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バーンスタインによるシューベルト/グレイト交響曲&シューマン/マンフレッド序曲
検索していて偶然見つけたDVD盤。バーンスタイン指揮によるシューベルト/交響曲第8(9)番「グレイト」とシューマン/「マンフレッド」序曲がライヴ収録されている。前者のオケはバイエルン放送管弦楽団、後者はウィーン・フィル。どちらもCD音源では聴けない貴重なものだが、特に後半のシューマンには驚いた―この演奏の存在すら知らなかったからである。
レニーは1980年代にWPhとシューマン/交響曲&協奏曲の
「HAYDN2032」第5集 ―「才気の人」~ハイドン&クラウス/交響曲集
卓越したリコーダー奏者で、イタリアのピリオド・アンサンブル「イル・ジャルディーノ・アルモニコ」の創設者でもあるジョヴァンニ・アントニーニがバーゼル室内管弦楽団を指揮してのハイドン/交響曲集。カップリングとしてクラウス/交響曲ハ短調が収録されているのが興味深い。実際それがこのアルバムの購入理由であったりする―アルバムタイトルからしても、こちらがメインなのかもしれない。
ジャケット写真の秀逸さやライ
アーノンクール/CMWによる「若き日の神童モーツァルト」~初期交響曲集
アーノンクールらしいこだわりに満ちた2枚組アルバム―モーツァルト10代の初期交響曲集の第2弾。家族のように最も信頼のおけるウィーン・コンツェントゥス・ムジクス (CMW) との共演で、しかも手紙の朗読付きという点は第1弾と同じコンセプトだが、こちらは名曲「小ト短調」K.183を含むとあって、より注目できるアルバムとなっている。
アーノンクールが早くからモーツァルト演奏に力を注いできたことはよく知
アルヴォ・ペルトの世界~「アリーナ」
エストニアの作曲家アルヴォ・ペルト (1935-) による絶美な音空間。ECMレーベルによる水面のような美しくシンプルなジャケットが印象的なアルバム。2種類の編成による「鏡の中の鏡」(3つのヴァージョン)と、ピアノ・ソロによる「アリーナのために」(2つのヴァージョン) が収録されている。
「沈黙の次に美しい音楽」というコンセプトを掲げたECMレーベルは、その概念に相応しいアルヴォ・ペルトの作品集
シューマン 黄昏のアリア/ミシェル・シュネデール
精神分析医でもあるフランスの作家ミシェル・シュネデール (1944-2022) が1989年に執筆したシューマン論。日本では1993年に初版が筑摩書房から出版された。フリードリヒの絵画の表紙が美しく、黄昏時の輝きと後に控える暗闇を予感させる。帯に記されている「音楽に秘められた悲劇」という言葉は、誇張ではない。それは読み進めていくうちにじわじわと感じられてくるものでもなく、突如現実として有無を言わせ
もっとみるブーレーズによるC.P.E.バッハ/フルート協奏曲&チェロ協奏曲
思わず目を疑うようなアルバム。あの現代作曲家ピエール・ブーレーズが指揮した、おそらくは唯一のC.P.E.バッハ/協奏曲録音。ジャン=ピエール・ランパルとロベール・ベックスをソリストにフルート協奏曲&チェロ協奏曲を演奏している。オーケストラは明記されていないが、パリ国立歌劇場管弦楽団(現在のパリ・バスティーユ管弦楽団)のメンバーによるものと思われる。通奏低音パートとしてユゲット・ドレフィスがクラヴサ
もっとみる「Morimur」(バッハ/シャコンヌ異説に基づく)
モノトーンのフォトグラフが印象的な、ECMレーベルらしいスピリチュアルな雰囲気のアルバム。バロック・ヴァイオリン奏者クリストフ・ポッペン&ヒリヤード・アンサンブルとのコラボレーションで「バッハ/無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」を中心に、コラールを配置した独特なプログラムになっている。輸入盤(当盤)には80ページにわたるリブレットが付属しており、美しい写真とともに解説がスコア付きで詳細に記さ
もっとみる佐渡裕によるブルックナー/交響曲第9番&武満徹/セレモニアル
✳️当記事は2021年10月に投稿された記事の再編集版となります―。
何よりもカップリングに興味をそそられたアルバム。佐渡裕/トーンキュンストラー管弦楽団によるブルックナー/交響曲第9番ニ短調(全3楽章版/1894)と、宮田まゆみをソリストに迎えての武満徹/笙とオーケストラのための「セレモニアル-An Autumn Ode-」(1992) という、独創的なコンビネーションを楽しめる演奏である。2
