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日々のつぶやき

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#日記

強制恋愛

 つくづく、私は不器用な人間だと思う。

 仕事で、ある俳優をオススメするための紹介文を書くことになった。それは去年から担当している仕事のひとつで、初めて自分で立てた企画を取引先との話し合いから窓口まで担当している。自分がやりたくて始めた仕事だから、紹介文を書くことに抵抗はない。映画を観ることは生活の一部で、むしろ、そんな楽しい仕事いいんすか!イエ―!って感じ。
 しかし、これが全く進まないのであ

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言いつづければ。

 デスクの上にイケメンが溢れている。
 仕事をするためのデスクは、ある意味自分の城的な、そんな位置づけだ。
 1日8時間も、仕事がある日はデスクにへばりついているわけで。もちろん、仕事をするためではあるけれど、癒しもなくちゃ同じところでじっとするなんて不可能だ。布団とかね、そういう“存在が癒し!”みたいなものなら話は別だけどさ。
 ふと、仕事をしているとため息をついてぼーっと画面を見つめているとき

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なんだかんだリズムはだいじ。

なんだかんだリズムはだいじ。

 最近、世の中は結婚ブームである。色んなニュースがあるけれど、おめでたいニュースは目立ちやすいから覚えているだけなのかな。

 芸能人やら有名人やらもそうだし、高校の同級生やらもいつの間にか赤ん坊を抱いた写真をインスタのプロフィール画像に設定して、指輪や赤ちゃんの絵文字の隣に8桁くらいの数字を打ち込んでいる。

 漫画家の鳥飼茜さんが結婚したというのを聞いて、ミーハーな私は早速話題の日記を読んだ。

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目指すは世界一強い女の子

目指すは世界一強い女の子

 小学校に入って初めての夏休み、1日目。ドキドキしたことを覚えている。せっかくの夏休みだというのに、私は遊びに行くこともせずに家で本を読んで過ごした。
 母が仕事に行く前に、2冊の本を渡してくれたからだ。
「今日の分のワークと漢字練習3ページが終わったら、この本読んでいいからね。」
 目の前にあるのは、人生で初めての“厚い本”。学校の図書館に置かれている1年生向けの絵本にはそこまで興味が持てなかっ

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夏の終わりと安堵

 自慢にもならないのは百も承知だが、7月中旬から8月いっぱい狂いそうなほどに忙しかった。

 もちろん、夏休みはもらっている。久しぶりに何もしないで過ごせるなんて、感動した。

 バスで実家に帰って、昼寝をしたり神社を巡ったり。あとは、お酒を飲んで、友達とも会った。3泊なんてあっという間で、大好きなラーメンも堪能していないうちに帰宅。

 それからは、毎日とにかく働いている。その前も、とにかく働い

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夢を見るのは更なり

夢を見るのは更なり

 気づいてしまった。いや、薄々そうかなぁ……なんてことも感じていたけれど、必死で目を背けてきたのだ。

 しかし、気づいてしまったのである。

 私が、“王子様”というものにめちゃくちゃ弱い、ロマンス好きであるということを――!

 大学時代、漫画のために食費を削るということをしていた私(今でもよくする)。ケータイには漫画アプリなるものが数個入っている。プロ・アマチュア関係なく、面白いものは面白い

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黄色で反抗

黄色で反抗

お腹が痛い。

2日前の夜から、じくじくと痛む下腹部に自分の性を恨む。こんな日は、何もしなくても思考がマイナスに陥りがちである。

だから、こういう日は原色の服を着るに限る。

最悪な日ほど、アホみたいに明るい服を。気分が乗らない用事には、お気に入りの服を。喧嘩をする日は真っ赤な口紅を。

……最後はちとニュアンスが違う気がするが、私を選ぶモットーだ。

疲れているからと地味な色を選ぶと、さらに落

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おひとりサマ奮闘記

おひとりサマ奮闘記

『ひとりの気楽さはわかるけどもね』

 けども……なんだ!含みを持たせるんじゃない!

 旅先で送られてきた父からのメッセージに憤りを感じる。激怒、したわけである。

 山梨は甲府にきている。生まれて初めての一人旅だ。

 一人旅を選んだのは、気楽だからに他ならない。気楽さに流されたいのは、私が弱いからなのだろうか。誰かと予定を組んで、2日も一緒にいるなんて耐えられそうにない。

 以前、一度だけ

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憧れにはほど遠く

憧れにはほど遠く

 女の子のファッションがよく分からない。もっと厳密に言えば、ファッションアイテムの名称が全く分からない。

 勉強しようと雑誌を買いに行っても表紙はごみごみとしていて要点がてんで掴めないし、誌面もまあ似たようなもんで。そんななかで毎月新しいアイテムを羅列されても、私の脳みそは完全にキャパオーバーとなってしまう。
 もともとのセンスのなさも相まって、私のファッションの知識は致命的である。身長は低く、

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私世界の構築

私世界の構築

「独りで出掛けるなんてありえない!! もったいな!! 」
 飲み会のときに、まあまあ言われるセリフ。

 でも、私はこれに異議を申し立てたい!

 だって、独りの気楽さって何物にも代えがたいんだもの。誰のペースでもなく、自分の思うように街を歩いていくのはとても爽快だ。耳元には大好きな映画のサウンドトラックをガンガン鳴らして、リズムに合わせて足を出す。その瞬間、世界には私しかいなくなるのだ。音楽に合

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突然のスリルにご用心

突然のスリルにご用心

 シャワーを浴びている最中、顔を洗っていたら音も立てずに灯りが消えた。チカチカと、寿命を伝えるわけでなく、当たり前のように浴室が暗闇に包まれた。

 その瞬間、心臓がひゅっと音を立てて縮んだ気がした。あくまで、気がしただけ。声を上げることもせずに、私は顔を手で覆ったまま動けなくなってしまった。人間って本当に驚いたときは声が出ないものなのね……。

 風呂場の照明が消える理由が思い当たらない。なにせ

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6センチの憂鬱

6センチの憂鬱

 ヒールのある靴、履きたかったなぁ。せっかくのお楽しみの日だ。

 スタイルもよく見えて、足も細く見えて。ついでに、春を彩ったような華やかな色だとすごくいい。華奢なヒールでその辺に軽快な音を鳴らしながら、ぐんぐんと歩きたかった。

 足には妙にフィットしている、500円で買ったグレーのバレエシューズ。歩きやすいし、服とも合わせやすいけれど。やっぱり、“ぺたんこ”なところがちょっと引っかかる。今日は

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別れはやっぱり寂しいけれど。

別れはやっぱり寂しいけれど。

 深夜の1時から、朝の6時半までボーリングをしてきた。

 オールナイトで身体を動かして遊ぶなんて経験初めてだから、身体がみしみし。ボーリングなんて、ほとんどしたことのない私はすでに太ももが筋肉痛。でも、爽快感のほうが大きくて、そんな自分に少しだけ驚いた。

 あっという間の3月だ。

 送別会とか、そういう所謂“職場の飲み会”というものは苦手な私だけれど、今回だけは話が別。初めてできた後輩を送り

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廊下と名前と、夏のはなし。

廊下と名前と、夏のはなし。

 塾で、私のことを名字にさん付けで呼んでくれる1つ年下の男の子がいた。彼は大学を卒業して、この春からは社会人になった。スーツ姿を見たときは、ちょっとだけ……いや、大分ときめいた。これは、ここだけの話。

 若い男の子から名前を呼んでもらうのだが、これが結構うれしい。だって、そんな機会ってなかなかないし。私の働いている職場は、結構みんな仲がいいから、それぞれにニックネームがついている。私は入った瞬間

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