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art & fashion

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アートとファッションにまつわるエッセイ集です。「○○とアート」「○○とファッション」などのシリーズはこちらに。
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#旅

弘前つがるこぎんの旅|誕生日には、好きな街で、好きなことを。

弘前つがるこぎんの旅|誕生日には、好きな街で、好きなことを。

おととい神戸から弾丸で青森・弘前に行って、きのう帰ってきました。

14時20分に青森に到着して、翌日の14時に青森を出発する弾丸旅。青森滞在時間はわずか23時間40分。それでも行こうと思ったのにはわけがありました。

青森での出会いわたしは神戸でウェディングドレスをつくる仕事をしています。

「フジドリームエアラインズ(FDA)青森ー神戸便の利便性を活かした青森・神戸のビジネス交流会」という事業

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【いとへんの旅】こぎん・裂織・端縫い・アイヌ衣装、装飾する北の魂にふれる旅

【いとへんの旅】こぎん・裂織・端縫い・アイヌ衣装、装飾する北の魂にふれる旅

日本各地の衣装や布をめぐる【いとへんの旅】をしている変態、タケチヒロミです。

いとへんの旅とは、ドレスのオーダー制作とリメイクの仕事をしているわたしが、たったひとりで、誰に頼まれたわけでもないのに、じぶんの興味と研究のためだけにしている旅のことです。

北海道と北東北さて、この1年ほどで、わたしのなかで日本の北方面ブームがやってきています。具体的に言うと、「北海道と北東北」ブームです。

北東北

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「日本各地の布をめぐる【いとへんの旅】をしている変態です」と紹介された私

「日本各地の布をめぐる【いとへんの旅】をしている変態です」と紹介された私

こんにちは。青森県で開催された「青森ー神戸ビジネス交流会」で、神戸スタッフに、「日本各地の布や伝統工芸をめぐる【いとへんの旅】をひとりでされている変態です」と紹介されたタケチヒロミです。どんなんや。

そうなんです。青森県庁の職員さんや青森の企業家さんたちが参加されているような真面目な交流会で、変態だと紹介されたんですよ。最高でしょ。

それがどれくらい真面目な会なのかというと、青森県庁のウェブサ

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ワクワクできるかどうかを最優先にしてみてもいいのかも

ワクワクできるかどうかを最優先にしてみてもいいのかも

旅に仕事に大学の勉強にと、いろいろやっているわたしですが、本業はウェディングドレスのオーダー制作とリメイクの仕事をしているドレスの仕立て屋です。

先日、花嫁さまとお小物合わせをしました。「お小物合わせ」とは、当日のドレスに合わせて、ヘアアクセサリーやベールなどを決めていくことです。

ふだんから、ウェディングの小物や、ヴィンテージの帽子、アンティークのレースなど、こつこつと好きなものを集めていま

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旅とアート|藤田嗣治《秋田の行事》と竿燈まつりをいっぺんに

旅とアート|藤田嗣治《秋田の行事》と竿燈まつりをいっぺんに

わたしはほんとうにラッキーでした。

秋田県を旅して秋田県立美術館に立ち寄ったのですが、そこで藤田嗣治の大壁画《秋田の行事》と、その作品で題材として描かれている「竿燈(かんとう)まつり」を、いっぺんに、ひとところで、思いがけなく観ることができたからです。

秋田県立美術館と藤田嗣治秋田県立美術館には藤田嗣治の《秋田の行事》という大壁画の常設展示があります。高さ3.65メートル、幅は20.50メート

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【いとへんの旅】秋田・羽後町 藍染の踊り衣装とイケオジ職人さん

【いとへんの旅】秋田・羽後町 藍染の踊り衣装とイケオジ職人さん

日本各地の布や衣服をめぐる「いとへんの旅」

盆踊りの衣装をたずねて秋田・羽後町の西馬音内を旅しています。

わたしが旅をしたのは西馬音内盆踊り(8月16日〜18日)の当日ではなく、その前に行われる衣装の虫干しイベント「藍と端縫いまつり」(毎年8月の第1日曜日に開催)です。

この「藍と端縫いまつり」では、盆踊りの前に集落の各家庭(各店舗)に盆踊り衣装が展示されていて、自由に観てまわることができま

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【いとへんの旅】秋田・西馬音内盆踊りの端縫い衣装を着てみたら

【いとへんの旅】秋田・西馬音内盆踊りの端縫い衣装を着てみたら

日本各地の布や服をめぐる「いとへんの旅」

今回は秋田・羽後町の西馬音内という地域の盆踊りの衣装をめぐる旅をしてきました。

そして着てきました。

だって、服は着てみないと理解できないですしね。ウェディングドレスの仕事をはじめるときだって、まずはじぶんで着てみることからはじめました。ほとんどそのために結婚したようなものですから。(それでいいのか)