ヴィルヘルム・ケンプによるバッハ/ゴルトベルク変奏曲
先日のコンサートの道中、ブックオフに寄って購入したアルバム。もし見つけたら購入しようと密かに思っていたケンプ盤のゴルトベルクに、まさかこうして出会えるとは夢にも思わず、コンサート開演前にも関わらず満足感を味わったのだった―。
グールド盤を筆頭に、数多くの名盤に恵まれているバッハ/ゴルトベルク変奏曲。ピアノ以外でもオリジナルのチェンバロによる演奏や、弦楽への編曲、室内アンサンブル版まで現れ、多種多
詩人の恋/深水黎一郎
✳️本記事は2023年3月に投稿したアメブロ記事に基づいています
深水黎一郎氏の作品を読むのは今回が初めてで、事前情報が殆どない状態でタイトルに惹かれて読み、読了してからネットで調べて色々知ることができた。どうやらクラシック音楽にまつわる作品が幾つかあるようだ―「トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ」(2008)、「五声のリチェルカーレ」(2010)、「ジークフリートの剣」(2010) など―。
「青い海と森の音楽祭」プレイベント室内楽コンサート(2024/06/08)
来年2025年夏から青森で開かれる「青い海と森の音楽祭」のプレイベントとして行われたコンサート。「名曲の花束」に相応しい音楽が用意されたが、特にシューマンの歌曲と室内楽を中心としたプログラムに魅せられた。しかもシューマンの誕生日の6月8日に行われるとは「天啓」というほかなく、錚々たるメンバーによる名演奏を楽しむことができた。
青森県五所川原市出身のソプラノ歌手、隠岐彩夏が音頭をとった形で実現した
特別対談「シューマンについて僕が語ること」
今日6月8日はロベルト・アレクサンダー・シューマン(1810年06月08日/ツヴィッカウ-1856年07月29日/エンデニヒ)の誕生日です。僕がコレクションしている数少ないCDの中でも3分の1を占める推しの作曲家シューマン―今回特別企画ということで、自称「シューマニアーナ」であるわたくし新芽取亜が、シューマンについてインタビュー形式で語ってみたいと思います。この度、フロレスタンとオイゼビウスの調停
もっとみるシューマンの指/奥泉光
✳️本記事は2021年5月にアメブロで投稿した内容に基づいています
作家・奥泉光 (1956-) がシューマン生誕200年の2010年に執筆したミステリー作品。テーマが「シューマンのピアノ曲」であり、特に「幻想曲 ハ長調 Op.17」から物語が展開してゆく内容に魅せられたのだった。
実際、「幻想曲」についての描写は全ページの中心に位置し、物語のキーパーソンであり根っからのシューマニアーナである
マイルス・デイヴィス/カインド・オブ・ブルー
✳️本記事は2023年4月に投稿したアメブロを下敷きにしています。5月26日はマイルスの誕生日でした。
言わずと知れたジャズの超名盤。あまりにも名盤過ぎて、ジャズ評論家たちも(語り尽くされたと感じ)あえて語ることがないように思えるほどだ。マイルス・デイヴィス・セクステットによる1959年セッション録音。脇を固める(というには豪華すぎる)「キャノンボール」アダレイ&コルトレーンたちも素晴らしいが、
今日5月20日はクララ・シューマンの命日
クララ・ヨゼフィーネ・シューマン(Clara Josephine Wieck-Schumann, 1819/09/13 - 1896/05/20)
ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番~第3楽章カデンツァ。
モーツァルト/ピアノ協奏曲第20番~第3楽章カデンツァ。いずれもクララ作で彼女がコンサートで演奏。
71歳のクララは1891年3月12日にフランクフルトで最後の公のコンサートを行った。彼女
映画「クララ・シューマン 愛の協奏曲」(2008)
原題「Geliebte Clara」。ブラームス家の末裔であるヘルマ・サンダース=ブラームスが監督・脚本を手がけ、ロベルト&クララ・シューマンとヨハネス・ブラームスとの関係に迫る (伝記) 映画。2008年ドイツ上映。カンヌ映画祭や日本では翌年上映された。以前にDVDをレンタルして視聴したことがあったが、この度はYouTubeで全編観ることができた―。
邦画タイトルからすればクララが主人公のよう