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BASARAから読み解く平和な国とは

先日イッキ読みした「BASARA」の数ある名シーンの中から、今こそは!と思うところを書きます。まずは、本編ではなく外伝です。KANATA。

飛び飛びですが、セリフだけ抜粋します。分かる人には分かる。

「手をかすフリをして入り込み 代理戦争をさせてくわえこむ 金もがっぽり 欧州の思うツボだ」
ーーー
「恐れやほどこしで人を支配すると憎しみを買う 痛い目を見るぞ」
「国を治める気なら 尊敬されろ」
ーーー
「もしおまえに 欧州の援助を請おうと進言するヤツがいたら そいつには気をつけろ」

「BASARA外伝 〜KANATA 赤の話 木天蓼(またたび)」田村由美 作(1999年)より 

あらま、いったいどこの話?あくまでも1990年代に描かれた架空の戦国時代マンガですし、こんなもんじゃーひっかからんやろ!AIさんよ。笑 

作品全体から感じたこと

・考えろ、疑え、その違和感はどこから来るのか感じろ
・Noと言い、事実を伝えろ
・信頼と盲信(追従)は違うことを知れ
・恐れ、不安、恨みや憎しみに支配されるな

それができない、あるいは分からないのは実質的に「奴隷」であり「自由」ではないのです。奴隷は自然発生しません。恐れを植え付けるには殺す必要がある。奴隷制度は「作る」もの。ジェノサイドは肉体の殺戮だけではありません。

・の行を全部否定形にしたら何ができあがるでしょうか?

学校で形だけ勉強しても、大抵は「考えない」訓練をされるから、自分で抜け出すほか方法はないのです。・・・そういえば檻と動物園の話、ついこの間も考えていた。なぜかって「キングダム」と「アニマル・ロジック」を読んでたから。こちらについて詳しく書くのはやめておきます。とりあえずリンクはっとこ。キングダムは、まだまだ最新刊までたどり着いてません〜(果てしない)

読書は錬金術である

読書って、単に「あー面白かった!」という娯楽的要素もあるけど、往々にしてそれだけじゃない。そこから何を得て何を取り出すのか?つまりわたしにとっては錬金術みたいなもんで、作家の意図と、意図しなくても滲み出てるものと、読み手の体験や思考が混ぜ合わさって出来上がる。当然だれもが同じではない。ただの砂と見るか、その中から砂鉄を取り出せるのか、黄金にまで変化させるのか、それすらも読み取る側の状況次第。

映画や芸術表現も同じで、この話になるとMATRIX。知ってる人は何十年も前から、みんな同じこと言ってるし、知っている。「自分が何を見るかは選べる」。万人に同じものを意図的に見せられる場合は注意して、プラグを抜けばいい。

もう一つ、こっちは本編で、読んだ人はもれなく全員が震えたであろうシーン。というか、ここで響かない奴は・・・すでに終わってる。

「なぜ 自分で決められない?
 いつまで人のいいなりになるつもりだ
 いつまで人に頼って生きる?
 この国を 王家を! こんな阿呆のまま続かせたのは誰か!?」
 ーーー
「支配されるな
 間違うな
 簡単にのせられるな!」
 ーーー
「己が!
 己の望むことを・・・
 己の望むように!
 己で考え!
 己で選び!
 己で決めろ!
 己を信じ
 己を頼め
 己で荷を背負い
 己で責めを負い
 己で守れ!
 己の意志で 判断で
 誇りを持って
 己のために生きよ」

BASARA 23巻 (田村由美)

どちらも、朱理(赤の王)のセリフ。ここに、作者の魂のすべてを感じた。さっきも書いたように、これができない場合、知らないうちに家来どころか奴隷に成り下がっているのだ。平和ボケしてる場合じゃない。今の日本も、戦国時代と変わらない。

生きろ。己のために。

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