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感想文&推し事の記録

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#エッセイ

受動態で始まる命を能動的に燃やして / 舞台『FANTASY WORLD?』

受動態で始まる命を能動的に燃やして / 舞台『FANTASY WORLD?』

ご時世なりの自制は苦しいけど辞世する訳にいかないし、迷いに迷ったけれど今回は配信で観劇させていただいた。

●あらすじ(チケットサイトより引用)国の管理の元、自殺者・自殺未遂者は臓器移植希望者に強制的に臓器を提供しなければならない右の世界で出会った、余命僅かながらも強く生きたいと願う臓器提供を待っている女の子と自殺未遂で病院に運ばれた男。

そして、3日おきに記憶をリセットされる左の世界で、街の人

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自分を演じる狂気の凶器 / 漫画『アクタージュ』マツキタツヤ・宇佐崎しろ

自分を演じる狂気の凶器 / 漫画『アクタージュ』マツキタツヤ・宇佐崎しろ

書きっぱなしで放置していた文章をこんな形で供養することになるとは…。原作者の罪はきちんと裁いてほしいし、被害に遭われた方の心身回復を心から祈ります。ただ漫画自体は面白かったので続きを読みたかったなと残念な気持ちを拭い去れない。作画の宇佐崎先生もジャンプ編集部や集英社も、舞台化に関わる方々も相当な損害だろうなと他人事ながら心中お察しして辛い気持ちに…。

以下、加筆修正しながら読んだ感想を。

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涙で出来た思いがこの呼吸を繋ぐ力になる

羽海野チカ先生の作品が好きです。中学生の頃『ハチミツとクローバー』で大学生活の切なさと甘さに憧れながら悶絶し、BUMP OF CHICKENとのコラボで『3月のライオン』と出逢いました。

人生で初めて友達と子供だけで観に行った映画は実写版ハチクロ。テーマソングだったスピッツの『魔法のコトバ』と嵐の『アオゾラペダル』はギターで弾き語りも練習しました。『3月のライオン』コラボカフェでは再現メニューに

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僕の知らない景色に僕が溶け込む それだけで / ARASHI EXHIBITION "JOURNEY" 嵐を旅する展覧会 宮城会場

僕の知らない景色に僕が溶け込む それだけで / ARASHI EXHIBITION "JOURNEY" 嵐を旅する展覧会 宮城会場

大事に書いていたら随分経ってしまいました。

当選通知を目にした瞬間、最後のご褒美だと確信した。このタイミングでここに「戻ってきて居る」奇跡に感謝する。

2003年の1月に彼らと出逢ってから、一度も現場に行けなかった。そのことが負い目として深く残っているし、これからもその事実に傷つき続ける。それでも実体を一度も感じられなかった空想上の存在の様な"アイドル"は、私にとっての永遠。

そんな彼らの2

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クリームソーダのチェリーみたいに

クリームソーダのチェリーみたいに

悩みや悲しみに暮れる人へ、絞り出してでも言葉を贈るのが正だと思っていた時代があった。狭苦しい自分のワードローブから似合いそうな服を引っ張り出して着せつけた言葉は思うように伝わらなくて、逆にそんな善意を受け止められないことだって何度もあって。

良いことを言われたら救われる訳でもないし、自分の欲しい言葉が他人にとって辛く聞こえることもある。ただ背中をさすったり手を握ったり抱きしめたりすることが言葉以

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魂すらも行き交う港町で / 映画『横須賀綺譚』

魂すらも行き交う港町で / 映画『横須賀綺譚』

fictional reality
フィクションめいた現実に対し、心の距離の取り方に揺れる貴方へ

ネタバレに触れるかもしれないので観賞後にお読みいただければと思います。

初日舞台挨拶付き上映。昨年7月のカナザワ映画祭以来、1年ぶり/2度目の鑑賞。パラレルワールドよろしく「想像し得なかった未来」を生きる今、抱く感想も変わらざるを得なかった。1席飛ばしの椅子に腰を沈めて。

あらすじ(公式サイトよ

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快と不快、対立と共存 / 小説 『死にがいを求めて生きているの』 朝井リョウ

快と不快、対立と共存 / 小説 『死にがいを求めて生きているの』 朝井リョウ

読み、noteに書き留め、また読む。そのサイクルで結末まで走り抜けた結果、決して心地よくはない読後感が癖になっているから不思議だ。快と不快が対立し、それでいて共存している。或いは、海族と山族の様に。

