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有料記事まとめ【評論など】

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記事一覧

家鳴りの不思議

家鳴りの不思議

家鳴りってなに?

家鳴りは、室内で生じた原因不明の「コン」とか『ぴし」などの音を指すことが多いです。そのような現象は、原因は様々ですが、主に建材の温度差によって生じる収縮によって軋む音が出るようです。

※温度変化によって熱膨張率の異なる部材間生じた摩擦力を超えた時に発生する衝撃で、音が発生します。

伝承

日本で「家鳴り」に相当される現象が記録されたのは、日本書紀にまで遡ります。宮中の食事を

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金魚史

金魚史

ご挨拶- はじめまして、西山宗一と申します。
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- 私は、金魚を題材にして、漫画を描いたり、短歌を詠んだりしています。
また、岡本かの子(岡本太郎の母であり女流作家)の小説作品『金魚撩乱(きんぎょりょうらん)』の書評を月刊誌に掲載したりと執筆活動を行っています。
文芸の力を借りて、金魚の魅力をどのように伝えられるか模索中です。
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金魚の歴史について

(古くから品種改良が行われてきたこと

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月とウサギの民俗学

月とウサギの民俗学

月のウサギはなぜ餅をつくのだろうか。

月のウサギはなぜ餅をつくのだろうか。

1.ウサギの模様をつくった原因

2.古代中国の世界観

3.西王母

4.日本で描かれたウサギ

ウサギの模様をつくった原因

2012年、月周回衛星「かぐや」の収集データから、月のウサギの形として捉えられている39億年以上前の巨大隕石の衝突によりできたプロセラム盆地であることを判明しました。

古代中国の世界観

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三月大歌舞伎感想

三月大歌舞伎感想

三月大歌舞伎
第三部『信州川中島合戦・石川五右衛門』を観覧して

◎信州川中島合戦・輝虎配膳について
「歌舞伎は顔がでかい方がいい」と聞いたことがありました。今まで言葉の真意はさほど気にしていませんでしたが、この度の観覧では自分なりの回答が出ました。「歌舞伎とは舞踊ではなく、舞踏だからだ」と、肌で伝わりました。身体表現として、下へ、そして内へ向けた動作、押し殺した際の声、このどっしりとした印象を与

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書評 『「いき」の構造』を読んで思うこと、美意識

書評 『「いき」の構造』を読んで思うこと、美意識

江戸っ子といえば、粋。

漠然としたイメージがある。

昔の頑固な人の考えでしょう?

とかつては思っていた。

しかし、独特の存在感を醸す芸能に携わる人や、上野でちゃっちゃっと和装で小気味よく闊歩する青年を見たとき「あ、かっこいい」と思うようになった。

「粋だな」

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競争と平和は共存可能か~オリンピックを中国古典『菜根譚』で読み取く~

競争と平和は共存可能か~オリンピックを中国古典『菜根譚』で読み取く~

道徳の『論語』、謀略の『孫子』 

そして、処世術の『菜根譚』この数百年前に書かれた中国の名著から現代人の私でも学ぶことは多いです。というよりか、世の中の違和感を端的に言語化してくれており、私としては非常に頭の整理に役立っています。

競争と平和は共存可能か。長らく人類史を支配した生身の人間の暴力衝動(殴る蹴る)は現在は否定されたと見てよいでしょう。体罰を厳しく見る目も年々と増しているように思いま

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岡本かの子『金魚撩乱』評論10000字超

岡本かの子『金魚撩乱』評論10000字超

金魚神話
~岡本かの子小説『金魚撩乱』の考察~
論者 西山宗一(漫画原作者)

Ⅰはしがき
 これより、岡本かの子の小説『金魚撩乱』を考察する。文芸として本作を批評し、また、本論の補助として金魚の表象を考え、フィクション表現における金魚の在り方、金魚の評価のされ方を導き出したい。

私は作家であり金魚愛好家だ。この二つの知見を用いたい。また、金魚を題材として取り扱うに当たり、文化・人種・国籍・職業

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