最も信頼のおけるウィーン・コンツェントゥス・ムジクス (CMW) との共演で、しかも手紙の朗読付きという点は第1弾と同じコンセプトだが、こちらは名曲「小ト短調」K.183を含むとあって、より注目できるアルバムとなっている。 アーノンクールが早くからモーツァルト演奏に力を注いできたことはよく知られているし、当時その過激なサウンドが激しい批判を浴びたことは語り草となっている

          アーノンクール/CMWによる「若き日の神童モーツァルト」~初期交響曲集

          アルヴォ・ペルトの世界~「アリーナ」

          エストニアの作曲家アルヴォ・ペルト (1935-) による絶美な音空間。ECMレーベルによる水面のような美しくシンプルなジャケットが印象的なアルバム。2種類の編成による「鏡の中の鏡」(3つのヴァージョン)と、ピアノ・ソロによる「アリーナのために」(2つのヴァージョン) が収録されている。 「沈黙の次に美しい音楽」というコンセプトを掲げたECMレーベルは、その概念に相応しいアルヴォ・ペルトの作品集を何枚もリリースしてきたが、このアルバムはある意味「極めつけ」である―切り詰めら

          アルヴォ・ペルトの世界~「アリーナ」

          シューマン 黄昏のアリア/ミシェル・シュネデール

          精神分析医でもあるフランスの作家ミシェル・シュネデール (1944-2022) が1989年に執筆したシューマン論。日本では1993年に初版が筑摩書房から出版された。フリードリヒの絵画の表紙が美しく、黄昏時の輝きと後に控える暗闇を予感させる。帯に記されている「音楽に秘められた悲劇」という言葉は、誇張ではない。それは読み進めていくうちにじわじわと感じられてくるものでもなく、突如現実として有無を言わせず立ちはだかる。シューマンの音楽に通じれば通じるほど、彼の音楽は痛みのように無視

          シューマン 黄昏のアリア/ミシェル・シュネデール

          ブーレーズによるC.P.E.バッハ/フルート協奏曲&チェロ協奏曲

          思わず目を疑うようなアルバム。あの現代作曲家ピエール・ブーレーズが指揮した、おそらくは唯一のC.P.E.バッハ/協奏曲録音。ジャン=ピエール・ランパルとロベール・ベックスをソリストにフルート協奏曲&チェロ協奏曲を演奏している。オーケストラは明記されていないが、パリ国立歌劇場管弦楽団(現在のパリ・バスティーユ管弦楽団)のメンバーによるものと思われる。通奏低音パートとしてユゲット・ドレフィスがクラヴサンを担当している。 ブーレーズが演奏したバロック音楽で思いつくのはラモーのオペ

          ブーレーズによるC.P.E.バッハ/フルート協奏曲&チェロ協奏曲

          「Morimur」(バッハ/シャコンヌ異説に基づく)

          モノトーンのフォトグラフが印象的な、ECMレーベルらしいスピリチュアルな雰囲気のアルバム。バロック・ヴァイオリン奏者クリストフ・ポッペン&ヒリヤード・アンサンブルとのコラボレーションで「バッハ/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」を中心に、コラールを配置した独特なプログラムになっている。輸入盤(当盤)には80ページにわたるリブレットが付属しており、美しい写真とともに解説がスコア付きで詳細に記されている。2000年録音。 いにしえの聖母マリアにも見えるジャケット写真は、ジ

          「Morimur」(バッハ/シャコンヌ異説に基づく)

          佐渡裕によるブルックナー/交響曲第9番&武満徹/セレモニアル

          ✳️当記事は2021年10月に投稿された記事の再編集版となります―。 何よりもカップリングに興味をそそられたアルバム。佐渡裕/トーンキュンストラー管弦楽団によるブルックナー/交響曲第9番ニ短調(全3楽章版/1894)と、宮田まゆみをソリストに迎えての武満徹/笙とオーケストラのための「セレモニアル-An Autumn Ode-」(1992) という、独創的なコンビネーションを楽しめる演奏である。2017年、ウィーン・ムジークフェラインザールでのライヴ・レコーディング。SACD

          佐渡裕によるブルックナー/交響曲第9番&武満徹/セレモニアル

          ヴィルヘルム・ケンプによるバッハ/ゴルトベルク変奏曲

          先日のコンサートの道中、ブックオフに寄って購入したアルバム。もし見つけたら購入しようと密かに思っていたケンプ盤のゴルトベルクに、まさかこうして出会えるとは夢にも思わず、コンサート開演前にも関わらず満足感を味わったのだった―。 グールド盤を筆頭に、数多くの名盤に恵まれているバッハ/ゴルトベルク変奏曲。ピアノ以外でもオリジナルのチェンバロによる演奏や、弦楽への編曲、室内アンサンブル版まで現れ、多種多様な「変奏」を楽しめる。かくいう僕も世に出回っている数種類のグールド盤を可能なか

          ヴィルヘルム・ケンプによるバッハ/ゴルトベルク変奏曲

          詩人の恋/深水黎一郎

          ✳️本記事は2023年3月に投稿したアメブロ記事に基づいています 深水黎一郎氏の作品を読むのは今回が初めてで、事前情報が殆どない状態でタイトルに惹かれて読み、読了してからネットで調べて色々知ることができた。どうやらクラシック音楽にまつわる作品が幾つかあるようだ―「トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ」(2008)、「五声のリチェルカーレ」(2010)、「ジークフリートの剣」(2010) など―。趣味がピアノとドイツ・リートの弾き語りというだけあって、作品の節々から音楽への造

          詩人の恋/深水黎一郎

          「青い海と森の音楽祭」プレイベント室内楽コンサート(2024/06/08)

          来年2025年夏から青森で開かれる「青い海と森の音楽祭」のプレイベントとして行われたコンサート。「名曲の花束」に相応しい音楽が用意されたが、特にシューマンの歌曲と室内楽を中心としたプログラムに魅せられた。しかもシューマンの誕生日の6月8日に行われるとは「天啓」というほかなく、錚々たるメンバーによる名演奏を楽しむことができた。 青森県五所川原市出身のソプラノ歌手、隠岐彩夏が音頭をとった形で実現した当コンサート。ピアノに横山幸雄、ヴァイオリンに矢部達哉 (2人は音楽祭の特別顧問

          「青い海と森の音楽祭」プレイベント室内楽コンサート(2024/06/08)

          特別対談「シューマンについて僕が語ること」

          今日6月8日はロベルト・アレクサンダー・シューマン(1810年06月08日/ツヴィッカウ-1856年07月29日/エンデニヒ)の誕生日です。僕がコレクションしている数少ないCDの中でも3分の1を占める推しの作曲家シューマン―今回特別企画ということで、自称「シューマニアーナ」であるわたくし新芽取亜が、シューマンについてインタビュー形式で語ってみたいと思います。この度、フロレスタンとオイゼビウスの調停役として知られる「マイスター・ラロ」こと、ラロ楽長にわざわざお越しいただきました

          特別対談「シューマンについて僕が語ること」