朝井リョウの小説に苦手意識を持ったのは『何者』に続けて『何様』を読んだ頃と記憶している。その時も私は、誰かの薦めで両作品を読んだのだ。明確な理由は忘れてしまったのだけど、私はこうじゃない、と没入でき

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貴女の愛も夢も野心も / 映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』

貴女の愛も夢も野心も / 映画『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』

小学生の頃「昔の外国の話」として読んだ物語が、今の自分にも刺さる形で蘇ってきたことに胸の奥がぎゅっとなった135分。映画館で観て良かった。自宅で観ていたらもっと感傷的に没入してしまい立ち直れなくなった気がする。

平たく言えば「人の幸せは人それぞれの形」なのだけど、4姉妹それぞれが自分なりの信念で幸せと愛を求める様を、改めて新鮮な気持ちで見つめた。かつてメグに憧れた私もすっかりジョーの様になってい

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あたたかな夜の街を往く / 小説『おやすみ、東京』 吉田篤弘

あたたかな夜の街を往く / 小説『おやすみ、東京』 吉田篤弘

タイトルに惹かれてページを捲り、最後まで読んでみることを決めたのは2人の登場人物が気になったから。映画会社の小道具担当・<調達屋>のミツキと、タクシー運転手の松井さん。

東京、午前一時。この街の人々は、自分たちが思っているよりはるかに、さまざまなところ、さまざまな場面で誰かとすれ違っている―映画会社で“調達屋”をしているミツキは、ある深夜、「果物のびわ」を午前九時までに探すよう頼まれた。今回もま

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DISH// 北村匠海を「バンドのボーカル役」で好きになった必然的な話

DISH// 北村匠海を「バンドのボーカル役」で好きになった必然的な話

軽率に「海」のお写真でお送りします。

昨日のMステ、感情のこもった歌唱に魅せられた。歌詞が飛んじゃうほど緊張して、プレッシャーも背負ってた姿に思わずグッときた(にわかの、しかもジャニヲタに言われるのはファン的に嫌だろうなと感じつつも言わずにいられない…すみません)。最後は感極まって泣いている様で「まさに #泣ける猫 …」と思ったのはきっと私だけじゃないよね?

一発録りのパフォーマンスが評価され

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櫻井翔尊敬歴18年の私もアニキ会に入れて欲しい

櫻井翔尊敬歴18年の私もアニキ会に入れて欲しい

その存在を初めて知った日、私は猛烈に嫉妬した。

「櫻井翔をアニキと慕う後輩たちによる『アニキ会』…?」

その時から事あるごとに「アニキ会に入れて欲しい」と言っている。

6月4日の『櫻井・有吉THE夜会』では「アニキ会」から上田竜也・増田貴久・菊池風磨が出演。

この会の素晴らしさは櫻井翔が自ら作った「軍団」ではなく、彼を慕う面々が発足した会だという事実に尽きる。舎弟たちの愛情が過多。それぞれ

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You are my gravity

You are my gravity

Kis-My-Ft2のシングル『Gravity』がリリースされた2016年、辞書をめくっていたら出逢ったフレーズ。

"You are my gravity." あなたが私を惹きつけた。

アイドルの事であり、東京の事であり、その当時の彼氏みたいな存在の事でもあり。気に入ってしばらく使っていた。

林檎が木から落ちるしか無い様に、受動的に言いたいフレーズ。能動的に愛している様に見えても。

私は自

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エンターテイメントの世界で

エンターテイメントの世界で

エンターテイメントの素晴らしさに何度も救われて生きてきた。息苦しい学生生活に夢を与えてくれたのはアイドル、音楽の素晴らしさとものづくりの尊さを教えてくれたのはロックバンド、つまらない日々に彩りを添えてくれたのは数々の展覧会やイベント。

自ら進路を選べなかった時代に明確な居場所を持てず悩んだことが「人を沢山集める場をつくりたい」という気持ちに繋がり、「好きなものを好きになってもらいたい」という気持

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スペインの海街・シッチェス弾丸1日旅(2019.2)

スペインの海街・シッチェス弾丸1日旅(2019.2)

#オンライン旅行記 マガジン用。沢山写真載せてますが、ここまでやらなくても全然OKです。。。久々に振り返ったら懐かしさでいっぱいになった!

2019年2月、スペインはシッチェスへ訪れた際の記録🇪🇸きっかけは2018年の秋に『カメラを止めるな!』チームが映画祭目的で訪れていたこと。スペインには以前から行ってみたいと思っていたので、冬休みのタイミングでバルセロナとシッチェスを訪れました。

🌹

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