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日本以外のアジアに関する本のレビュー集

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日本以外のアジア諸国、地域に関する本のレビューを集めてあります。日本については、「日本史に関する本のレビュー集」に集めました。
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2023年9月の記事一覧

古代秘教の本―太古神話に隠された謎の秘儀と宗教

古代秘教の本―太古神話に隠された謎の秘儀と宗教

古代秘教の本―太古神話に隠された謎の秘儀と宗教

 今では、ほぼ滅びてしまった、古代の宗教を紹介した本です。
 宗教の中でも、特に、秘密の儀式(密儀【みつぎ】)をともなう宗教に、焦点を当てています。

 古代の密儀宗教に興味を持つのは、ごく一部の、マニアックな人だけでしょう。
 例えば、私のような(笑)

 とはいえ、普通の人でも、本書を読めば、得るものはあるはずです。
 古代の密儀宗教

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アジア遊学 (No.59) 鬼とデーモン

アジア遊学 (No.59) 鬼とデーモン

アジア遊学 (No.59) 鬼とデーモン

 勉誠【べんせい】出版から出ているムック『アジア遊学』シリーズの59号です。
 「鬼とデーモン」の特集号です。

 日本には、古来、鬼【おに】と呼ばれる霊的存在がいますね。日本人なら、誰でも知っているでしょう。
 ところが、いざ、鬼について説明しようとすると、誰もが、はたと困るのではないでしょうか。

 日本のたくさんの民話や伝説に、鬼が登場しま

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ごはんとパンの考古学

ごはんとパンの考古学

ごはんとパンの考古学

 私たちが、普段食べている、「ごはん」と、パンとについて、それぞれの起源を探った本です。

 「ごはん」とは、イネの果実を脱穀した「お米」を、水で炊いたものですね。
 いっぽう、パンとは、オオムギやコムギなどの麦類の果実を、脱穀して、粉にひいて、塊にして、焼いたものですね。

 「ごはん」は、東アジアや東南アジアなどで、主食とされています。
 パンは、西アジアやヨー

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日本の美術 no.330 飛天と神仙

日本の美術 no.330 飛天と神仙

日本の美術 no.330 飛天と神仙

 飛天【ひてん】と呼ばれる超常的存在と、神仙と呼ばれる超常的存在とを、解説した本です。
 類書は、ほとんどありません。飛天を扱ったものとして、わずかに、小学館の『飛天の道』があるくらいです。

 飛天も、神仙も、日本をはじめ、アジアの美術に、よく現われるものです。一見しただけでは、飛天なのか、神仙なのか、わからないものも、少なくありません。
 ごく簡単

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人魚伝説 (「知の再発見」双書)

人魚伝説 (「知の再発見」双書)

人魚伝説 (「知の再発見」双書)

 人魚という幻想の存在について、いろいろと解説した本です。

 不思議なことに、人魚という存在は、世界の各地で、語り継がれてきました。ヨーロッパと日本のように、遠く離れた地においてさえ、ある程度、共通したイメージがあります。

 けれども、「半分がヒト、半分が魚」という、人魚の実在が証明されたことは、これまで、一度もありません。
 証明されたように見えた時

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ペルシア神話

ペルシア神話

ペルシア神話

 ペルシア(イラン)神話について、まとまって書かれた解説書です。
 おそらく、日本語で書かれた資料の中では、本書が一番、よくまとまっています(^^)

 ペルシア神話について知りたいのなら、まず、本書を読むべきですね。

 どこの国でもそうであるように、ペルシアの神話も、時代により、内容が変わってゆきます。
 本書では、古い時代から、新しい時代へと、神話を解説してゆきます。

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シルクロード 歴史と今がわかる事典 (岩波ジュニア新書)

シルクロード 歴史と今がわかる事典 (岩波ジュニア新書)

シルクロード 歴史と今がわかる事典 (岩波ジュニア新書)

 シルクロードを実際に旅した著者が、それぞれの土地の文化や歴史について、書いた本です。

 著者が旅した範囲は、西はトルコ、東は中国、南はイエメンやインド、北はウズベキスタンやタジキスタンにわたります。
 これだけ広い地域には、さまざまな人々の生活があるなあ、と感じられます(^^)

 解説書や事典というよりは、エッセイです。著者の

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アリの巣をめぐる冒険―未踏の調査地は足下に (フィールドの生物学)

アリの巣をめぐる冒険―未踏の調査地は足下に (フィールドの生物学)

アリの巣をめぐる冒険―未踏の調査地は足下に (フィールドの生物学)

 昆虫の研究者さんが書いた本です。
 著者の丸山さんは、好蟻性【こうぎせい】昆虫というものを、研究してらっしゃいます。

 好蟻性昆虫って?
 アリ(蟻)の類ではないのに、アリの巣に同居する昆虫のことです。

 そんな昆虫が、いるんですね。
 普通の人は、ほとんど知らない世界でしょう。
 本書は、未知の昆虫世界を、私

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