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2023年に読んだ印象的な本ベスト11+α

2023年に読んだ印象的な本ベスト11+α

過去最大ボリューム、2023年のベスト10ならぬ11+αの物語です。

クロマトピア ー色の世界ー 写真で巡る色彩と顔料の歴史

顔料の歴史、素材(鉱物や樹脂、虫から化学物質まで)、それらを使用した芸術家などのストーリーが、この上もなく美しい写真とともにおさめられた色の図鑑。帯の言葉は、壮大なファンタジー物語のよう。

数ページ試し読み可。

この本だけのブックレビュー

たくさんのふしぎ 202

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魂についた嘘の、後始末

魂についた嘘の、後始末

2023年5月21日。この日、わたしが自分の魂についた嘘はあまりにも大きすぎた。どうでもいいとは到底思えない裏切りだった。後悔してもしきれず、恥ずかしくて苦しくて3日間ずっと悶え苦しんだ。だけど過去は書き換えられるから、いつまでも引きずって自分をいじめるのは、もうやめた。

海は遠い。
昨日は神社の森に行って、大きな木を抱きしめた。わたしにとって特別な杉とイチョウ。あとは、やっぱり星。今夜は北極星

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曖昧なボーダー:南方熊楠とわたし(後編)インナーチャイルド乗っ取り事件

曖昧なボーダー:南方熊楠とわたし(後編)インナーチャイルド乗っ取り事件

前回の記事の続き。言語化しにくい自分の体験を言語化する試み。

「対象と同一化したままでは、狂人となってしまう」「自我の消滅に恐怖する」「他者と近すぎず遠すぎない、適当な距離にとどまれない」、こんな熊楠は今でいう「統合失調症」に近いのでは、と書かれている。(*後述)

わたし自身は、統合失調症っぽい部分もありそうな「うつ病」だったことがある(うつ病の治療は受けていた)。そのことと関係あると思うけれ

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曖昧なボーダー:南方熊楠とわたし(前編)

曖昧なボーダー:南方熊楠とわたし(前編)

2年以上前に読書メモの流れで書いたものの、後半の内容が濃すぎて公開できずにいました。ようやく時がきたのかも?
熊楠から、インナーチャイルドの話に繋がっていきます。全2回。

「南方熊楠の見た夢 パサージュに立つ者」

夢、やりあて、南方曼荼羅については中公新書「南方熊楠 ー日本人の可能性の極限」よりも先に読んだ「南方熊楠の見た夢 パサージュに立つ者」(勉誠出版)に詳しい。著者は同じく唐澤太輔さん。

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読書メモ「南方熊楠 日本人の可能性の極限」

読書メモ「南方熊楠 日本人の可能性の極限」

引用ではない部分は(参考)(感想)など、わたし自身が書いたもの。まとまった感想というわけでもないので、あくまでもメモ。ちょうど2年前に書いたものです。下書きのまま寝かされていました・・・。

P101 大英博物館の円形図書館(図書閲覧室)(参考)大英博物館WEBサイト。図書館としての機能は変わり、2000年には改修されたが、基本的なデザインは熊楠の頃とほぼ同じのよう。行きたい。

P138 熊楠を

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髪の毛は感覚器官です。

髪の毛は感覚器官です。

(2023.4.10.追記)参考になる書籍情報を文末へ追加。すごく面白いです。笑
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色々と敏感になってきた頃から、「髪を経由して外部からいろいろなものを大量に受けとっている」と感じるようになりました。鬼太郎のアンテナも髪の毛ですが、「巫女やインディオが髪を伸ばすのは(神や宇宙と)交信するため」という説もあります。わたしは良いものも受けやすく、感動してすぐ泣くのですが、よくないほうも

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印刷用インキと環境問題

印刷用インキと環境問題

うちのセキセイインコが、鳥かごの底にウンチキャッチャーとして敷いている新聞を(ケージの網目の間から)かじる。・・・その新聞は、安全な材料で出来ているのか!?ということで、「インキ」を調べました(2019年1月の日記を編集)。なお、印刷業界ではインクではなく「インキ」と呼ぶそうです。