今回の記事では、わたしが端縫い衣装を知ったきっ

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【小説】インドで旅をして服をつくる、なんてしあわせなんだろう。

【小説】インドで旅をして服をつくる、なんてしあわせなんだろう。

こう暑いと、カレーが食べたくなりますよね。

そして、ふと、インドのことを思い出します。もうかれこれ20年も前のことになりますが、仕事でインドに行ったのです。

インドに、服をつくりに。あ、仕事です。

エッセイをnoteに投稿していたら「そのときの話をもとに、小説を書きませんか?」と文学サークルの秋さんにお声がけいただいて、短い小説を書きました。

大学で「小説」を書くことにものすごく苦手意識を

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ディオール夢のクチュリエ展 イギリスと東京ではどうちがう? ロンドンV&Aレポート

ディオール夢のクチュリエ展 イギリスと東京ではどうちがう? ロンドンV&Aレポート

この記事では2019年にロンドンで開催されたクリスチャン・ディオール「DESIGNER OF DREAMS展」の展覧会レビューと、会場となったV&A(ヴィクトリア&アルバート)博物館の旅のレポートをお届けします。

展示される国ごとに異なるキュレーションが話題になっている「DESIGNER OF DREAMS展」(「クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ展」)

パリ、ロンドン、上海、成都、ニュ

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青森に行ったら奈良美智さんのことが大好きになりました

青森に行ったら奈良美智さんのことが大好きになりました

青森に行ったら、奈良美智さんのことが大好きになりました。

青森県弘前市の弘前れんが倉庫美術館の「もしもし、奈良さんの個展はできませんか?」奈良美智展弘前2002-2006ドキュメント展がとても素晴らしかったからです。(会期2022年9月17日ー2023年3月21日)

いままでは、「かわいい絵だな」「うんうん子どもって時々こういう顔するよね」くらいの「好き」でした。ところがいまではもうめっちゃ大

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【いとへんの旅】但馬の国・鞄と縫製業のまち 豊岡カバンストリートの旅

【いとへんの旅】但馬の国・鞄と縫製業のまち 豊岡カバンストリートの旅

旧国名で服と布をめぐる旅をしています。日本全国の「繕い」の技や、SDGsにもつながる新しい学びを得るための「いとへん」の旅です。

今回わたしが旅するのは、但馬(たじま)の国です。但馬の国ってどこにあるかみなさまはご存知でしょうか?

答えは、兵庫県のこのあたりです。

「但馬(たじま)」と名前がついて有名なものといえば「但馬牛」です。

世界的に有名な神戸ビーフの素牛がこの但馬牛なのです。神戸に

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京都・下鴨神社の片桐功敦「LIGHT OF FLOWERS花と光」展でひかりをみた

京都・下鴨神社の片桐功敦「LIGHT OF FLOWERS花と光」展でひかりをみた

京都の下鴨神社で行われた、いけばなのエキシビョンに出かけてきました。

これは、フランスの高級ジュエリーメゾンVan Cleef & Arpels ヴァン クリーフ&アーペルと、華道家の片桐功敦氏のコラボレーションによる生け花とジュエリーの展覧会です。(会期は2022年11月3日から12月12日終了)

展覧会タイトルは「LIGHT OF FLOWERS 光と花」そのタイトル通り、光がとても印象的

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衣装をめぐる旅|イヌイットのパーカとまあるい世界観|北海道北方民族博物館

衣装をめぐる旅|イヌイットのパーカとまあるい世界観|北海道北方民族博物館

服をつくる仕事をしていて、旅と衣装と博物館をこよなく愛すわたしが、旅先の博物館でまたまた素敵な衣装に出会いました。

イヌイト(イヌイット)の「パーカ」と呼ばれる防寒着です。

かわいすぎませんか、これ。なんと背中のフードに赤ちゃんを入れておんぶできるのです。ほっこり。

イヌイト(イヌイット)とはイヌイットとは、カナダやグリーンランドなどの極北地域にすむアジア系の人びとのことです。以前はエスキモ

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衣装をめぐる旅|ナーナイの花嫁衣装がかわいすぎてもう|北海道立北方民族博物館

衣装をめぐる旅|ナーナイの花嫁衣装がかわいすぎてもう|北海道立北方民族博物館

旅が好きで、服をこよなく愛していて、ウェディングドレスをつくる仕事をしていて、おまけに通信制大学で「博物館学芸員資格過程」を履修していて、できることならば生きているうちにできるだけたくさんの服飾系博物館に行きたいと願っているわたしが、ことしいち興奮した衣装をお伝えしたいと思います。

北海道立北方民族博物館で出会った、ナーナイの花嫁衣装です。

ナーナイの花嫁衣装こちらの衣装です。なんてかわいらし

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