環境にやさしいとされる「ベジタブル(植物油)インキ」、その植物性成分は、いったい何割? 一見すると、100%植物由

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ブックレビュー「クロマトピア -色の世界-」

ブックレビュー「クロマトピア -色の世界-」

2023年、最初に本屋で出会った。何を買うか決めずにぷらっと入り、美術コーナーで色関係の本を5−6冊ぱらぱらっと見た中で、これに決めた。

家に帰って1ページ読んだ時点で、これはものすごい良著だ!と確信(自分の選書眼に、自画自賛)。顔料の歴史、素材(鉱物や樹脂、虫に始まり化学物質まで)、それらを使用した芸術家などのストーリーが、この上もなく美しい写真とともにおさめられている色の図鑑。この本それ自体

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2022年に読んだ印象的な本ベスト10

2022年に読んだ印象的な本ベスト10

新刊に限らず、1年間に読んだ中から7冊+マンガ3作品(順不同)。仕事柄、年間100冊以上読むうちの半数以上が児童書なので、ここでは一般書のみ。今年は小説が少なめです。実用書やエッセイは少しずつ読んでは置いておくことが多いのですが、読んだ数が少ないので読了していない本も入れました。最後に作家賞、番外編でアニメ1本。
(追記)これを忘れちゃだめだった!という1冊を書き足しました。

2022年のベスト

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アート・生活・政治の奇跡的つながり

アート・生活・政治の奇跡的つながり

これまた、2月から下書きのまま熟成。時間差ありすぎですが、神在祭も終わったし(ここで2度目の追熟)、年が変わる前に投稿します。

縄文~古墳時代を紐解くNHK番組の〆で、荒俣宏さんがおっしゃった。

縄文スピリッツを取り戻せ番組内で荒俣さんは明言されていませんが、先ほどの言葉、わたしは縄文時代を指していると思います。それを取り戻す時が来た!これ以上、分断されることは阻止しなければ。

こうした考え

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ブックトーク:虫と話す人たち

ブックトーク:虫と話す人たち

(注)最初の原稿は1月に書いています。今更ながら校正して投稿。

長すぎるので前置きカットして、虫についてのあれこれをブックトーク形式で語ります(児童書多め)。

始まりは、子どものための本苦手な虫もいるけど、可愛いやつもいる。しかし愛してるとはいえない虫との関係でしたが、数年前から仕事で子どもと接するようになり、距離が縮まりました。子どもはとにかく色んな虫を捕まえてきては、知りたがる。何の種類で

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BASARAから読み解く平和な国とは

BASARAから読み解く平和な国とは

先日イッキ読みした「BASARA」の数ある名シーンの中から、今こそは!と思うところを書きます。まずは、本編ではなく外伝です。KANATA。

飛び飛びですが、セリフだけ抜粋します。分かる人には分かる。

あらま、いったいどこの話?あくまでも1990年代に描かれた架空の戦国時代マンガですし、こんなもんじゃーひっかからんやろ!AIさんよ。笑 

作品全体から感じたこと

・考えろ、疑え、その違和感はど

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2021年に読んだ印象的な本ベスト15

2021年に読んだ印象的な本ベスト15

新刊に限らず、1年間に読んだ中から10冊+マンガ5作品(順不同)。仕事柄、年間100冊以上読むうちの半数以上が児童書なので、ここでは一般書のみ。読了しておらず入れられなかった名著もありますが、それは次年度に。今回はマンガ多めです! 最後に番外編あり。

2021年のベスト10https://www.nhk-book.co.jp/detail/000062231342021.html

*同タイトル

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ないじぇるからGENJIへ

ないじぇるからGENJIへ

2月末ごろ、SNSでふらりと流れてきたものを掬い上げた。

ないじぇる芸術共創ラボ展「時の束を披く―古典籍からうまれるアートと翻訳―」

希望者は図録を無料送付してもらえるというので応募したら、送られてきた。さっそく開いてみた。

なにこれ。面白すぎる・・・!

興味を惹かれるものがたくさんあったけど、特にこれ。ゆめみのえ。絵本もあるみたいで欲しかったけど、すでに売り切れ。

東京に行けたらなーと

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